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| 2007年6月7日 第166回国会 文教科学委員会 |
政府案「学校教育法等の一部を改正する法律案」
民主党案「学校教育の環境の整備推進による教育の振興に関する法律案」等
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新しい職の配置は、義務標準法で規定すべき、
お金をかけないということは、教育改革をやらないということ
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参議院議員 水岡 俊一
水岡 俊一・参議院議員
今日は90分時間をいただきましたので、しっかりと質問させていただきまして、また正面からぜひお答えをいただいて、実りのある質疑にしていただきたい、まずお願いを申し上げたいと思います。
最初に、先ほどの質問のなかにも教員の多忙化をいかにして解消するかという観点でご質問がありました。文科省の勤務実態調査のお話、局長から若干ご紹介がありました。児童生徒の指導に直接的にかかわる業務とそれ以外の業務をどういうふうにとらえているか、どういう調査の結果が出たのかということはご案内のとおりであります。改めていま申し上げると、会議とか打合せとか学校経営、事務、報告書作成とか、そういったものについては先ほどのように1日、1時間40分程度あるようだと。さらに言えば、児童生徒の指導に間接的にかかわる業務、例えば授業の準備をするとか、成績処理をするとか、学年・学級経営のことについて仕事をするとか、そういったものはどれぐらいあるかというと、これまた2時間ぐらいはあるんですよね。
そうすると、1日のほとんどを授業でつぶしているなかにあって、これらの業務をやっていく。文科省の実態調査によれば、1日の平均的な超過勤務が2時間にも及ぶような、そういうようなお話があるなかで、文科省はいろいろその多忙化を解消するために考えていただいたと思いますが、そういった意味からすると、どういうふうにその勤務実態を具体的に改善するお考えなのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
銭谷 眞美 文部科学省初等中等教育局長
ただいま先生からもお話がございましたように、昨年の文部科学省が実施をいたしました教員勤務実態調査におきまして、1日当たりの教諭の残業時間が平均で約2時間程度、1月当たりでは約34時間の残業時間という結果が出ております。また、小学校と中学校を比べますと、中学校は部活動指導のために残業時間が長くなっているという結果も出ております。また、一番残業時間が多い方は教頭先生という結果も出ております。そのほかに、先ほどお話がございましたように、デスクワーク的な会議、打合せ、事務処理、報告書作成といった事務負担が大きいという結果も出ているわけでございます。
私どもといたしましては、今後こういった教員の負担を軽減するためには、もちろん教職員の増員ということができれば、それは一番いい面もあるわけでございますけれども、同時に、教員の事務的な職務のアウトソーシングといったようなことを考えていくとか、あるいは外部の人材のボランティア的な活用といったようなことも考えていかなければいけない。そして同時に、副校長、主幹教諭、指導教諭といったような学校の組織体制の整備による事務の効率化、適正化といったようなことも考えていかなきゃいけない。加えて、事務職員等にもかかわりますけれども、事務処理の効率化といいましょうか、こういうことも考えていかなければいけないということで、私ども、こういった観点をこれからの大きな課題として取り組んでいきたいと思っているところでございます。
イギリスでは、教員の勤務時間削減は期限をつけて実施
水岡 俊一・議員
具体的にということはいろいろとらえ方があると思うんです。いま、アウトソーシングとか、ボランティアの活用であるとか、そういうお話がありました。大臣のお嫌いな片仮名語でありますが、そういった何かしらはっきりしないようなもので問題の解決を図るというのはなかなか難しいのではないかと私は思っています。
そこで、前回、私、質問させていただいたときに、大臣、ワークロードアグリーメントという合意書のお話をしましたが、覚えていただいておりますでしょうか。
イギリスで、教育技能省というところと、それから教員、働いている者の団体であったり、あるいは校長会であったり、そういった多くの方々が合意をした文書があるわけですよ。その文書を私この間紹介をしたわけですが、正確に言うと、ライジング・スタンダーズ・アンド・タックリング・ワークロード・ア・ナショナル・アグリーメント(基準の引き上げと仕事量の対処に関する全国的協約)と、こう書いてあります。要するに、多くの国民がこのことに関して合意をしたんだという文書です。
日本語に訳したのを見ますと、水準向上と教員の負担軽減に関する国民合意と、こういうふうに書いてございます。そのなかの一部を 私、ご紹介したんです。
それは、教員がしなくてもいい業務というのがどんなものがあるかということをご紹介しました。例えば、学級のなかで集金業務をやることとか、あるいは大量の印刷をするということであるとか、あるいは連絡文書を作ったり、あるいは教室の掲示をしたり、こういったことを、たくさん、たくさん、教員の事務の仕事としては、これは当たらないのでほかに任せたらいいですよというような、そういう具体的な話がそこに書いてあるということを私はご紹介したんですね。
さらに、この文書のなかでどういうことが書いてあるかというと、学校教員調査委員会は過度の仕事量の軽減に関する一連の提案を行った。そのなかの一つですが、まず第1に何と書いてあるかというと、教員の勤務時間の削減は今後4年以上の期間にわたり教員の就業時間の縮小を行うと、こういうふうに書いてあるわけです。期限もきちっと書いてあるわけです。そして、具体的にも書いてあるわけです。
ですから、いま、日本がイギリスをお手本にしながら、サッチャーであるとか、そういった教育改革をお手本にするなかで、イギリスがこういった教育改革の一つの大きな流れのなかできちっとしたものをとらえて、いま、出しているわけで、もうすでに出されているわけでありますが、こういった具体的な取組について大臣としてはどういうふうにお考えか、ぜひ、お聞かせをいただきたいと思うんですが。
伊吹 文明・文部科学大臣
まず、この前先生からお話を伺ったのは覚えておりますが、大体、横文字の話はすぐ忘れることにしております。しかし、お話の趣旨は十分承っておりました。
それで、まず英国の教育改革というのも、特に安倍総理の著作のなかにも書かれておりますが、これは英国に限らずいろいろな国の教育改革を参考にして作業は進めねばなりません。いま、進めている作業は日本の教育改革を私の判断でやっているわけです。ですから、いままでの制度と全く違ったことを、理想としては良くてもなかなかやりにくいということは、やはり現実を混乱させないように政府を預かっている限りはやっていかねばなりませんので、いまのご提言は、英国の場合はどうなっていたのかもう少し詳しく見てみないといけません。最終的には、いまのようなお話は、基本的な基礎は、基礎というか、骨格は、これはやはり日本の統治のシステムからいえば、この場でいろいろご意見を承る、そして政府がどうしていくか、その枠のなかで今度は教育委員会が地方議会の監視を受けながらどうしていくのかということであって、労使協約的な運用というのは私は取らないつもりです。
水岡 俊一・議員
大臣は世界の様ざまな国々の教育制度にもご精通をされていて、いろいろご存じななかで、いいところは取り入れて、基本的に日本は日本の国内での施策をやっていくんだと、こういうようなお立場だろうとは思います。しかし、それはやはり論理の展開として都合のいい、いいとこ取りだと、あるいはそのことを指摘されたら、日本は日本だ、外国とは違うというようなかたくなな姿勢に取られる可能性が強いと私は思うんです。ですから、いいことはいいと言い、やはり、それがいまの現状として取り入れられるかどうか、その可能性であったり、あるいは将来的な展望であったり、そういった観点でぜひ大臣にはお答えをいただきたいなと私は思っています。
そこで、いまの問題からいえば、直接的な仕事以外にたくさんの仕事があるなということが調査で分かった。そして、超過勤務は実態的に毎日2時間以上もあるのではないか。こんなのは、とんでもない話じゃないですか、労働基本権的にいえば。日常的に2時間以上の超勤があるというような、そういった状態のなかでどうやって問題を解決していくかということを、皆が考えていかないといけない。
連日の超勤がある、土日の出勤もあるということが分かっている。そういうなかに、免許の更新だとかといって、土日を使って行ってもらえれば職務命令を出さなくて済むとか、お金を出さなくて済むとか、そういうことをミックスしながら話を進めていくということに、やっぱり、これは教育の専門家でなくても、その考えの矛盾さに気づくんですよ。
だから、言っていることと、やろうとしていることが違うと、多くの人が思うんですが、これについて、大臣、どうでしょう。
伊吹・文部科学大臣
自分というか、失礼ですが、水岡先生の考えに賛同しなければかたくなだというご表現はちょっと困りますね。私の考えと違って随分かたくななことをおっしゃるなというふうに私が言うのも失礼なことだと思いますが、大切なことは、ここにいるわれわれは、ほとんど、教員の実態というのは大変だと、そして子どもと向き合う時間が少ないということは、私を含めて認識をしているんですよ。しかし、国民の合意を得ながらこれは進めなければいけませんね。
ですから、世論調査を見ても、学校の先生が十分役割を果たしているかということについて、必ずしもそうだという答えは多くない。これは随分ひどい答えだなと思いますよ、私自身は。しかし、世論はそういうとらえ方をしている。そして、これ以上の税負担は嫌だということを、ほとんどの皆さんはおっしゃる。そのなかで、私たちはいま、私たちが受けている公共サービスから比べると、約20数兆円の負担をせずに、次の世代に借金を残しながら、いま、楽しみながら生きている。こういう状況をすべて念頭に置きながら、いま先生がおっしゃっている方向へ持っていこうとして、私は最大限の努力をしているんですよ。ですから、ある教育なら教育、そして教育のなかの初等教育の教員の実態だけをとらえてご議論なされば、私は先生のおっしゃっていることに、そのことだけなら賛成いたします。しかし、国を預かっているということは、それだけでは議論ができないんです。
ですから、全体のバランスのなかで、少し全体のバランスを、従来より、教育の方向へ変えてもらおうと。そして、変えるなかで、大学の教育だとか、研究開発だとかいったって、初、中等のしっかりした人がいなけりゃ、大学生はいなくなるんですよ。それで、大学生の基礎が駄目になったら応用なんてのは、できなくなる。そういうことを主張しながら、いま懸命の努力をしているわけです。ある部分だけをとらえてかたくなだって言われるのは、ちょっとせっかく努力をしているのにひどいなという感想を持っております。
超過勤務で、教員は子どもに向き合えないのが実態
水岡 俊一・議員
私はある一つの部分だけをとらえてそういうふうに言ったつもりはありません。
例えば、いま、教員の職務の、勤務の実態が文科省の調査でこういうふうに出ているではないか。実態的に多くの教員が超過勤務を強いられて、子どもたちに向き合いたいと思っているけれども、なかなかそれがうまくいっていないという実態があり、多くの仲間が病に倒れているという実態もあるではないかと。こういうなかにあって、さらにいろんなことを課すようなことを考えて進めていくということは、一部のことをとらえて言っていることではないと、私は思っているのです。
私は、総論賛成、各論反対という、そういう考え方は私自身やっぱり嫌いです。大臣も最も嫌われる言葉だというふうに思いますね。ですから、教育が日本のいまの政治の最大の課題であるというような、いまの政府の姿勢のなかで、しかしお金が掛かること、あるいは大きな制度を変えていくということは、結果的に、やっぱりしないんだということであれば、教育を改革していく、日本の教育力を上げていく、子どもたちの学力を上げていくということには賛成だけれども、その方途としてお金が掛かることについてはやらないよ、反対だよと言っているということに私はつながってしまうんだろうと思うわけです。
大臣は、大臣のお立場で努力をいただいているということは私なりに理解はしております。かつての文科大臣経験者の方々が自民党のなかでの一つの大きな声を上げられているのも存じております。それをぜひとも文科委員会のなかでお互いに意見を出しながら、ぜひ、前に進めていくべきだと思うし、子どもたちは待ってられませんから、子どもたちは1日、1日、成長していきます。私たちが論議をしている数年の間に卒業してしまいますので、どうやって子どもたちを救っていくか、これは考えていくべきだと思っております。
そこで、先ほどの話に戻りますが、アウトソーシングというお話がございました。これ前から聞きたかったんですが、どの部分を、どんな仕事をアウトソーシングできるのかということを、ぜひこの際にお伺いをしたいと思います。
銭谷・文部科学省初等中等教育局長
学校活動のうちどのような業務をアウトソーシングしたり、一方またボランティアを活用したりするかにつきましては、それぞれの学校の実情を踏まえながら、学校設置者である教育委員会がその権限と責任に基づいて判断をすべきものだとは思います。
私どもが承知をしていることをちょっと申し上げますと、教員の行っておられる業務のうち実際にアウトソーシングされていたり、あるいはボランティアの活用が行われているものとしては、例えば授業の支援にボランティアの方が随分参加をしているという例がございます。読み聞かせなど、あるいは授業の支援という形で参画をされておられる例があります。あるいは放課後の学校図書館の運営というのをボランティアの方にアウトソーシングをしていると。あるいは部活動の指導もかなり外部の方にご協力をいただいてアウトソーシングをしているといったようなことがあると承知をいたしております。
また、学校の管理的な業務のうちアウトソーシングされているものとしては、例えば代表的なものは警備といったようなことがあろうかと思います。学校の警備等につきましては、外部委託といいましょうか、アウトソーシングしている例は多いと思います。また、給食の調理等をアウトソーシングしたり、さらに、旅費とか、諸手当の計算、こういったものもアウトソーシングをしているといった例があると承知をいたしております。
例えば、東京都では学校経営支援センターといったようなものを設置いたしまして、各都立学校の事務を集約して集中処理を行っている場面がございますけれども、その事務の一部をアウトソーシングをしているといったような例がございます。また、ある市では学校支援ボランティアということで支援者を登録いたしまして、学校教育の様ざまな分野に活動していただいていると。あるいは地域本部といったようなものを設置して多くの方のご協力をいただいている例もございます。
伊吹・文部科学大臣
ちょっといまの説明だけでは非常にお分かりにくいと思うのですが、そこで相づちを打たれちゃうと困るんですが。
いわゆる財政の再建を目指していると思うのんですが、骨太の方針等で決めていることは、児童生徒の減少数を上回る教職員のということを決めているわけです。
ただ、40人学級というものがありますから、基本的に。ですから、20人ずつ生徒が減っていきますと教室は二つに合体できるわけですよ。しかし、こちらで5人、こちらで4人と減っていきますと、教室数は減らせられませんから、その教員はきちっと確保されているわけです。そして、それをさらに上回る数の教職員というところがほとんど、いま政府参考人が申したようなところで切り取られながらきている。だから、そこのところを、定数で取られるものをお金でカバーしていると、こういうことなのです。
ですから、先生は、実態は分かっているけれども、しかしお金がないからやらないということをおっしゃったんだけれども、お金がないからやらないなんて、私、一言も言ってませんよ。お金がないけれども、やるように努力をしているわけです、いま。
日本の憲法からいうと、予算というものは内閣が共同して責任を負うと。つまり、内閣を構成している全国務大臣が共同して責任を負って立法府である国会へお示しして、国会の議決を経て初めて執行されるわけです。ですから、財務大臣には、財務大臣の考えがあります。内閣総理大臣には内閣総理大臣の考えがあります。私の考えは先生とほとんど違いませんが、私はそれを主張して、私がどれだけやっていけるかというのは、やはり議院内閣制の下で与党を説得し、内閣の各メンバーを説得しながらやっていくわけですね。
そして、いまようやく到達できたところというのは、まあこれは衆議院で内閣府が答弁をしたから私は申し上げてもいいと思いますが、従来、骨太の方針というなかには教育という言葉はなかったんですよ、残念ながら。今回、教育再生という項目を立てることにしました、一つね。いま、そこへどう書くかということのせめぎ合いをしております。最終責任者の総理はいま海外に行っておりますから、そこのところは全く空白になっております。
ですから、いま、ここへどう書き、そして他の閣僚を説得しながらどうやっていくのかという状態にあるわけで、私が先生のおっしゃっていることを、各論として結構だけれども総論としてやらないなんというのは一言も言っておりません。これは選挙の前ではありますが、文教科学委員会だけはやっぱりお互いの意見をこう正当に交わし合って、児童生徒のために建設的に協力して持っていきたいと思っております。
イギリスでは、教員増、事務職員増など具体案提示して教育改革
水岡 俊一・議員
大臣からいま、お答えがございましたが、お互いに同じ課題を共有して求める方向は同じだと、そして大臣も努力をされている、文科省も努力をされているということが委員会の場で共有をされたとしても、よく言われるのがやっぱり政治は結果だと、こういうところあるじゃないですか。ですから、私たちは、国会議員として、また文教科学委員としてこの場でそのことについて理解ができたとしても、子どもたちにどう結果が行くのかというところがやはり私たちの最大の判断材料だろうと、私は思うんです。
そういった意味で、私は、大臣に対しても文科省に対しても決して言いたいことばっかり言っているわけじゃないのです。1人の人間として言いたくないことも言わざるを得ないなと思って、その責任感でやっているつもりなのです。そういうなかにあって、安倍内閣が実際に教育の改革をやっていこうとするなかで、いま、みんなが努力をしようとしても、学校における多くの課題を解決し、教員が子どもたちと少しでも触れ合う時間をたくさんにしようということはなかなか困難だなと言われているわけですよ。
そこで、国民の、納税者の理解と言われますけれども、しかし、イギリスだって、それは大変な大きな政治の問題としながら、国民の反対も押し切りながらいろんなことをやったわけですよ。私は、ぜひ紹介もしておきたいなと思ったのは、実際、先ほどのお話をしたそういったことの線上として、実際には、教員1万人増、アシスタント教員、いわゆる補助的な教員ですね、2万人増、訓練を積んだ1000人の事務長を確保するとかという具体策をやはり提示をしながら教育改革に取り組んだという、そういう取組もあるということを私たちは理解をしておかなきゃいけないと思うのですよ。
そんななかで、質問を続けたいんですが、局長から警備のお話もございましたが、一見アウトソーシングではあるものの、これは教員の本務ですか、学校の警備をするというのは。そして、その学校の警備に基準財政需要額として計上されて学校にお金が回っているのですか。その点、お尋ねしたいと思いますが。
銭谷・文部科学省初等中等教育局長
もちろん、学校の業務のうち教員が主として行うもの、事務職員の方が主として行うもの、いわゆる学校用務員の方が主として行うもの、いろいろあろうかと思います。必要な場合には、やっぱり施設の管理ということで、教員の職務のなかで、警備という言葉がいいかどうか、あれですけれども、学校の施設管理ということは校長以下の学校の職員の業務ということにはなると思います。実際に誰がどういう警備の仕方をするか、これはそれぞれ異なってくるかとは思いますけれども。
水岡 俊一・議員
本来の趣旨とはちょっと違いますからあまり深くは入り込みたくないのですが、そういうふうに言われますと、学校の教員は、じゃ不審者が乱入しないためにどういった警備を行っていくのかなんていうことを真剣に考えていかなきゃいけなくなりますよ。そんなこと言い出したら、朝の7時から夕方の5時までずっとだれかが立ち番でもしなきゃいけないってことになってしまうでしょう。
だから、そういうような、要するに学校は子どもたちの安全を確保するという課題はあるけれども、それをいまの学校の制度のなかで確保するというのは難しいわけですよ。だから、いま、学校に警備という仕事があって、それをアウトソーシングする、経費がたんまりと出ていて、それを教員がするのを事務軽減するために外に外注をするんだということであればまた話はちょっと違いますが、その点ちょっと不十分じゃないですか。
銭谷・文部科学省初等中等教育局長
教員はもちろん児童の教育をつかさどるというのが学校教育法に規定をする教員の職務でございます。したがって、学習指導、生徒指導、学校行事、部活動指導、研修など児童生徒の教育に直接かかわるものが主たる職務となるわけでございますけれども、これに限定されるものではなくて、そのほか学校の管理運営に関する職務も含まれるわけでございます。学校の仕事全体は校務というふうに通称されておりまして、学校が、学校教育の事業を遂行するために必要なすべての仕事を指すものでございます。
学校は一つの組織体でございまして、仕事全体を校長、教頭、教員、そして事務職員、さらには学校用務員の方、給食の調理員、栄養職員、養護教諭、こういった各種の教職員の方が適切に分担をして処理をしていくと。また、そうでなければ学校教育の事業の遂行はできないというふうに思っております。具体的に各自がどういう校務を分担、分掌するか、これは学校において、それぞれの職に応じて定まってくるということになろうかと思います。
教員の職務につきましては、もちろん児童生徒の教育に関する職務、そのほか学校の管理運営に関する職務があるわけでございます。ですから、具体的に教員が警備に立つとか、そういうのは何かいろいろな事件があったときとか、そういうことにはあり得るかと思いますけれども、通常は用務員の方などが行っている、それは事実だと思います。
伊吹・文部科学大臣
ちょっと私が横で聞いていてなかなか理解がしにくいなと。
こういうことだと思うんですよ。骨太の方針で決めているのは、児童生徒の減少を上回る数の教職員を減らすと、こう閣議決定しちゃっているわけでしょう。そのなかで、教員を減らせないから、教職員を減らす、その職員で上回る部分をみんなかぶりながら減らしていると。教員、児童と、それでもまだ、いまの調査では向かい合う時間が少ないよと先生はおっしゃっているんだけれども、その教員の数をできるだけ減らさずに、いま、言っているような給食の調理員だとか、何かの数をみんな減らす方に回しているものですから、そこをカバーしている、そこをお金で処理していますよということを申し上げているというふうに理解していただいたらいいと思います。
もしも、じゃそこを外注せずに置いておいて、教員の数で減らしたらもっとひどいことになるわけですよ。それを考えながらやってきたということを言っていると理解してやっていただきたいと思います。
政府のアウトソーシングでは、教員の職務の軽減ができない
水岡 俊一・議員
大臣のいまのお答えは、その気持ちとしては分かりますけれども、要するに私がお尋ねをしたのは、アウトソーシングというお話があるから、アウトソーシングって具体的にどんなことが、どんなふうに行えますかというお尋ねをしたんです。そうすると、教員のその職務を具体的に軽減するような外注の業務ということとは思えないようなお話があるから、アウトソーシングって何なのですかという話をしたんです。
ですから、そういう意味からすると、私の問いに答えていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
伊吹・文部科学大臣
ですから、もしも、骨太の方針が正しいか、正しくないかはいろいろ判断ありますよ。
水岡 俊一・議員
はっきり言ってもらっていいです。
伊吹・文部科学大臣
ええ、それは、私は、私なりの考えがあります。しかし、小泉内閣の時にそういうことを決めて、それに従って行政が動いているときに、予算の査定で、じゃこれ児童生徒の減少数を上回る数の教職員を減らすというのを教員にかぶせたらどうなりますか。児童生徒と向き合う時間はもっと減るんじゃないですか。
ですから、そうならないように、本来、教師の数を減らさずに、調理あるいは用務その他の人たちの数でそこを調整してきていると、だからそれを結果的に外注に回しているということを申し上げているわけです。
水岡 俊一・議員
教員を減らすことになってはいけないから、教員以外の職を減らしたり外注に出したりすることによってカバーをしているというロジックにちょっとはまりかけますけれども、やっぱり、それは違うんだろうと私は思っています。
というのは、例えばこういうことですよ。これは中央教育審議会が2007年3月29日に出した答申であります。「今後の教員給与の在り方について」ということで書いている。そのなかの「第2章 教員の校務と学校の組織運営体制の見直し」、そしてそのなかの「1、教員の校務と学校事務の見直し」のなかの四つ目の丸にこう書いてあります。ちょっと資料を配っておりませんので読みます。「教員が抱える事務負担を軽減するため、事務職員が学校運営に一層積極的に関わるとともに、そのサポートにより、教員の事務負担を軽減することができるよう」、こういうくだりがございます。
つまり、中教審も、教員の事務負担、いろんな本来しなくてもいいだろうと思われるような事務関係の仕事をサポートするために事務職員をしっかり置くということが大きな課題じゃないですか、というふうに中教審は言っているわけです。だから、いま、大臣のお話にあるように、教員以外のところでいろんなことをという考えを推し進めていくことと、中教審が言っていることとは相反するんじゃないかなと私は思うんです。
ですから、教員の業務を減らすということのなかで新しい職を考えていくという方法もいま提案をされているわけですが、本来、事務職員がそこにいるわけですから、いや、そこにいるというよりは、先ほど大臣がお話しになった、学校教育法第28条ですよね、大臣がおっしゃったのは。つまりは、「小学校には、校長、教頭、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならない。ただし、」と、こう書いてある。しかし、置かなければならないと一度は書いている事務職員に仕事をさせないで、置くことができるというような新しい職を設けてそれをカバーするというのは、これは論理としておかしいと私は思うんです。
だから、元々学校教育法に掲げている趣旨は、学校事務職員がそういった事務についてしっかりと事務負担をするということも、これは論理として正しいんじゃないでしょうか。どうでしょう。
伊吹・文部科学大臣
置くことができるという職を設けてとおっしゃったのは、具体的には副校長とか主幹教諭という意味ですか。
水岡 俊一・議員
そうですね。
伊吹・文部科学大臣
これは、新たな職として設けるということは考えているわけじゃないんです。現在教頭である人に副校長という名称を与えるか、あるいは現在の主任、各種教務主任、学年主任の人たちのなかで主幹教諭を置くとか、あるいは新たに教諭のなかから主幹教諭を置くというので、決められたり、あるいはどんどん減らされていく定数のなかから新しい職種をぽんとつくると、置くことができるという名前になっている職種を新設するという意図ではございません。ですから、もう先生と私は別にそう違う考えを持っているわけじゃないんです。
ですから、結果責任だと先ほどおっしゃいましたね、政治は。結果責任であるから、政治家として最もやっちゃいけないことは、答弁を逃れるために調子のいいことを言ったり、有権者にできないことを言って票を取るということをやっちゃいけないから、私は先生の言っておられることに100%そういたしますということを申し上げていないのですよ。私は、私の仕事の与えられている権限の限界をわきまえて答弁をしているわけです。
ですから、これは政権を持っている者として名誉ある、私は義務というか、つらさだと思っていまのご質問はみんな受けておりますが、民主党も結果責任とおっしゃるのであれば、選挙のときにお書きになったマニフェストが政権を取れなかったからできなかったという結果はどうなるんですか、それは。やはりそこは協力してやっていくということじゃないですか。
水岡 俊一・議員
話がどんどんほかの方に行っておりますが、一言申し上げると、政権を取ったらこういうふうにやりますというのがマニフェストでございます。ですから、政権を取れていないのに、つまり執行権も何もないのにそれはできないわけですから。それは一度、そうお疑いになるのであればぜひ一度お渡しをいただきたいと、こういうふうに思っておりますが。
伊吹・文部科学大臣
ちょっと待った、そこは大切なことですから。
新しい職では、事務負担の軽減にならない
水岡 俊一・議員
いやいや、結構です。まだ私、質問続けていますから。
それで、事務負担という問題について、これは、いま、私が紹介をしましたように中教審もきちっととらえているわけであります。ですから、そういった意味からすると、私は、いまの大臣の論理からいって、教員を減らすことはできないだろうと、だからほかを減らすんだと言われると、その論理にはまってしまうから。ただ、中教審はそういう論理とは、全然別にきちっと考えていくという立場がここに書いてあるわけです。だから、そのことについてどうお考えですかというふうに申し上げたのです、私は。
伊吹・文部科学大臣
ですから、それはそれで、中教審の言っていることはいいことなんですよ。
私がご答弁を申し上げたのは、政府参考人がアウトソーシングをしている内容についてこうだと言うことについて先生が、いや、それはおかしいとおっしゃったから、いや、彼が努力をしているのは実は過去のこういうことなんですよと。未来、将来に向けては、いま、いろいろ閣議決定だとか、すでに小泉内閣のときに作った法案だとか、いろんなものの縛りが掛かっているわけです。
掛かっているなかで、先生が、いまおっしゃっていることは、中教審は別に法案を出す権限もありませんし、理想を語っておられるからいいわけですよ。それは、私は理想としては、一つの考え方だと思って評価しています。しかし、評価しているだけでは行政はできないんですよ、実現させなければ。実現させるためにはいろいろな壁があるんです。その壁に向かっていま努力をしていると。
これは政権を取ったらやるんだと言っているから、政権を取ってないんだといって何を言ってもいいということじゃやっぱりないんですよ。従来のやっぱり税制だとかいろいろなものとのバランスの上に、国民の負担を考えて、この財源をここへ持ってきてこういうことを自分たちはするから政権を取らしてくれということでしょう。
だから、一度私どもにとおっしゃっても、私は、先生方に政権をお渡しする権限なんて何もないんですよ。それは選挙にお勝ちにならないと駄目なんです。だから、マニフェストを国民が、実現可能性がどうかということを評価しているわけですから、そこで、なるほど評価をしていると、財源もきちっとつけてこうだということを、ぜひ国民にお訴えになって、支持を得られて、いま先生がおっしゃっていることを私は実現していただきたいと思っております。
水岡 俊一・議員
民主党の法案の発議者が今日2人お座りをいただいておりますので、ちょっとイレギュラーでありますが、お伺いをしたいと思います。
いま大臣から、政権を取っていないからといって何を言ってもいいんだ、というようなことを民主党がやっているようにお話がありましたが、私たち民主党としてはそういった気持ちで法案を出しているつもりは全くないと思うんですよね。実際にはマニフェストのなかでいろんな教育の分野はこういうふうにやりますということのなかの一つの具体策として私は、民主党の教育4法があると思っておりますが、その点について、民主党の発議者、ご意見あればお願いします。
西岡 武夫・民主党案発議者・参議院議員
私ども民主党といたしましては、いま委員ご指摘のとおりに、今国会に日本国教育基本法を始めとする4つの法律をご提案申し上げているわけでございます。
いま、いろいろ大臣と委員との質疑応答をお聞きしておりまして、委員がご指摘になりたいのは多分、せっかく総理大臣が教育問題を国政の最重要課題と言われたわけでございますから、最重要課題であるならば、担当の大臣が、ほかの施策とのバランス上やむを得ないんだというお話は、私は大臣とは非常に仲がいいわけで、意見もかなり一致しているんですけれども、あえて言わせていただけば、担当大臣がこういうことをおっしゃるのは私はおかしいと思うんです。ほかの政策よりも教育を重視するというならば、直ちに行政改革の推進法から55条3項を始めとする幾つかの条文を外すという法律を、改正案を文部科学省が少なくとも用意して、閣議にかけられたというならば、私は大臣にご同情申し上げ、大臣の応援団に喜んでなる、そういう基本的な考えでございます。
そして、立ったついでによろしゅうございますか。いろいろ委員のお話承っておりまして、大臣の答弁も承っておりますと、やりたいのはやまやまなんだと大臣はおっしゃっている。しかし、客観情勢が非常に悪いと、財政再建だと。ところが、いま話題になっております、ご質問になっております教育事務職員の問題にいたしましても、実は当初、人確法という法律を作るときに、教育事務職員も対象にしたいと私は大分努力をいたしました。ところが、たまたま当時、高等学校の事務職の皆さん方が、県庁との人事交流の問題があって、自分たち学校事務職員がクローズされたところで身分が確立されると県庁に戻れないというようなこともこれあり、関係者の皆さん方がそういうことをおっしゃったものですから、私もそれ以上進めなくなりまして人確法の対象にまではできなかったわけでございます。
しかし、人確法の対象にするくらいに教育の事務職員のなさっておられる仕事は、教育とも密接な関係があるし、子どもたちとも接触するわけですから、児童生徒とも、日々。そういう重要性というものを踏まえて考えますと、いまの政府が、行政改革推進法55条3項のゆえをもって学校の先生は減らせないと。できるだけ、それでも大分減っているわけですけれども、事務職員とかほかのところを減らして学校の先生に充てるというふうな定数のやりくりで、あるいは予算措置をやることによって、やりくりで大変苦労しておられるのはよく分かるわけです。
ですから、この55条3項はおかしいじゃないかというのが私どもの考えでございまして、その点はぜひ、伊吹大臣に、少なくとも省としては、改正案を取りまとめて、そして世に問うというところまでやっていただきたいと私どもは考えております。
副校長が授業をする?
水岡 俊一・議員
文科省の方、大臣を始めとして文部科学省の方々、また与党の委員の皆さん方も、本当にその部分において大きく差はないんだろうと、思いに差はないんだろうと思っておりますが、いかんせんこういった法案のなかで、それから、これからまだほかの関連法案が続々と出てくるだろうと思うなかで、教育予算がやっぱり拡充、拡大するという方向が厳しいとすれば、私たちも力の限りやはり議論に参加をし、そして闘っていきたいと思っているところであります。
そこで、先ほど新しい職のお話をしましたところ、大臣からお答えがありました。新しい職を設けるのではなくて、いまいる教頭を副校長にということがあったり、2人教頭がいる、1人を副校長にしたり、教員のなかから主幹を選んだりというようなお話だと、こういうことだったですよね。
そこでお聞きをしたいのですが、副校長というのは授業をしませんよね。どうでしょう。
銭谷・文部科学省初等中等教育局長
副校長は、規定上はそういうことは書いていませんが、必要があれば命を受けて授業をするということは可能でございます。
水岡 俊一・議員
えっ、これは教育をつかさどるという文言は副校長にはついてないんじゃないですか。どうですか。
銭谷・文部科学省初等中等教育局長
規定上は教育をつかさどるとは書いてございません。その点、教頭とは規定ぶりは違いますけれども、命を受けて授業を行うということは可能でございます。
水岡 俊一・議員
ちょっと、それはおかしいんじゃない。ちょっとそれは、ちょっと……
銭谷・文部科学省初等中等教育局長
副校長の職務は、校長を助け、命を受けて校務をつかさどるということでございます。このうち、校務には授業や担任を含む学校における一切の活動が含まれておりますので、校長の命令を受けて副校長が授業を受け持つということは、これはあり得ることだと思っております。
ただし、副校長は校長の補佐役として、また一定の校務を処理する管理職として、もっぱら校務の処理にかかわる職務を担当することが想定されておりますことから、命を受けて授業を受け持つことはあり得ても、一般に学級担任を受け持つということまでは想定されていないというふうに考えております。
水岡 俊一・議員
命を受けてと書いてあるところが、この法律の怪しいところだと私は思っていました。これはなぜかというと、ほかの法律は校長の監督の下にとか、監督という言葉がそこにあってしているのですが、命を受けてというのが一体何なのだろうということで私も疑問を持っていたんです。いまのようなお答えだと、命を受ければ校務全般すべて何でもやるのかということになっちゃうから、これはちょっと、いままでのお答えとは違うんではないか。
ただ、私は、学校現場の実態から見て、例えば副校長がいらっしゃるのに、この人は授業する立場じゃないから、教員に欠員ができて、子どもが待っているのに、いないなかでかたくなに授業を断るということはないだろうと思う。ただ、校長が、今日はちょっと代わりに少し1時間だけやってくれないかという命はあるかもしれない、それは。ただ、私の言う授業を持つことがあるか、ないかという問題は、年間を通じて何時間か持つということを聞いているんですよ。どうでしょう。
銭谷・文部科学省初等中等教育局長
これまで、この委員会の審議のなかで副校長の職務について何回かお尋ねをいただきましたけれども、副校長が授業を受け持つことができないという答弁を私が申し上げたことはなかったと思っております。
副校長は、校長を助け、命を受けて校務をつかさどるということでございますので、その校務には一切の学校における活動が含まれるわけでございますから、校長の命令を受けまして副校長が授業を受け持つということは、これはあり得ることでございます。
水岡 俊一・議員
私としては、いままで銭谷局長がお答えになっていたのは、副校長は授業をしないでしょうというふうにあったと思います。いま全部その資料を持っていませんから、私も調べてみますが、ぜひお調べになって、そういったことがないのかというふうにお願いをしたいと思います。
ただ、そういう、いままでやっぱり法律のなかのキーワード、例えば教育をつかさどるということは授業をするんだという、こういうキーワードを何かほかの言葉で置き換えてしまうようなことというのは法律としていいのかなと。そんなことをしだしたら何でもかんでもありだな、ということになっちゃうと私は思うんですよ。
だから、そういうことであれば、副校長と教頭とどこが違うんですか。
銭谷・文部科学省初等中等教育局長
副校長は教頭と規定の書きぶりがもちろん違うわけでございます。「教頭は、校長を助け、校務を整理し、及び必要に応じ児童の教育をつかさどる。」「副校長は、校長を助け、命を受けて校務をつかさどる。」、こういうそれぞれ規定ぶりになっております。
これは、副校長につきましては、学校の最高責任者たる校長が学校運営上の高度な判断を要する校務、これに集中して取り組むことができるようにするとともに、学校運営におけるより機動的なマネジメント体制を確立する観点から、校長に代わって自らの権限で校務を処理する、そういう職として副校長の必要とされる地域や学校があることから、法律によってその位置づけを明確にするものでございます。
あくまでも今回の制度改正は、マネジメント体制の確立が必要な学校につきまして副校長を置くことができることとするものでございます。
水岡 俊一・議員
たくさん説明をいただきましたが、よく分からないんです。
じゃ、違う聞き方をしましょう。義務標準法(公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律)上でいえば副校長はどこに入るんですか。
銭谷・文部科学省初等中等教育局長
教頭教員等定数のなかに入ります。
水岡 俊一・議員
副校長も入るということですね。ということは、副校長は教員だということですよね。教員ですよね。
銭谷・文部科学省初等中等教育局長
副校長はもちろん教員でございまして、ただし、教員、教諭、それぞれ各法律によりまして規定の仕方があるわけでございますけれども、ただいま申し上げましたのは、義務標準法のなかにおきましては教頭教員等定数のなかで副校長の数は読むということでございます。
副校長で、教員の業務増に
水岡 俊一・議員
大臣、私は少なくとも、この副校長を設けるとか、主幹制度を設けるとかというその心は、本当に学校の管理運営事項は非常に大変だし、校長の業務、教頭の業務を多少分散させながら、もっと子どもたちに向く、そういった体制をつくるのだと理解はしているつもりなんですよ。だから、副校長は校長と教員という二つの区分け、カテゴリーのなかで、その間に位置して新しいカテゴリーができるのかなと最初は思ったのです。ところが、そうではないと。とすると、教員の枠のなかに入ってくるわけですよね。
教員の枠のなかに入ってくるということは、義務標準法のなかでいえば含まれちゃうわけですよ。そうすると、小学校でいえば、各学年2クラスで、6学年あって12クラスだと、教員は15名ですよね。15名のなかに学級担任が12名いるわけです。それで、あと残り3ですね。この3のなかの1人は教頭です。専科の教員があとの2人ですよ。このなかに入ってくるとなれば、教員の業務を軽減するといいながら、教員の枠組みのなかでそういう人間をつくったら、教員がやらなきゃいけない授業数は変わらないわけだし、業務は変わらないわけで、かえって教員の業務が増えるじゃないですか。
伊吹・文部科学大臣
それは先生、だから先ほど来、参考人も申し上げておりますように、教頭を充てる副校長、それから、もし、教頭はいないけれども新しく教諭のなかから副校長を置いた場合、授業ができると言っていますが、どの程度授業ができるかという、ほかの職務があるから非常に授業に割く時間が少なくなると、結果的に先生がおっしゃっているような状況が生ずる可能性はありますよ。であるから、その時は教育委員会が学校現場の状況に応じて置くことをしないでしょう、それは。だから任意の職にしてあるということなのです。
水岡 俊一・議員
置くことができるか、できないかという、その文言に関しての質問というのは、ちょっとまた別にしたいとは思うんですが。
私が申し上げたかったのは、要は、いま、義務標準法という法律があるなかで、校長という管理職と教頭を含めた教員の数の一つのカテゴリーのなかに、数が決まっていますから、そこから1人、その教員の枠のなかから授業をしない職が生じたり、あるいはわずかしかしない職があるということを認めてしまったら、これは教員の業務の……
伊吹・文部科学大臣
そんなことはありませんよ。
水岡 俊一・議員
いや、それは教員の業務の負担になるんですよ。
大臣にも、ぜひご認識をいただきたいのは、私はあえて皆さんの前で義務標準法の二つのカテゴリーの話をなぜしているかです。これは、教員の方のカテゴリーには教頭が入っていて、つまり教頭は授業をしなきゃいけないのですよ。文科省は授業をすることを前提に教員の枠のなかに人数を配置しているじゃないですか。
伊吹・文部科学大臣
だから、授業をするんですよ。
水岡 俊一・議員
いや、だけど、実態を私は見てほしいと思うのですよ。全国のなかで様ざまです。様ざまですが、教頭が授業をきちっと、ほかの教員の分まで、ほかの教員と同じぐらいきちっと授業をしているような学校はほとんどないはずです。
伊吹・文部科学大臣
それはないでしょう。
水岡 俊一・議員
もっと言えば教員の……
伊吹・文部科学大臣
いや、だけど、そのことは、いまのことと何も違わないでしょう。
水岡 俊一・議員
いや、だから、教員の半分にも満たない数、もっと言えば3分の1か、あるいは全くしない、授業数はゼロという教頭が全国にたくさんいます。ということは、義務標準法では授業をするためにお金を出しているにもかかわらず授業をしないのですよ、校務が忙しいからと言って。だから、そういった裁量をどんどんどんどん認めるなかで、さらに副校長で、校長を助けて、校長の命ですごく動くような人間をつくったら、さらに授業をしないじゃないですか。
伊吹・文部科学大臣
これは先生、論理的に私は先生のおっしゃっていることはちょっと合わないと思いますよ。
私がいま、教頭は授業をほとんどしていない実態があるとおっしゃった、だから、それはそのとおりでしょうと、言ったら傍聴席から笑った人がいるけれども、事実を私は認めているだけなんですよ。
そして、その教頭を副校長というものに任用するわけですから、現状の授業数がさらに厳しくなるということはないんですよ。どうして厳しくなるのですか。いましていない人にもっと授業をしないようにするということを前提に副校長というのは置いているわけじゃないんですよ。職をはっきりさせることによって、学校内の仕事のラインをはっきりさせていこうというために置いているわけですから。
例えば、いま、教頭先生が教員の枠のなかに入っているけれど、学校現場でほとんど授業をしていない。その授業をさらにしないようにするというような答弁をしていますか、参考人は。一度もしていないと思いますよ。だから、この職を置くことによってさらに厳しくなるということは、私は論理的には正しいとは思いませんね。
だけれども、実態がすでに教頭先生が授業をしておられないから大変だとか、ほかの先生にしわが寄っていて大変だとかいうことは私はよく理解しておりますよ。だから、先ほど来、西岡先生が言われたような法律だとか何かについてはいろんな努力をしているのですよ。だけど、西岡先生が言っておられるようなことを私がしてごらんなさいよ、民主党は何と言いますか、あるいはマスコミは何と言いますか。閣内不一致と言うのに決まっていますよ。そういうことはできないんですよ、やりたくても。だから、一生懸命、いま、その努力を陰でやっているということぐらいは分かってくれないと困るんですよ。
金は出さない、定数配置はしないでは、学校現場は困る
水岡 俊一・議員
ぜひ、陰じゃなくて表に出ていただいてお願いをしたいと思います。
閣内不一致は私も言います。それは、教育に見識のある大臣だからおっしゃることだと私は思いますけれどもね。
副校長の議論を長々とやっても意味がありませんが、つまり、別枠で新しい職として、そこを保障しながら義務標準法で1人配置をしていくということであれば、これはもう文科省の大英断でしょう、そういう意味では。
ところが、金は出さない、つまり定数は配置しない。いまある義務標準法のなかでそれはやりくりしてもらうんです、それも置くか、置かないか、文科省は言いません、各地方自治体がお決めになることですからと。これでは地方自治体は、おそらくほとんどの自治体が、文科省、勝手なこと言うなと心では思いますよ。これは表では言わないでしょうけれども。実際に学校現場は、困るんです。
これは、野党だけじゃなくて、与党の皆さんもそうだと思いますが、副校長が授業するなんて思ってなかったと思いますよ。法律を論議しているわれわれですらそのことについて不一致があるなかで、法律が下りていくと、どうなるのかなと非常に危惧するところです。
いま大臣は、ほかの人たちの、ほかの教員の事務、業務が増えるようなことにはしないよと、それはちゃんと分かってるよ、とおっしゃったけど、実際には副校長という立場になる、あるいは2人いる人が、1人が副校長になったりする。そういうなかで授業を持つということはまずあり得ないし、おそらく、法律の用語のなかで教育をつかさどるということが両方にあって、その上での話なら私は分かりますが、片一方は全く教育をつかさどるとは書いてない、書いてないのに命を受けたら校務の一つだからやるのだと。そういうことでは、法を提出しておられるそれは文科省としては、これはちょっとおかしいんじゃないですか。どうでしょう。
伊吹・文部科学大臣
まず、先生、標準法の枠のなかで一つ取ってきてやるんなら文科省の大英断だと、しかしそうじゃなくて、このなかでやるんだと、それはどうなるか分からないんですよ、これは。これから予算編成を控えているんですから。
だから、あまり決めつけずに、これからいろいろ努力することに対して努力をする気持ちをなえさせないように少ししてくださいよ、一生懸命やっているんだから。一方的に決めつけられると、そういうふうにしなくちゃいけないのかなとこちらも思っちゃうわけですよ。
先ほど西岡先生がおっしゃった、これから定数の問題にまず手をつけないとなかなか動きができない。あるいは定数の問題に手がつかないんならせめて予算で何らかの措置をすることをやらなければならない。やっと骨太の方針に、教育再生のところまでこぎ着けている、しかし法律を出した、出して、文科省だけで用意して閣議へ持っていってけんかしてこい、けんかした途端にマスコミから、何から閣内不一致、安倍内閣はめちゃめちゃだと、そんなことは国務大臣としてはできませんよ。
水岡 俊一・議員
大臣、例えば、文科委員会のなかで野党の一部の人間だけが声高に叫んでいるという論理であれば、それは大臣が、いや、あなたの言うことは心情的に理解できても政府としてはやれませんと、納税者の全体的な意見ではないとおっしゃるかも分かりません。ただ、この一連の会議のなかで、これは参考人に来ていただいてお話をしていただいたり、地方公聴会、この辺の関連する教育基本法の地方公聴会においても、これは、全国の学識のある人たちが会議に呼ばれて出てきておっしゃることは、本当に異口同音に教育にお金を掛けなさいと、そういうふうにおっしゃっているわけです。
だから、そういうなかにあってどうするのかという課題は、もう私が申し上げるまでもなく大臣がお感じになっていると思いますが、国民は、あるいは、ここにいる委員も、参考人に言わすだけ言わせておいて、地方の公述人に言わすだけ言わせておいて、結局、内閣は全く一言一句変えないじゃないかと、国民の声を聴くなんていうのはポーズだけだということに私はなると思うんですよ。これは、私、野党の1人の議員が言っているんじゃないですよ。本当に、やっぱりここにいる皆さん方、多くの人たちがそう思っているはずです。
ですから、実際、大臣のお立場は、私は分かりますよ。だけど、だからといってそのことを声高に言われても、子どもたちは、全国の国民はそう理解しないんじゃないでしょうか。
伊吹・文部科学大臣
声高におっしゃっているのは先生の方なんですよ。私は、私のやっている努力のことを言っているので、参考人の方々が来られてこういうことをやったけれども、政府は言わせるだけ言わせて何もやらないんじゃとおっしゃったけれども、いま、それをやらせようという努力を私は私なりにしているわけでしょう。しかし、最終的に政府のなかでどうなるかというのは予算編成の時まで結果は出ないんですよ。だけど、それをやらない、やらないとおっしゃられるんなら、もうそれはおっしゃるとおり私もやらないように努力をしないとしようがなくなってきますよ。
水岡 俊一・議員
大臣、ちょっとそれはレベルがどんどん下がっていますよ、そういう論議は。
伊吹・文部科学大臣
一生懸命やっているじゃないですか。
参考人の多くが、人員増、定数増の必要性を主張
水岡 俊一・議員
いやいや、そんなことは分かっていますと、言っているじゃないですか。
だから、私は、誰も氏名の分からない人が言っていることじゃなくて、これまでの衆議院を通しての参考人質疑のなかで、京都の門川教育長も、新しい職の設置の場合でもトータルとしての人員増、定数増の必要性ということをおっしゃっているし、また福岡県でも芦屋町の教育長もおっしゃっている、富山県でもおっしゃっている。全国各地で開いた公聴会や参考人、今日も尾木直樹さんもおっしゃっていた。多くの人がみんな口をそろえて、口をそろえてじゃなくて、異口同音ですがおっしゃっているということで、私は、そういった気持ちが本当に強いんだということを言っているので、文科省がやらないと決めつけているわけじゃないんです。いや、だってそうじゃないですか、定数をしないと言うのだから。だから、実際には義務標準法等でやっぱりこれは考えていっていただかないといけないとに思っています。
時間も残り少なくなってきましたが、ちょっと、定数増とは少し違うのですが、賃金、処遇の問題等がございますので、そういったことについてはこれまで、様ざまな論議がされているわけであります。今日、実は人権確保法の問題も論議をしたかったのですが、ちょっとそれだけの時間がございません。
一つ、うかがっておきたいなと思っているのは、今回の免許法関連で、この委員会ではしきりに、文科省の方も含めて、不適格教員の排除ということが主眼にあるわけじゃないですよ、これは免許法というのは違うんですよとおっしゃっているけれども、これは教員の身分だとか、雇用だとかということに大きくかかわる問題だと私はとらえてきました。
そんななかで、実は、ILO・ユネスコ、教員の地位勧告というのがございます。ILO・ユネスコ、教員の地位勧告の前文では、教員に適用される現行国際諸条約、特にILO総会で採択された結社の自由及び団結権保護条約の教員への適用を明確にして、労働組合としての教育の組織を教員団体の基本に置き、82項から84項という関連した項目がございますが、こういったものを労働基本権として確立されるべきだと勧告をしているわけです。
そういうなかにあって、いま政府は、安倍内閣は、公務員制度など国内法の改正を視野に入れながらいろいろ取り組んでおられるわけです。そんななかで、実際に教員免許制度が教員の身分と雇用に本当に関係する法律であるということを考えるならば、このILO・ユネスコ、教員の地位に関する勧告というのを、どういうふうにとらえているのか、大臣の所感があればお聞かせをいただきたいと思います。
伊吹・文部科学大臣
教員の地位に関する勧告は、私は存じ上げております。これは先生とまた見解を異にしますが、国際法上の勧告というのは各国を法的に縛るものではありません、国際法上は。まず先生も法的位置づけということはお認めになると思います。その上で、各々の国に合った実情、国内事情を考えて、国内法とのバランスのなかで、その精神を最大限に尊重していくということは、当然のことなんです。
ですから、今回の公務員改革のなかで、まさに、これは国民にも聞いていただきたいことだけれども、教職員といえども教育公務員という地方公務員であるわけですからね。国民の税でもってその給与を得ておられる方ですから、能力とか実績主義の人事管理というものを前提とした地方公務員法というものの枠の外にある、ということには私はならないと思いますよ。
教員の給与、処遇、労働条件は、国際基準に
水岡 俊一・議員
大臣、私は、教員などは、地方公務員のなかでも特別な位置にある部分だろうと思っていますが、そういった職種の人たちの給与、あるいは処遇、労働条件については、いまの日本の大きな流れは国際基準に近づけようという部分が私はあるのだと思っています。そういう政府の大きな流れのなかにあって、文科省がいま教員の身分、雇用にかかわって、こういった免許法あるいは、そのほか教特法であるとかいろんな法律がございますが、そういったものでいま持っていこうとしている方向とは少しずれているんではないかなと、私は個人的な見解を持っています。
この問題については、奥が深い問題でもありますし、重要な問題でもありますので、今後も話していきたいと思っておりますが、よろしくお願いいたします。
それでは、最後の課題に移ってまいりたいと思います。
学校教育法に立ち戻ります。幼稚園の部分について、先日、林(久美子)委員の方から質問をしたところでありますが、少し私も疑問に思っていることがございますので、追加をしてお尋ねをしたいと思っております。
学校教育法第25条、変わっております。そのなかで、幼稚園での預かり保育、これは教育課程外の活動だととらえていいと思います。おそらくそうだというふうに思っております。中学校で言う部活動と同じでありますね。なぜ、今回、学校教育法25条に「その他の保育内容に関する事項は、」「文部科学大臣が定める。」として規定をしてしまったのか、その心は何なのでしょう、お尋ねします。
銭谷・文部科学省初等中等教育局長
今回、ご提案申し上げております学校教育法の改正案第25条では、「幼稚園の教育課程その他の保育内容に関する事項は、」「文部科学大臣が定める。」と、こういう規定に改めております。このうち、「その他の保育内容に関する事項」はいわゆる預かり保育のことでございまして、この預かり保育につきましては現在も幼稚園教育要領において規定をいたしております。
文部科学省としては、この預かり保育についても、現在の実態等を踏まえまして、預かり保育について文部科学大臣が必要な事項を定めることを明確にするために、今回、改正案におきまして「教育課程その他の保育内容に関する事項」との規定に改めることとしたものでございます。
水岡 俊一・議員
私も専門じゃないのでよく分からないんですが、要するに幼稚園教育要領というのは小・中で言う教育課程というふうにとらえていいですよね。そうすると、中学校は、部活動は教育課程外だから教育課程のなかにそんなことは書いてないわけですよ。幼稚園は、教育課程外であるにもかかわらず教育要領のなかに書く、そして、それを文部科学大臣が定めると書く。これはどういうふうに区切りをするのですか、そういったことは。
銭谷・文部科学省初等中等教育局長
現行法で規定をされております、この保育内容に関する事項につきましては、これまでも、すべての園児を対象とした教育課程に基づく教育のみならず、教育課程外の、希望する園児を対象にいたしました、いわゆる預かり保育も含める取扱いを行っておりまして、先ほど申し上げましたように、幼稚園教育要領で預かり保育に関する規定を置いているところでございます。
こうした預かり保育は、幼稚園における教育課程外の教育ではございますけれども、教育課程の時間の前後に教育課程の時間と連続的に、かつ幼稚園が主体的に実施をするものでございまして、教育課程に準ずる性格のものでございます。また、心身の発達が未熟な幼児に与える影響は大きいものでございます。こうした幼児を対象とする預かり保育の特殊性にかんがみまして、今回の学校教育法の改正案におきまして預かり保育の法律上の位置づけを明確化したものでございます。
預かり保育を、幼稚園教育要領に規定はおかしい
水岡 俊一・議員
学校というなかに幼稚園も含まれていて、それは地方公共団体が設置をしているといった状況のなかでいえば、やはり学校であるとか園であるとか、その主体性あるいは自治体の主体性、それから地域の事情、そういうものがあるなかで学校・園は運営をされているんだろうと思います。
ですから、文科省としては最低限のルールであるとか、最低限のガイドラインであるとかを決めながら、あとは地方自治体がその地域の実態に応じたり、主体に応じて決めていくというのが、いままでの考え方じゃなかったんですか。そうでしょう。教育課程も、基本的には最終的には学校に任されているわけだから、そういう意味からすると、ここだけなぜ幼稚園にこの預かり保育を、そういう規定をしていくのかというのは、全国の幼稚園教諭の人たちが不思議に思いますよ。
大臣、もっと言えば、幼稚園で、要するに4時間の午前中、午前中か午後に入るのか分かりませんが、その時間と違って、午後の時間、夕方にかけて預かり保育をするというのは全員じゃないですよ。希望者だけの預かり保育じゃないですか。それを教育課程と同様の教育要領に定めて、そして、第25条で規定をしていくことになると、これは明らかにもう預かり保育を全幼稚園でしなさいと言わんばかりの話じゃないかと思うんですが、これは誤解ですか。
銭谷・文部科学省初等中等教育局長
いわゆる預かり保育は、地域の実態や保護者の要請に応じて行うものでございまして、必ず実施しなければならないものではございません。
ただ、現実には、2006年6月現在で、約7割の幼稚園で行われております。預かり保育は、幼児に与える影響が大きく、かつ、その内容については教育課程とともに幼稚園で行われる教育活動として一貫性を持つべきものでございます。こういった実態を踏まえまして、今年3月の中教審の答申におきましても、学校教育法に幼稚園が実施するいわゆる預かり保育を適正に位置づけることと提言をされております。
これまでも、先ほど申し上げましたように、幼稚園教育要領のなかで預かり保育については記述を行っていたものでございます。その内容としては、適切な指導体制を整えること、教育要領に定める幼稚園教育の基本及び目標を踏まえること、教育課程に基づく活動との関連、幼児の心身の負担、家庭との緊密な連携などに配慮する旨規定をしているところでございます。
今回、この3月の答申等を踏まえまして、改正案の第25条におきまして預かり保育を念頭に置いた規定を定めまして、適切な運営の確保を図ることとしたものでございます。
水岡 俊一・議員
大臣そして局長、それは文科省としてそういう方向性を求めたいという、その心はあるかもしれませんよ。だけど、現場の実態を見たら、それを全面的に受け入れられるような状態じゃないじゃないですか、教諭の数も職員の数も、園長だって養護教諭だって十分じゃないし。そういったなかで預かり保育、この間、おやつを出して、おやつがのどに詰まって悲しくも死んでしまった子どもがいたじゃないですか。そういったことも起きるような預かり保育というのは、これは重要な問題です。それを一定の法律改正で、バンと出してしまうというのは、これは軽々なやり方だと思いますよ。
実際には、例えば幼稚園教諭だって、給与の問題だってばらばらじゃないですか。教諭職の給与表を使っているところもあれば行政職を使っているところもある。実際にその処遇だってもういい加減だし、ばらばらなんですよ。でも、百歩譲って、それは地域の実態だとするんであれば、地域の実態に合わせたそういった、幼稚園の今後の姿というものをやはり考えていくという観点がどうしても必要だと思うのです。
だから、認定こども園法案で文科省と厚労省と詰めていただいたというものの、やっぱり不十分じゃないかと、私はそういう観点を持っているということをお伝えして、今日の質問を終わりたいと思います。
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