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| 2007年6月12日 第166回国会 文教科学委員会 |
政府案「学校教育法等の一部を改正する法律案」
民主党案「学校教育の環境の整備推進による教育の振興に関する法律案」等
公述人
吾妻 幹廣 前福島県石川郡石川町教育委員会教育長
渡辺 稔 「わたなべ英数塾」塾長
中島 啓子 元教員
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新しい職の設置は、時代の要請にマッチしたもの
免許更新の講習は、教員の最新の知識や技能を習得する機会に
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前福島県石川郡石川町教育委員会教育長 吾妻 幹廣
公述人・吾妻 幹廣・前福島県石川郡石川町教育委員会教育長
本日の7つの案件から、政府提出の教育3法に対して賛成の立場で意見を述べさせていただきます。
それでは、最初に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正について意見を申し上げます。
今日、私たちは、いろいろのひずみを抱えながらも平和で豊かな暮らしを享受しております。わが国の現在の繁栄に対して教育界が果たしてきた役割は非常に大きいと言われておりますが、その日本の教育を地方で支えてきたのが教育委員会制度であります。
この教育委員会制度は、戦後60年の流れのなかで幾度かの改正を行い、時代に合わせた改善が図られてまいりました。しかし、従前より教育委員会のマンネリ化、形骸化など、問題点を指摘する声が続き、制度の活性化を促す声が年々高まってきたなかで、近年になって、地方分権改革推進会議や地方関係団体の一部から、活性化論を飛び越えて教育委員会制度の任意設置論や廃止論が唱えられるようになりました。
このような声に反応した形で、2004年に文部科学大臣より中央審議会に対して、「地方分権時代における教育委員会の在り方について」の諮問がありました。その答申内容は、現行の制度を維持しながら制度の活性化を図るべきで、制度の廃止、任意設置論は少数意見ということでありました。
続く翌年、2005年の中央教育審議会の答申、「新しい時代の義務教育を創造する」のなかでも、教育委員会制度については、教育における政治的中立性や継続性、安定性の確保などの観点から、すべての地方自治体に設置する現在の枠組みを維持することが必要であると述べられております。
それでも、なお一部で教育委員会の廃止、任意設置論が唱えられるなかで、昨年の後半に一連のいじめ問題や必修科目の未履修問題が発生いたしました。そこでの学校や教育委員会の不手際ともいうべき反応の遅れや適切とは思えない取組に対して、厳しい批判の声が沸き起こりました。このような事件や案件が発生した場合、誰が、どこの機関が、どのように対応すればよいのかという議論が沸騰するなかで、教育委員会に対する責任追及の声がひときわ大きく広がり、また一部には、国の指導性について言及する声もありました。
しかし、だからといって教育委員会は不要であるという声はあまり聞かれず、むしろ教育委員会にもっとしっかりしてほしい、頑張ってほしいという叱咤激励の声が圧倒的で、トータルな国民感情としては、教育委員会の充実強化と国の指導性に対しての期待感が大きいと私は感じ取りました。
さて、このたびの地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正についてでありますが、そのポイントの一つは、冒頭に地方教育行政の基本理念を明記するとともに、各条文のなかで教育委員会の組織や事務の委任、教育委員の服務など、新たに具体的なあり方を示すことによって教育委員会の責任体制を明確に打ち出していることだと思います。
また、教育委員会の共同設置や市町村教育委員会への指導主事の設置、さらには、教育委員選任において保護者選任の義務化、そして、文化、スポーツ事務の首長担当を可能にするなど、弾力的な対応を含めて体制の充実を図るための理念が明確に示されていると思います。
教育委員会の必要性と重要性を明確に打ち出したこのたびの改正案は、教育委員の意識改革に強く影響を与えるとともに、高い意識と責任感に支えられての教育委員会の積極的な行政執行によって、わが国の教育全体が大きく飛躍することを心から期待するとともに、一部に残る教育委員会不要論に終止符が打たれることを願っております。
二つ目のポイントは、教育における国と地方との関係であります。言うまでもなく、教育という営みは、特に義務教育においては、地域の実態を十分に踏まえて、実施主体である地方公共団体や学校が主体性と責任を持って、地域に根差した特色のある教育を進めるものであります。
それに対して、国は国としての基本理念の下に、教育の機会均等や水準確保の保障を基本として、教育の最終的な責任を担っており、その意味から、適切な指導と助言を行うという関係のなかで、国と地方がそれぞれに主体性と責任を全うし、お互いに連携、協力の関係を保ちながら、教育の進展を図っていくものと考えております。
こうした関係を踏まえた上で、今度の改正案では、教育委員会に著しい法令違反や怠りがあった場合、生徒の教育権や生命を保護する意味から、また最終的な責任は国が担うという立場から、文部科学大臣が是正の要求や指示ができるとしたことは誠に当を得たものであると考えております。
三つ目は、教育委員会の自己評価についてであります。教育委員会がその権限に属する事務の管理や執行の状況について点検、評価を行うことは、教育委員会の活性化を図る上で大きな意味があると思います。しかし、その対象と内容、方法についてはやや不明確な面があり、今後の具体的な実施に当たっては慎重な対応を望みたいと思います。特に、評価結果の議会への提出と公表については、教育委員会制度の特徴とされてきたレイマン(民衆)たる教育委員のあり方と、本改正案に新たに明記された教育委員の服務との関連を踏まえて、十分な研究が欲しいというふうに思っております。
次に、学校教育法の改正案について所見を申し上げます。この法の改正で目につきますのは、学校の種類ごとの目的及び教育の目標等についての見直しが行われたことであります。
新たに設定された義務教育の目標は、昨年改正された教育基本法の理念に基づき、学校教育の場において指導の指針となるように法として位置づけたものと思います。規範意識や公共の精神の欠如、伝統と文化や生命の尊重など今日的な課題とともに、芸術や運動、家庭生活や読書など幅広く盛り込まれており、大変適切な内容であると思っております。これらの目標を受けて学習指導要領の改訂が行われ、学校教育の一層の改善が図られるものと期待いたしております。
2点目は、学校評価と情報提供についてであります。この点についてはすでに学校設置基準に基づいて多くの学校が実施をしているところでありますが、今回、教育関連法の中核を成す学校教育法に位置づけられたという重みは非常に大きいものがあると思います。このことによって、評価における科学的手法の開発や評価の結果を生かした教育の展開など、今後の実践に大きな期待が持たれると思います。
3点目は、副校長その他の新しい職の設置についてであります。学校教育は、一人ひとりの教師の責任の下に、学校現場を中心にして教師と子どもとの間に成立する行為であります。それと同時に、公教育として、法令や様ざまな基準に基づき、さらには教育関係機関の指導、助言を受けながら行われるものであります。また、学校という一つの組織体として、校長の指揮監督の下に意図的、計画的、組織的に行わなければなりません。これらのことを踏まえた上で、今日、ますます複雑多様化する教育課題に機敏に対応するためには、組織を有効に機能させることが重要であります。改正案に示された副校長、主幹などの新しい職の設置は時代の要請にマッチしたものであり、これによって学校としての組織基盤が明確になり、各教職員の役割分担と連携協力の下に学校教育が活性化されるものと期待をいたしております。
次に、教員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する件についてでありますが、時間の関係で簡単に所見を申し上げます。
教育は人なり、これはどなたもおっしゃる言葉ですが、私もいつもそのように思っております。良い先生がいて初めて良い教育が実現するのだと思います。しかし、いかに良い先生でも、社会構造が激しく変動し、物や心の価値観が大きく変化するなかで、地域や保護者の多様な要望など、すべての期待にこたえられる教員であり続けることは大変なことであります。そうあるためには、子どもに教えること以上のエネルギーで勉強に励む教師でなければならないと思います。そうしたことを考えたときに、改正案に盛り込まれた更新制度は、10年に一度、免許更新のための研修を受けることによって教員としての最新の知識や技能を修得できるすばらしい機会になると思います。
マンネリ化しかねない勤務校での校内研修から抜け出して、大学で、場合によっては母校で、10年周期の経験を踏まえ、初心に返って研修を行うことは非常に意義が深いと思います。この免許更新の研修を乗り越え、自信と誇りに満ちた先生方によって生き生きとした教育活動が実現することを心から期待したいと思います。
最後に、せっかくの機会ですので、文教科学委員の皆さまにお願いをいたしたいと思います。それは、教育予算の拡大にぜひとも一層のご尽力をいただきたいということであります。いかに望ましい法案が成立しても、立派な理念や施策をうたい上げても、財政的な裏づけがなければ何も始まらないと思います。
例えば、学校教育法の副校長、主幹、指導教諭などの新しい職の設置では、定数改善の措置が伴わなければなかなか成果は期待できないと思いますし、地教行法の指導主事を市町村に設置する件については、設置したくても国からの援助がなければ財政的にそれができない町や村が全国にたくさんあるのが現状であります。
資源を持たないわが国が厳しい国際社会を生き抜いていく道は、将来を見越した人材の育成を図ること、教育立国を目指すことだというふうに思っております。
2000年にノーベル賞を受賞した白川英樹博士は、数年前、国の将来と予算についてこのようなことをおっしゃっております。どんな芽が出るか分からない種をまくこと、すぐには実りが期待できない、実るかどうかも分からない研究のために国が予算を組むことができるかどうかだということでありました。
どうか望ましい教育予算の獲得にご尽力をお願いいたしまして、私の意見陳述を終わります。
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民主党案は、学校の失地回復のための法案
民主党、政府案も、もっと具体的な内容を盛り込むべき
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「わたなべ英数塾」塾長 渡辺 稔
公述人・渡辺 稔・「わたなべ英数塾」塾長
それでは、私の方からは、民主党さんで提出されましたいわゆる学校教育力の向上3法案を中心に意見を述べさせていただきたいと思います。お手元にごく簡単なレジュメを作ってまいりました。それを参照しながらお願いしたいと思います。
まず、この学校教育力の向上という言葉を、私、あえて学校の失地回復、いわゆるレコンキスタというのですか、学校が現在置かれている状況をかんがみるに、まさに民主党さんが提出された法案は学校の失地回復のための法案であろうかというふうに考えまして、そのように言い換えて、それを前提にまず基本的な立場を一言申し上げてから、各法案の何点かについて述べさせていただきます。
レジュメのなかには三つほど書かせていただいたんですが、時間の関係もございますので一つだけ申し上げますと、いわゆる学力を、これは広い意味でも狭い意味でもそうなんですが、学力の保障を第一義的に目指すべきである。要するに、しっかり学力をつければ、世間の皆さま、保護者の皆さまも学校のやっていらっしゃる仕事に対してまず納得されると思うんです。昨今、ゆとり教育であるとか生きる力であるとか、どうも抽象的な概念だけが先走りして、それに踊らされている。そういう状況を考えますと、私はずばり、広い意味でもそうなんですが、あるいは教科の学力も含めて、学力の保障を第1に目指すべきではないだろうかというふうに考えます。こうした基本的な立場を前提に、それぞれの法案について何点か申し上げたいと思います。
まず、いわゆる新免許法ですか、教職員の資質及び能力の向上のための免許の改革に関する法律案ということなのですが、基本的に賛成の立場で申し上げますが、確かに昨今、冒頭の基本的な立場云々でも申しましたように、現在、学校及び学校教職員のアイデンティティー、これが揺らいでいるというふうに申し上げてよろしいのじゃないかなと思います。
学校への理不尽な要求であるとか、場合によっては非常識なクレーム等々が学校の先生方の士気を低下させ、アイデンティティーが揺らいでいる。そうしたなかにあって、教職員の免許取得の教育を大学院、いわゆる修士課程まで延長して学部と合わせて6年間の養成をすると。これは、高い専門性を持つことによって、そうした種々の問題に適応できる高い位置から保護者あるいは社会にアピールする、そうしたまず一つの関門になろうかと思います。
レジュメにありますように、昨今、多くの保護者たちも大学なりの学歴を持った方が非常に多くなっております。そうしたなかで、教師の学歴とのアンバランスを是正するといった観点からも一定の価値を有するのではないかなと考えました。
ただし、これは幾つか問題点もあろうかと思います。それは学部と合わせて6年間という期間、これは教師になるために非常に長い期間が、従来より必要とされる、あるいはそれに伴って大学の学費なども相当大きな負担を強いられる、そうした状況が生じることはもうどなたでも推測できるかと思います。
私は、それを解決するために、レジュメには見返りというふうにだけ書いたのですが、これ財政的な裏づけがなくてはいけないわけですが、高い給与体系であるとか、あるいは高い社会的な地位であるとか、そうしたことを保障する裏づけがあってこういった改革をするならば一定の意味を有するのではないかというふうに考えます。
ちょっと時間が押していますので、もう少しあるのですが、この点についてだけ申し上げて次に移りたいと思います。
レジュメの2ページ目になりますが、これは自民党さんも提出なさっています免許の更新、若しくはそれに伴う講習の件についてでございます。
私たち外部から学校さんを拝見していて、やはり制度的に学校の教師の方々が勉強なさる機会というのが圧倒的に不足しているのではないかと、こういう印象を強く持っております。そういった意味で一定の賛成の立場を持つわけでございますが、先ほど吾妻公述人も教育委員会の件でおっしゃいましたように、やや形骸化してしまう可能性もあるのではないかという危惧はぬぐい切れません。
なぜかといいますと、教師、学校の先生が非常に忙しい仕事を毎日強いられている、この現状のなかでやっぱり負担感が相当あるのではないか、ある意味では心理的にもそうですね。そうしたなかで、一方で、従来も個人的に一生懸命熱心に勉強されている先生もいらっしゃることも、もちろんこれも事実なんです。そうした先生たちにとっては、場合によってはもう負担でしかないということも起こり得るのではないか。ですから、十把一からげに全員が全員に同じような講習、研修を行うということ自体はどうも疑問符がつくのではないかと考えました。
そこで、ささやかな提案でございますが、例えば昨今、企業などのOJT(職場内訓練)教育の一つとしてブラザー制とかシスター制と呼ばれている、言ってみればマンツーマンで、学校の場合ですと、経験のある中堅以上の教師と、あるいは若い先生がペアになってずっと仕事をともにする、こういったOJTの一つを取り入れることによって学校の、特に若い先生たちの職業的なスキルを涵養することが可能になるんじゃなかろうか。
あるいは、もう一つは研修になるわけですが、レジュメにございますように、若年の先生方については、比較的現場に根差したような教授法であるとか、心理学であるとか、そうした方向からの研修をしていただく。他方、中堅あるいはベテランの先生については、教育学であるとか教育思想であるとかあるいは社会学であるとか、そういった方向からの研修にウエートを置いてやっていくであるとか、ややこれは民主党さんも自民党さんも具体性に非常に欠けますので、私は抽象論でしかないなという印象を両法案について強く持ったのです。こういった具体的なところをもう少し盛り込んでいかれた方がよろしいんじゃないのかなと感じました。
ちょっと時間が押していますので、次の地方教育行政の適正な運営の確保に関する法律案について申し上げたいと思います。
主に教育委員会についての法案でございますが、民主党さんでは教育委員会を廃止と言ってよろしいのでしょうか、廃止して、教育監査委員会なるものを新たに設置すると。ただ、これは、私は、これも先ほど吾妻公述人がおっしゃいましたように、現在の教育委員会も、仮に新たにこの教育監査委員会なるものを、あるいは学校理事会なるものを設置したにしても、どうも法案の文面からは抽象論でしかないなという印象はぬぐい切れません。
じゃ、どうすればいいのかということを1点のみ一つの例として申し上げれば、やはり教育責任を教育委員会なり、教育監査委員会がもっと具体的なもので持つこと。例えば、昨今、いろんな事件、事故がテレビ、新聞等をにぎわせておりますが、私たちから見ていると、何かあるとすぐに学校の校長先生なりがテレビの前に引き出されて、そして直接の責任がないように思われるようなケースにおいても学校長などがテレビの前で汗をふきふき弁解すると、こうした印象が強く持たれているんじゃなかろうかと思います。
そうしたケースについては、やはり、これは教育委員会なり教育監査委員会なりがきちっと前面に出て説明責任なりを果たすと。なぜならば、それを見た世間の方々、保護者たち、あるいはもっと危惧されるのは子どもです。子どもが、校長先生が一生懸命、弁解しているようにならざるを得ません。そうした風景を見るにつけ、これが一体教育的にいかなる負の効果をもたらすか。そういったような点において、具体的に教育委員会なり、教育監査委員会が責任をきちっと峻別して、学校の校長先生以下には、もう直接子どもたちに、毎日の職務に向き合ってもらう。例えば、そういった点において具体的な責任体制を考えていくべきではないのかなと常々感じております。
そして、最後になりますが、3番目の教育環境整備法案についてでございます。これについてもやや辛口の意見で大変恐縮なのでございますが、これも民主党さんの案をはじめ、自民党さんも、従来より当然視されていることがうたわれているのみで、私は非常に正直言ってがっかりいたしました。改めて提示されるべきものでもないものばかりです。
そういうなかで、レジュメのなかにやはりささやかな2、3の具体例をもってご提案申し上げたいんですが、例えば教職員の転任の期間、私は詳細はそれがどのように運用されているのか知り得ませんが、少なくとも従来よりも長い期間、一つの勤務校に勤務していただく、理想として私は、一つの学校に生涯教職員としてお勤めいただく。
なぜならば、やはり教職員の方たちが、その地域あるいは子どもとか保護者に対してもそうですが、数年あるいは10年程度でしょうか、これで任地を転々とされる、それは一つの教員としての資質の向上につながるという部分ももちろんあろうかとは存じますが、やはり地域への愛着であるとか、子どもに対する、保護者に対する責任であるとか、あるいは人間関係であるとか、非常に持ちにくい状況です。私は、実は小さな塾を経営しておりますが、私たち小さな塾は一生涯その場所にとどまって、ご近所づき合いをしながら、毎日買物で顔を合わせたり、そうしたなかでお子さんをお預かりして、保護者の方、地域の皆さまと信頼関係をつくっていけているなという側面。それと比較するに、学校教員の皆さまがどうも先ほど述べたような点においてやや問題が残るかなと、そのように常々感じております。
もう一つは、小学校についてなんですが、ご承知のように小学校の先生は、多くの場合は学級担任で多くの教科を1人で子どもたちに教えると、こういう体制を取っておりますね。しかし、私たちは、やっぱり塾の現場から見聞き、あるいは感じるに、どうも小学校の先生たちの、大変、失礼なんですが、指導技術、教授技術が非常に弱いなと、劣るなと、これを非常に強く感じております。その原因が、いま述べたような、要するに多くの教科を1人で担当されている、こういった現状が背後にあるのではないかなというふうに、やはり常々感じております。
そうした観点から、これも財政的な裏づけが必要なわけで、その点については今日申し述べることはできませんが、教授技術を、教科を分担することによって、ただ、中学校、高校のようにすべての教科を教科担任にする必要はないと思います。少なくとも、例えば理系と文系の教科で2人の担任の先生が一つのクラスを担当する。例えば、理系の先生が算数の授業をやっている時には、文系担当の先生がチームティーチングで子どもたちのサポートをすると、例えばですね。そういったシステム、環境を画策してもいいのじゃないかなと。そういうことも日常的なわれわれの現場から見えることとして申し述べたいと存じます。
ということで、こういったことを総合すれば、冒頭に述べましたように、要するに子どもたちに広い意味での、それは生きる力とも言い換えることができるかもしれませんが、学力保障というふうに申し述べました。それが、社会全体の皆さまから、学校、よくやっているなと、それがまず早道だと思いますね。そういった意味で、ささやかな提案を含めて意見を述べさせていただきました。
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10年の免許更新制度では、子育てなどで休職した人たちが、
経験を生かして、現場の教員としてやりたい時に再雇用の道を開いて
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元教員 中島 啓子
公述人・中島 啓子・元教員
私自身は教員を8年間経験させていただいて、その後、主婦業ということで、子育て中心に専念して20数年になります。もうすでに子どもは仕上げて、様ざまな観点でPTAの、幼稚園、保育所、小学校、中学校、高校と、あらゆる立場で先生方とより多く語らったり、様ざまな事件、事故を通しながらも、ともに子どもたちを見守ってきたという私自身の身近な生活体験の上から、今回送られた何か膨大なる資料を初めて、ポストに入っていたので、もう一生懸命、夜な夜な、短期間ですけれど読ませていただきまして、本当に久しぶりに教員を目指したときの気持ちと、これから私自身のできる立場で何かまた恩返しをしたい、そんな思いで子どもたちのことを通しながら語らっていきたいと思いますので、プロの先生方の前では本当に申し訳ないんですけれど、よろしくお願い申し上げます。
今回の法案をしっかり読ませていただいたなかで、私自身も学生時代から、教育委員会制度のことは4権分立という卒論を国会図書館に通って書いた経緯もございまして、地方に来て、このいわきの地で、非常に、教育委員とか教育委員会というものの権力という言い方はおかしいんですけれど、存在が非常に薄いんだなということは常々感じてまいりました。
この法案のなかにあったのですけれども、特に教育委員会制度に関して、今回、様ざまな会派の各党の方々のご意見があったようですけれど、教育委員を選ぶそのなかに保護者は入らなくても入ってもいいというような、いままでの法案だったのが、今回の改正案のなかには保護者の選任を義務化するという、そういう内容がこのいただいた資料の18ページにも載っておりました。
今回、市町村においても道府県においても保護者を教育委員に入れていたところが2割も行かなかったという、特に、さらに女性の占める割合が非常に薄かったという、そういう実態をこの資料のなかから読ませていただきまして、今回の教育委員会制度の充実という1点においては、もうこの保護者を必ず入れる、いま、この時に子どもたちにかかわっている親御さんが入るという、また実際、子どもとの間に入って悩んでいる女性が入るということの意味合いというものを非常に強く感じてこの資料を読ませていただいて、この法案がさらに前進されることを一つ願いました。
もう一つは、学校教育法等の一部を改正する法律案に関してでございますが、今回、副校長制という制度が教頭と兼任される場合もあると。ただ、先生方が、もう1人誰か副校長先生がプラスワンになるのではないというのはこのなかに入ってはございましたが、私自身も、子どもたちが中学校で校長先生の置かれている立場を、本当に遅くまで一つひとつのいじめ問題、父兄からの問い合わせ、7時、8時まで校長室で父兄と役員とを集めながら丁寧に対応してくださった校長先生のお姿を見ますと、本当にこの校長先生を補佐する方が誰かいないんでしょうかというような思いで見ていて、校長先生の頑張りを拝見してまいりました。この副校長制というか、校長に準じた仕事ができる立場を、教頭先生とはまた別な意味で今回取り上げたことに対しては賛成を非常にしたいなと思います。本来なら、人事面でもこのプラスワンの、いままでの先生プラスワンで、また副校長先生がいれば本当はもっとよりスムーズにいくのかなと、そんな思いでこの法案を読ませていただきました。
この資料のなかの68ページにも出ていたんですが、私自身が、同級生とか、一緒に教員をやっていた同世代が、ほとんどいま、校長、教頭、管理職で仕事をしている人もございます。しかし、最後まで私は平で行くと、そういう信念の下に退職まで教室から離れないと、そう頑張っている資質の友人もおります。
じゃ、どこで管理職と、最後まで平で行くのだというのを決めたのかというのは、やっぱり家庭的な問題と、ご主人とか奥さんの理解がないと管理職は務まらないとか、そういう背景があって、40代前半ではどっちのコースを取るかを大体選んだんだと、そんな学生時代の友人との語らいもあり、いま、一つの問題は、管理職に行くコースにおいて、学校の先生を何年やって教頭試験を受け、校長試験を受けた人が採用される、全部が全部では管理職にそのまますぐなるわけではないと思うんですけれど、その管理職コースに行く方々と、最後まで現場の教員でいたいという、それでも経験があって優秀な先生方が、給料体系も含め、管理職になった方と、最後まで平の方は途中からの給料体系が全然違ってきます。
しかし、保護者の方からすれば、本当にベテランの先生が一生懸命やってくださっている、まあ教頭先生は事務職で給料が上がっている、だけど、同じ以上に力を、頑張っているベテランの先生への優遇措置は何もないんだなと、それを非常に実感しております。そういう意味においては、教職員のキャリアというか、実績というか、頑張ってきたそういうベテランの先生方への配慮というものも非常に大事な励みになるというのでしょうか、そういうような思いであります。
私の知っているある担任してくださった先生なのですが、私はもうプールに入って指導をできる体でなくなりましたと。それで、60歳定年を何年か前にして教職を退職された先生がいらっしゃいます。非常に惜しまれながら退職されました。後で聞いたら、やっぱり水のなかの、プールに入って低学年の子、5年生の子を教えなきゃならない、もういい先生でいることができない、後で体に支障がついて迷惑が掛かる、そう言われて、誰からも言われることなく退職届を出したんですと。それを伺ったときに、まあ見事といえば見事というか、自分の教員魂を最後まで貫いて退職なさった先生、それがいいかどうかは別といたしましても、そういう心意気で現場をしっかりやってくださった先生がいてのいまの子どもたちがあるんだなと、そんな思いで一杯でございます。
ですから、管理職コース、また教職員のそのまま現場でのコース、それに対する優遇措置に関しての配慮は、ぜひ国の方でもお願いしたいなと思います。
もう1点、副校長制のことが出ておりましたが、校長先生の存在においても、他国においては、非常に専門性がいま、ただ先生を何十年やったから校長先生になるという時ではない、高校とか中学もそうなんでしょうけれど、非常に高い専門性を問われる、それが校長職になってくるんではないか。ほかの国では、教育学博士みたいな相当高い学識と見識と経験を持った方々が大体校長になるのだという、そういう先進国の話も伺いまして、日本においても、また、わが地元においても校長先生の存在そのものが、先生から上がっていくだけではない、また、いろんな意味の校長職への存在も大事かなと、これは私、個人の意見でございます。
あと、今回、教職員免許法及びこれらの一部を改正する法律案のなかで、免許更新制度のことを先ほどのお2人の先生もお話しになっていました。私自身も現在はペーパーティーチャー、免許証だけ持っている教員になります。10年の更新を受けないと、免許証だけ持っている先生はなかなか復職するチャンスがなくて、そのまま、やりたくてもいかなかったという先生方が、結局、この免許更新制度は教職に戻る気持ちがある方は受けるようになると思うのですけれど、この更新制度ができたときに壁が大きいのかなという気は、若い、いま、子育てをして学校の先生を辞めていわきに来た方々からは声が聞かれました。
今回も、この更新制というか、10年。どの職場でもそうですけれど、教員になったら一生公務員だ、これで安泰だという、そういう時代の時の流れも私たちの職場でもありました。しかし、本当に子どもの幸せのために、具合が悪い、体の調子がこうだ、ああだという様ざまななかで、子どもと100%向き合えないときは休職をしたり、また、なかにはお辞めになる方もいらっしゃいました。3年以上休職しますと、なかなか復職ができません。ですから、逆に言えば、再度雇用の、辞められて何年、5年、10年たって家族のことが落ち着いて、また再びその経験を現場の教員としてやりたいといったときには、県の採用試験が、やっぱり年齢の上限というのがたしかあるかと思います。
そういう意味では、非常にもったいない先生方もたくさん、現場にはいらっしゃらなくて、地域のなかでいらっしゃることを私自身も知っておりますので、どうかベテランの、再雇用のことも含めて、この免許更新制、そして採用試験に対しても門を大きく開いていただくようなチャンスがあってもよろしいのではないかなと思います。
最後ですが、いま、中学校等々でも、私も一生懸命、昨日読んだんですが、講師と言われる臨時職員というんでしょうか、正式の採用試験の先生ではなくて、採用試験を落ちたけれども学校に講師として勤めていらっしゃる先生方が、特に中学ぐらいですとたくさんいらっしゃいます。その先生方は部活の正式な部長もやります、クラス担任もします、責任も取らせられます。しかし、給料とかいろんな意味での扱いは非常に臨時的な立場です。なかには、たった1人の無責任な講師の先生がある日突然辞めると言って、受験を前にした学校、生徒には大変迷惑を掛ける、なかにはそういう先生もいらっしゃいますけれども。
しかし、一生懸命部活をやり、頑張っている先生が、その頑張っている時期の7月というのが採用試験のテストの時にあるのですね。そうすると、一生懸命の先生が必ず落ちるというのです。私どもも父兄で行ったときに、先生、大会の方は父兄で何とかするから、採用試験の方、勉強、頑張ってくださいと言ったんですけれども、もう大会のたびに朝から夜中まで子どもと向き合い、土日は試合に行って、結局、採用試験は何回か落ちている先生もございます。だけれども、本当に生徒からも父兄からも慕われている先生がずっと講師でいることが、何かすごく納得いかないものがございます。
そういう意味では、一生懸命学校で実績を積まれた、採用試験はなかなかペーパーの方では合格していない先生でも、実績を積まれたそういう講師の先生方の本採用への道をまた何かできないものかなと、これはたくさんの父兄を代表しての意見でございます。
今回、これを中心にお話を述べさせていただきましたけれども、私たち自身も母親として、子どもと学校と地域と向き合ってございました。非常に教育熱心な地域のお子さんはやっぱり事件、事故が少なく、登校拒否も少ないという私どもの身近な体験でございます。そういう意味では、地域みんなで、おじいちゃん、おばあちゃん、みんなで子どもたちを見守って、往復も、旗振りもみんなで声掛けて、おなかすいている子には食べていきなって、そう言いながら、私たちの見える範囲のなかでの声掛けをして、わが地域もいま楽しく子どもたちを見守っていく運動が少しずつ広がってきております。
そういう意味では、どの小学校、中学校、高校ももう一歩開かれた学校として、どうか地域にも、たくさんマイナスの人間、私ども含め、いるかもしれませんけれども、もう一歩垣根を低くしていただいて、地域の方々との交流、また子どもたちをみんなで見守る。遅くに集まって外泊をして、たばこを吸っていたり、いろんなことを地域はみんな見ております。親が手をつけられない、そういう一つひとつに対しての学校運営のなかでもう一歩、門を出たら親の責任、わが学校の門を出たらあんたの責任というのではなくて、もう一歩、溝を埋めながら、みんなで子どもたちが幸せになっていくような道筋を学校運営の方でも検討していただきたいと、それが私どもの切なる願いでございます。
水岡 俊一・参議院議員
3人の公述人の皆さん、大変お忙しいなか、貴重な時間を割いて、公述をいただいておりますことに、心から感謝を申し上げたいと思います。
この委員会は関連の7法案を審議しておるわけでございますが、民主党案の4案をなかなか皆さんにお読みをいただいている時間がないという状況がありまして、そのなかで渡辺公述人はお目を通していただいたということで、大変有り難く思っているところでございます。
そこで、渡辺さんがおっしゃっていただいた新免許法にかかわって若干質問をしたいのでありますが、民主党は、この法案のなかで、教育力を本当に持つ教員、そして教育に対する熱意を持った教員、そして可能性を持った教員をやはり教育現場に迎え入れるべきだということでこういう法案を作ってみたわけですが、渡辺さんからは、若干の懸念材料もあると。例えば、6年間という長期間にわたるというようなことで、どういうふうにその負担増をフォローしていくのかというようなこともありました。
いろいろ意見はあるなかで一つお聞きをしたいのは、この6年間の最大の意味は、1年間の教育実習をしていただきたいというところだと私は思っています。1年間の教育実習のなかで、本当に自分は教員という仕事をどうとらえているのか、あるいは学校現場が何を求めているのかというようなことを感じてもらえる大きなチャンスではないかなということが、この法案に盛り込まれている一つの思いだと思うんですが、それについては渡辺さんはどういうふうにお感じになっているでしょうか。
公述人・渡辺 稔・「わたなべ英数塾」塾長
先ほど、時間があればその周辺についても申し上げたかったことがあったのですが。
1年間、教育実習を行うということ自体も一定の意味のあるものだというふうに私は思います。ただ、やっぱりこれも実は懸念材料が幾つかございます。
まず、先ほどの申し上げたこととも関連するのですが、6年間、教員になるため、学部も含めて、教育学部のような学部、続いてそういう教員養成系の修士課程プラス6年間ということですね。ということは、すでに学部に入学した時点、多くの場合は18歳ぐらいでしょうか、その時点で自分はもう教師になるんだということをほぼ確定しなきゃいけない。現在も教育学部を出るためには、4年間の大学生活に先立って18歳の時点でそのことを決めておかなくちゃいけない。これがさらに2年延びるということは、どうでしょう、決断する若い人たちからすると、かなり大きなエネルギー、負荷を伴うんじゃないかなと。
といいますのは、その間に気持ちが変わるということもありますよね、例えば。それともう一つは、これだけの長きにわたって、あるいは学費の大きな負担を強いられるなかで、果たして本当に教員になれるのかどうかという問題。教員試験も、例えば医師国家試験であるとか薬剤師、同じく6年間ですけれども、彼らは結果的には多くの場合、国家試験に受かって、そして医師なり薬剤師なりなっているのが現状だと思われます。それに対して、現状の教員採用試験を見ますと、なかなか狭き門ということですね。そういった不安材料を抱えながら、6年間のあるいは実習も含めてやるということ自体ちょっと無理が、現行の状況をそのままかぶせてしまうとちょっと無理があるかなと。
そういうなかで、その実習についてですが、実習も、果たして本当になれるのかなという、そういう思いが交錯するなかで実習をすること自体は、私はちょっと疑問は残るんです。といいますのは、現在も教員の実習は4週間でしたっけ。
水岡 俊一・議員
2週間から4週間です。
公述人・渡辺・「わたなべ英数塾」塾長
2週ないしは4週間ぐらいの教育実習をやっているわけですが、現在はシステムが違うので、なおさらいま申し上げた点、つまり、一応ペーパー免許ですか、それを取るためだけに実習を受ける学生も少なからずいるようなんですが、そういう現状のなかで1年間の実習をやるときのモチベーションが果たしてどれほど大きなものを、どれぐらいの長い期間維持できるかどうかという、その辺がちょっと何か混沌としているなという感を持ちました。
水岡 俊一・議員
6年間の修士課程を経ないと教員免許が取れないという制度をもしつくったとしたら、大々的に様ざまな制度を変えていかないとこれは無理だということはもうおっしゃるとおりだと思っております。
それから、モチベーションをどう持っていただくか、高めていくかということも、それは条件整備が本当にたくさん要るのだろうと思うし、また学校が教育実習生を受け入れる、そういった体制のなかにも、またいろんな問題点があります。そういったことを含めて、6年間の修士を、一つ日本の教育力を高めるために私たちはやっていきたいという思いがこもっているということはご理解をいただいているんではないかなと思っております。
また、6年間ですから、もちろん奨学金は必要だというふうに思っております。私も大学、奨学金をもらいながら勉強しまして教員になった身でもありますので、民主党は、そういう意味では奨学金はもう絶対必要だと、思っているところです。
さて、続いて渡辺さんにお願いをしたいのですが、新地教行法にかかわってであります。
それで、実はこの新地教行法、私自身かなりかかわった法案でありますのでいろんな思いもこもっているのですが、そこで、一つ皆さん方にご理解をいただきたいなと思っていることは、教育監査委員会というのは完全にもう立ち位置が変わっております、この法案は。なかなか法案の文面だけではご理解いただきにくいかもしれませんが。
いま、吾妻さんから、教育委員会事務局と教育委員会のことのご説明があったところですが、教育委員会事務局と言われるものについては、これはもう完全に首長部局に含んでしまう制度なのです。ですから、執行権、執行体は完全に首長部局、そして学校がそこにある。学校は学校理事会という機関もありますが、教育監査委員会というのは完全に第3者的な立場でありますので、説明責任というのは首長部局に完全に移るということがそこにあるわけですね。
例えば、北海道の悲しいいじめ自殺事件がございましたが、あの時も現実的に解決への大きな動きをし始めたのは市長のリーダーシップだということはもうご存じのとおりだと思います。そういった意味では、執行権、責任権を持っている首長部局のリーダーシップの下にやる。教育監査委員会は完全な第3者としてのチェック機関として、その両方、学校にもあるいは首長部局に対しても厳しいチェックの意見を言えるという立場というのをそこに込めているわけですが、そういった観点からすると、渡辺さんはどういったお感じをお持ちなのか聞かせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
公述人・渡辺・「わたなべ英数塾」塾長
よく分かりました。ただ、それにしても、じゃ、その首長部局ですか、そちらの方で、先ほど申し上げましたような、具体的に、こういうケースについてはいま、一つひとつ申し述べる余裕はございませんけれども、具体的なその責任を、首長部局ですか、そちらの方で持っていただけるようなそういうシステムはつくらねばならないんじゃないかと。
先ほどいただいたご質問のなかで、ちょっと言葉足らずで申し上げることができなかったのですが。というのは、学校の立場からすれば、管理はされるわ、責任は持たされるわ、管理されるから報告すらスムーズにできないという、そういうジレンマにあるようにすら見えるのですね。その辺はもう少し改善しなくちゃいけないのじゃないかなとは考えています。
水岡 俊一・議員
学校理事会という組織も、そこに設置をしながら、制度的にはきちっといろんなことを整理していかなきゃいけないと思っておりますが、そういったことの案だということで、また皆さんにご理解をいただければ有り難いなと思っております。
そこで、吾妻公述人にお伺いをしたいのですが、恐縮ですが、吾妻さんは民主党の案はお読みになっていただく時間がございましたでしょうか。
公述人・吾妻 幹廣・前福島県石川郡石川町教育委員会教育長
はい、部分的に読ましていただきました。
水岡 俊一・議員
それでは、吾妻さんにとって、先ほどやはり教育委員会がきちっとチェックをするという機能は果たさなきゃいけないというお話がございました。そういった意味からすると、いま申し上げておりました民主党案でいう教育監査委員会というのは、首長部局に対しても、また学校に対してもチェックをしていくということが一番の大きな責任として設置をするという案でございますが、そういった案については何かご意見がございますでしょうか。
公述人・吾妻・前福島県石川郡石川町教育委員会教育長
私が思いますに、改正されれば、また責任が非常に重くなる改正案ですけれども、現行のものはいわゆるレインマンコントロール、いわゆる専門家ではなくて一市民の立場でチェックをする、それは非常に軟らかいチェックであります。そういう意味で、教育行政を教育の専門の人間だけで行うのではなくて、本当の常識の高い一市民の方々の代表がいろんな分野から入ってきて教育をチェックしているということが現在のレインマンコントロールである教育委員会制度であります。でも、それは裏を返せば、甘いという形でマンネリ化というようなことを言われてきたのだと思うのです。
でも、やはりまた元に戻ってみると、そのたった平均的には5人の教育委員のチェックでさえ甘いという批判があるなかで、民主党さんがおっしゃる監査委員になった方々が本当にどれだけの責任感を持って、この委員としてお仕事をされるかということを私は非常に危惧します。
先ほど、荻原委員からの質問のときにチェックが云々という話をしましたけれども、首長部局で首長主導の下にどんどんどんどん進めていって、あとはほとんど監査委員の方々が追認するだけというのが教育委員会制度よりもっと強くなるのではないかな、と私は危惧をします。ですから、私はいまの教育委員会制度の充実を図る方が教育としてはよろしいのでないかという思いを抱いております。
水岡 俊一・議員
そういった懸念の問題がございまして、民主党としては、首長部局、執行者のイエスマンにならない委員会をつくることが最大の目的であるわけです。そういった意味からすると、現在は首長がほぼ任命という形で教育委員を決めているという状況はやはりよくないと思っておりまして、私たちは議会から承認をいただく教育監査委員というものをそこに据えながら、首長に対しても、また学校に対しても厳しい意見が言える組織をつくりたいというふうなことを考えたわけです。その件に関して、もし中島公述人として何かご意見がございましたら、お伺いをしたいと思っています。
その意味は、保護者の選任の義務化というのは意味があるというふうにご意見をおっしゃっていただいたので、そういった観点からしても、何か中島さんの思いがあればお聞かせをいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
公述人・中島 啓子・元教員
先ほど水岡先生がおっしゃっていた、要するに市長さん、県知事さんが教育委員を任命する、そういう任命権が、いまそちらにあると伺っておりますけれども、任命権云々のことまでは私もその仕組みというのはよく分からないのですが、いま全体的な国の法律のことも含め、立法府と行政府と司法という3権がそれぞれ独立をして国の機能を担っていると思うのです。教育委員会そのものの存在がもう一つ、教育権というんでしょうか、党利党略とか、時の知事がどちらの党であれ、市長さんがどちらの党であれ、やっぱり首長という方は、党派を超えて、その県とか国のまた市の責任を担う方が選ばれて首長さんになっていらっしゃると私は信じます。だから、首長になったから片方の意見だけの市政、県政をやったのでは皆さんが納得をしない状態になります。
ですから、賢明な、私たち県民、市民というのでしょうか、その方の幸せのために、次の時代を担う子どもたちの幸せのために教育委員も選んでくださると信じてはいるわけです。が、実際、教育委員会の存在そのものは市政、県政と同格、その下にいる力がない教育委員会ではなくて、やっぱり物も申せる、そういう教育委員会制度というものは大事なものです。だから、3権分立だけじゃなくて、それこそ国全体でいえば4権分立ぐらいの大きな、その時、その時の情勢に合わせて子どもの行政が、また教育の行政が変化されるような状態にならないように、やっぱり子どもにかかわるということは私たちの死んだ後の、その先を任せる、未来を任せますから、大人の駄目なところを踏み越えて育っていくのも子どもたちの生きていく力かなと。大人の財産は、いい財産も残しますけれども、マイナスの財産も子どもたちには与えているかなとは思いますので。
ただ、そういう意味で、教育というものは3権分立のほかの大事な存在の、それが、教育委員会制度が徐々に確立していけば、また新しい道を国で探してくださるんではないかなと、そんなふうな思いでおります。
水岡 俊一・議員
最後に、吾妻公述人に再度お伺いをしたいのであります。吾妻さんは教育長をされていたということでありますので、そういった観点から質問を申し上げたいんですが、教免法にかかわって、これまでの校内研修等いろいろやってきたけれども、マンネリ化もあるだろうし、こういった10年の研修をしながら活性化を図っていくべきだというようなご意見も先ほど伺ったところなんですね。
一方、吾妻さんもご存じだと思いますが、教職員の超過勤務というのは、これはもう最近、文科省の調査で明らかになっておりますが、これは実は平均しても、一人、毎日2時間以上の超勤があるという実態があるわけですね。そういったなか、土日の勤務もあるというような状況のなかで、いま政府が提案をしている教免法、これは土日だとか、ほかの休日も使ってやりなさいというようなかなりの過重になってくるような気もするんですが、これはもう教育長をなさったお立場からすると、どうでしょうか、何かご意見がございますでしょうか。
公述人・吾妻・前福島県石川郡石川町教育委員会教育長
教職員が非常に忙しい、超過勤務もかなりやるというのは実態だと思います。
ただ、現実問題として、忙しいから子どもの教育云々、手を引くわけにはいかないわけでして、これは校長先生のご指導のなかで、いかにその学校のなかのいろいろな役割分担、その他調整をして負担の少ないやり方をしていくしかないと思うんですが、そのことと研修のこととを一緒にするとやはり問題があるかなと思います。やはり教員は研修するのが職務の一つですよ。教育公務員特例法にそういうふうに書いてあると思います。
それと同時に、子どもたちに勉強しなさいと言いながら勉強しない教員では仕方がないわけでして、教員の研修を忙しいことと合わせてしまうと非常に難しくなってくるということです。私は、いまここで、各学校、教員一人ひとりの日常の条件が全部違いますので、こうやればいいですよというようなことは軽々に申し上げることはできませんが、忙しいなかを乗り越えて、ぜひ研修というものを大事にした教員であってほしいということしか、いまはお答えできないと思います。
水岡 俊一・議員
公述人の皆さんには、教育現場にいろいろな面から影響力のある方々だというふうに理解をしておりますので、教員が、中島さんのお話にもありましたように、健康で子どもたちにより多くの時間を接することができるような、その方向を求めていけるように皆さん方のお力もいただきたいというふうに思っております。
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