 |
 |
| ■ |
神戸事務所
〒650-0004
神戸市中央区中山手通3-4-8
大東ビル8階
TEL:078-334-2355 FAX:078-334-2655
|
|
■ |
東京事務所
〒100-8962
東京都千代田区永田町2-1-1
参議院議員会館502号室
TEL:03-3508-8502 FAX:03-3591-0510
|
|
|
|
|
|
|
|
 |
|
|
| 2007年4月26日 第166回国会 文教科学委員会 |
放射線を発散させて人の生命等に危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律案
|
原子力情報は、国民への情報公開が大前提
一方、テロ行為に結びつく情報はしっかり守って、国民の安全を
|
参議院議員 水岡 俊一
水岡 俊一・参議院議員
今日は、放射線を発散させて人の生命等に危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律案、いわゆる放射線発散処罰法案について論議をさせていただきたいと思いますが、それに先立ってお願いがございます。
本日は4月の26日で、ちょうど1ヵ月前に能登半島沖で地震が起きました。それに関することと、それから今週全国で実施をされた全国学力・学習状況調査について、若干時間をいただくことをお許し願って質問させていただきたいと、思っております。
まず、能登半島沖地震でございますが、去る今月の1日、2日、私自身、輪島市門前町の現場を見てまいりました。そして、三つの学校、門前中学校、門前東小学校、門前西小学校を見てまいったところでありますが、比較的落ち着いた様子ではありましたけれども、その後、被災をしたおうちに住む子どもたちも学校に来ているはずであります。そういった子どもたちに対するケアはどういったふうに行われているのか、その点についてまずお伺いをしたいと思います。
樋口 修資・文部科学省スポーツ・青少年局長
能登半島地震に係ります子どもの心のケアについてのお尋ねでございますが、まず、石川県教育委員会におきましては、臨床心理士をスクールカウンセラーといたしまして4月の9日から13日まで、特に被害の大きかった地区の小学校2校に派遣をいたしました。そして、4月の27日、明日から新たに中学校1校にも派遣する予定とお聞きをいたしております。
私どもこのスクールカウンセラーの派遣につきまして、文部科学省として事業補助を行っているところでございますので、今後も引き続き石川県から追加配置の要請があった場合には、この事業のなかで可能な限り対応させていただきたいと思っているわけでございます。
水岡 俊一・議員
私は、その学校に参りまして、校長とじかにお話をさせていただきました。職員の様子を見ておりますと、大きな被害を受けている地域ではありますけれども、明るく前向きに対処を行っていこうという教職員集団のそういった意気込みが伝わってきたのであります。しかし、校長とお話をするなかで一番気になることは何かという話題になりましたところ、やはり子どもの心が心配だというお話でありました。家をなくしてしまった、地域が本当に悲惨な状況になったなかで、子どもたちが本当に明るく元気に学校に通い続けることができるか、あるいは避難所となったところからの通学が本当に続けることができるのか、そういったところが心配だというお話があったところであります。しかし、そういうなかにあって、やはり誰しも初めての経験ということで、学校側もどういうふうに対処していいのかという部分は本当に不安になっていたというふうに私は思いました。
そういった意味では、子どもの心のケアということでカウンセラーの派遣、大変有り難いと思いますが、それで十分なのかという部分もありますので、今後、県とのお話によって、加えて補充をしていただけるものならば、ぜひともお願いをしたいということであります。またそこで、私、大事な点は、子どもたちに日常的にかかわるのはやっぱり教職員です。この教職員にその子どもたちとどういうふうにかかわっていくのかというノウハウというのは、これまではあまりなかったと思うんですね。そういった意味では、教職員にそういうノウハウをきちっと伝えていくということも非常に大きな課題だと思うのですが、その点はいかがですか。
樋口・文部科学省スポーツ・青少年局長
ただいまのお尋ねでございますが、石川県の教育委員会におきましては、4月に入りまして、能登半島被災地におきます子どもたちの心のケアについての教職員を対象とした研修会を実施させていただきました。先生もご訪問されたとお聞きいたしております輪島市立の門前東小学校と穴水町立の穴水小学校におきまして、それぞれ研修会を催しました。金沢大学の専門家の先生によります子どもたちの心の理解と教育的ケア、対応についての実務的な研修をさせていただき、教職員の共通理解を図りながら、子どもたちの心に対応するような取組を、いまスタートさせていただいているところでございます。
蓄積された教職員のノウハウを、被災地の教職員へ
水岡 俊一・議員
大臣、ちょっとお願いがあるのですが、いまお話しいただいたように、金沢大学の専門家のご教示もいただいて取り組んでいただいているということはよく分かったんです。子どもたちにどういうふうに接していくのかということは、これは本当にノウハウとしては非常に少ない、これまでに蓄積されたものは非常に少ないと思うんです。そういったなかで、新潟県の中越地震の際、あるいは、その他の地震、また12年前にさかのぼれば阪神・淡路大震災のそういった経験を踏まえて、学校の現場でそういったことに携わった経験者がいるはずだと思うんです。そういった経験者からのノウハウを、ぜひ石川県にも伝えるというようなことというのは重要なことだと私は思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
伊吹 文明・文部科学大臣
非常にそれは先生がおっしゃるとおりだと思います。
それで、子どもの身近に接している保護者、あるいは学校の先生も当然それに含まれるわけですが、心のケアのためにどういうことをするのかというリーフレットみたいなものを、約3万枚といったですかね、3万セット、石川県の方を通じて配付をしていると伺っております。人を出して、例えば先生のお地元の兵庫県の教育委員会に人を出せということは私の権限上は言えませんので、要請をして、そして、そういういろいろな事例もあると思いますから、できるだけお伝えをして、いい結果になるように努力をしたいと思います。
水岡 俊一・議員
すべては子どもたちのためということで、ぜひご理解をいただいてお力をいただきたいと、こういうふうに思っております。
そこで、私、門前中学校というところに参りました時に、非常に新しい近代的な学校でありましたけれども、校舎と体育館とがつながった非常にユニークな学校でありました。その体育館と学校の間に大きな支柱が何本も入っておりまして、これが非常にこの校舎を支えている屋台骨だというふうに思って見ておりました。しかし、その柱に大きな亀裂が入っておりまして、校長も大変心配をされておりました。
こういった被害が至るところに、そういった学校施設に出ているのだろうと思いますが、その点について修復は進んでいるのかどうか、この点についてお願いします。
舌津 一良・文部科学大臣官房文教施設企画部長
この地震によりまして、石川県など5県で216施設につきまして被害があったわけでございますけれども、文部科学省では、この被災した学校施設の早期復旧につきまして、3月28日に文書を発出しました。そのなかで、事前着工あるいは安全対策を行うようお願いをしているところでございまして、現在すべての学校で授業が行われているところでございます。
これら被災した施設の復旧につきましては災害復旧費の国庫補助を行うこととしておりまして、例えば、昨日でございますけれども、局地激甚災害にすでに指定されておりまして、通常3分の2の補助率のところをかさ上げするなどの対策を講じるということで適切に対応していこうというふうに考えておるところでございます。
水岡 俊一・議員
対策の方途は分かりました。
それで、私がお聞きをしたのは、これらの三つの小学校、あるいはほかにも、穴水町の方もありますし、そういったところの被害が出ている部分については修復が行われているのかどうか、それをお聞きしたいのですが。
舌津・文部科学大臣官房文教施設企画部長
文部科学省では、被災、地震直後でございますけれども、現地に専門家をもうすでに派遣しておりまして、いわゆる構造上非常に危険な状態なものがあるかどうか、これを応急危険度判定と申しておりますけれども、そういうようなことをもうすでに行っているところでございまして、そのなかで、いわゆる特に危険な、構造上危険な状態にいまあるというものは、ないと言うとちょっと語弊があるんですが、そういうような危険性の大小につきましてはすでに判定をしておりまして、まあ大丈夫だろうというふうな感触を持っているところでございます。
いずれにしても、復旧につきましては早めにやる必要があるということで、現在、市町村におきまして災害復旧の事業計画を策定しております。連休明けでありますけれども、これを受けまして、いわゆる災害査定と申しておりますけれども、現地調査を実施し、国庫補助金を交付するというようなことを速やかにやっていきたいと思っております。
お尋ねの、学校の、その柱がいまどうなっているかというのは、大変恐縮でございますが、いま、私の手元のなかにはないということでございます。
点数第1主義の学力調査は避けるべき
水岡 俊一・議員
それでは、委員会終了後でも結構ですので、直接確認をいただきたいと思っております。子どもの命にかかわる問題でもありますし、教職員も大変心配をしていることだと思うので、専門家が大丈夫だと判断をしていただくことが一番重要でありますし、その関係の情報はぜひ入れてほしいと思います。
そこで、全国学力・学習状況調査の方の話に参りたいと思いますが、24日に行われました。全国で233万人の小中学生を対象とした調査が行われて、約60億円が投じられたというふうに私は聞いておるところであります。この調査、大変私たちも批判をしてまいりましたし、問題があるのではないかというふうに申し上げておったところですが、現実的には計画どおり行われたということで、大体において問題はなかったようにお聞きをしております。
そういったなかで、私、一つだけ有り難いなと思ったことがありました。それは、普通学級に在籍をする障がいのある児童生徒に対しては、時間延長であるとか、あるいは教員の補助、それから、かねがね申し上げておりました日本語指導が非常に重要な外国籍の子どもたちが学んでいる場合もございますし、そういった子どもたちに通訳のボランティアの補助、あるいは時間の延長とか、そういったことの配慮がなされたというふうにお聞きをしたところであります。文科省のそういった配慮に私は大変感謝をしておりますし、子どもたちにそういった状況のなかでもせめてもの救いだったかなと思っております。私からも感謝を申し上げたいと、こういうふうに思っております。
そこで、心配をしていたことがやっぱり起きました。それはどういうことかというと、この学力テストに先立って多くの問題集が発行されるのではないか。その問題集をとことん子どもたちにやらせるということでテストの結果を上げようというような、そういった動きもある。それから、東京都の一部の学校では、学校で直前に手作りの予想問題集を作成して子どもたちに解かせているというような報道もあったようであります。校長によると、塾などに行かず、テスト慣れをしていない子も実力を出せるようにしてやらないといけないというような、まあ親心というか先生心というか、という気持ちであっただろうとは思いますが、これはどうなのかなと私たちは思っているところであります。
気持ちはよく分かりますけれども、これまで文科省がおっしゃってきたその学力調査の本当の目的には、これは合致しないことではないかと思いますが、こういった点数を上げるということに重きを置くような学校の体制がそこここに見受けられるというような実態については、文科省、どういうふうに受け止めておられるんでしょうか。
銭谷 眞美・文部科学省初等中等教育局長
今週火曜日に実施をいたしました全国学力・学習状況調査は、児童生徒のふだんどおりの学力、学習状況を把握いたしまして、それを分析し、これからの教育の改善に資するために行っているものでございます。各教育委員会や学校におきましても、結果を活用することによりまして、それぞれの教育委員会、学校における教育指導の改善を図るということを期待しているものでございます。
したがって、ただいまお話がございましたけれども、点数第一主義の考え方による学校のランクづけといったようなことは、これは避けなければならないわけでございます。また、予想問題集などによります事前の特別の練習、こういったことを必要とするものでもないわけでございます。こういったことで、この全国学力・学習状況調査の趣旨でございますけれども、この趣旨というものをご参加いただいております各教育委員会に対しましてもご理解いただくように、私ども、さらに努めていかなければいけないと思っております。
水岡 俊一・議員
点数第一主義に結びつくのではないかということを申し上げてきたわけでありまして、この先、結果が公表されるという段においてはさらに懸念されることが出てまいります。
昨日の朝日新聞の社説に載っておりました、「全国学力調査 格差を広げないように」という題で出ておりますが、そのなかに私が申し上げたいことがまさに書いてありました。「文科省は結果を都道府県ごとに公表するのにとどめる。しかし、学校ごとの成績を含む詳しい結果は、市町村の教育委員会と学校に伝えられる。それを市町村や学校が公表するかどうかは、それぞれの判断にゆだねられた」、こういうふうに書いてあります。
これは、これまでの当委員会でのお話のなかでもそういったことについては確認をされてきているところでありますが、学校ごとあるいは市町村ごとの成績が発表されるということについての懸念はいまの段階においてどういうふうにとらえておられるか、ちょっとお聞きをしたいと思いますが。
伊吹・文部科学大臣
朝日の社説というのは、私は読んでおりませんが、大体新聞名を挙げると社説のトーンがすべて分かってしまうというような日本のマスコミのあり方は、私はややいかがかと思いますよ。
率直なところ、この調査を実施するに当たっては、各都道府県教育委員会と文部科学省のなかで、いま先生がご懸念になっているようなことも踏まえて、私はきちっと話をさせております。その話の内容は、これはあるがままの児童生徒の学力を把握して、これからの教育行政あるいは教科書のあり方、教育課程のあり方等の参考にするためにやるものですから、作って点数を上げる性格のものじゃないということをまずはっきりとさせておくようにと、そして、その上で、国としては全体の数字と都道府県の状況は公表いたしますと。で、各々の市町村、学校の名前は公表を、明らかにするというような公表はしないでおこうという約束で都道府県教育委員会とわれわれの間の約束が行われて、都道府県教育委員会はそれを受け入れてやっておられるわけですよ。
ですから、もう先生のお手元に行っていると思いますが、2006年の6月の事務次官通知ということがありまして、このなかにそのことはもうかねてから明記されているわけですね。で、この取扱いを前提として各教育委員会は当然参加をしているわけですから、個々の市町村名とか学校名というものは、市町村にゆだねられているというのは、私は必ずしも正しい記述ではないと思いますね。
調査結果、情報公開の請求、訴えに耐えられるか心配
水岡 俊一・議員
大臣のお気持ち、それから文科省の考え方、私なりに理解をしているつもりなのですが、そこで、いま教育界で心配をされていることは、ある議会でこの情報について公開をするようにという請求がなされたり、あるいは情報公開制度によって請求がなされたり、あるいは公開をするように訴訟が起こされたりとか、こういうことがいま起こっているわけですね。このテストがまさに行われたいま、こういった公開請求に堪え得ることができるのかということについて、私はちょっと心配をしているんですが、その点についてはいかがでしょう、大臣。
伊吹・文部科学大臣
いま申し上げたような、この実施のかなり詳細な、先生のお手元にも行っていると思いますが、これずっと詳しく読んでいただくと、そういう前提で教育委員会と文部科学省がこれをやって、この全国統一の学力テストをやるという合意にはなっていないんですよ、個別の学校名を出すというようなことはね。
ですから、仮にそういう請求が行われたとしても、まず私たちとしては、情報公開法5条の6号ですか、の規定からこれはお断りをするというのが当然の筋なのであって、もちろん司法の場で争われるかも分かりませんよ。しかし、その時には、お手元に行っているわれわれと都道府県教育委員会とのその合意の内容、これを実施するに当たっての、それがやはり公判の有力な私は資料になると思います。
ですから、少なくとも社会の木鐸(ぼくたく)と言われる立場にある人たちがゆだねられているというような断定的な記事を載せられるということが、そういう、いまご懸念になっているようなことをむしろ助長するおそれが私はあると思いますよ。
水岡 俊一・議員
大臣のいまのご答弁を聞きながら、私なりに安心をいたしました。そういった意味で、これからの推移を見守りながら、また問題が起きたときには当委員会で論議をさせていただきたいと、思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本題の放射線発散処罰法案について質問をさせていただきたいと思います。
この法律案、大変難しい法律案だと思いますが、私は非常に重要な法律案でもあると思いますし、私自身も実は関心がございます。というのは、放射性物質あるいは核物質というのは、私たちの身の回りに本当は全くないように見えていて、そこここにたくさんある物質でありますので、私たちは見えないものについての危機というのは改めて考えていく必要があるという、そういう観点でこれは非常に重要な問題だと思っております。
そこで、そもそもの問題を少し共通理解したいと思いますが、この法律案のなかで、放射性物質をみだりに取り扱うこと、それから、原子核分裂等装置をみだりに操作することということが挙げられております。このことを具体的に言えば、どういうふうなことを想定しているのか、お尋ねをしたいと思います。
森口 泰孝・文部科学省科学技術・学術政策局長
先生お尋ねの法案でいいますと、第3条1項に「放射性物質をみだりに取り扱うこと若しくは原子核分裂等装置をみだりに操作すること」というふうにございますけれども、これにつきましては、いわゆる社会通念上、正当な理由があると認められない方法で放射性物質等を取り扱い、原子核分裂等装置を操作することということでございます。これを具体的に申し上げますと、一つは放射性物質をみだりに取り扱うことと、これに該当する行為といたしましては、例えばですが、容器に詰めたプルトニウム等の放射性物質を町中でまき散らすと、そういったような行為が想定されると思います。また、原子核分裂等装置をみだりに操作することと、これに該当する行為としては、例えば小型の核爆発装置、こういったものを爆発させる行為と、こういったものが想定されると思います。
水岡 俊一・議員
いまの放射性物質をみだりに取り扱うことというのは、確かに放射性物質を巷(ちまた)に持っていって、見えないところで人命に大きな損傷を与えるような、人体に損傷を与えるような、そういったことが想定をされるということでありますが。
私が、関心があると申し上げたのは、実は私、学生時代に原子炉で研究をしていた時代がありました。蛍光エックス線分析というのをやっておったのですが、原子炉のなかに物質を送り込んで、放射線を浴びたものをまた取り出して、そしてそれを研究するという、そういうことをやったんです。そういったなかで非常に怖いなと思ったのは、原子炉から返ってくる、要するに汚染された物質というのは熱くもないし光っているわけでもないし、全く分からないんですよね。ですから、物すごく高いレベルの放射性物質であっても、自分の身の回りを誰かが持って歩いていても、まったく分からないということであります。実際には体にフィルムを張ったりしてどれだけ被曝をしているのかということを測りながらやったんではありますが、大変危険な実験であったことを覚えております。
私も、教授から3年ぐらいは子どもをつくるなと、こういうふうに言われたぐらいでありまして、研究施設におけるその被曝の危険度というのは非常に大きいものだったというふうに覚えております。
実は伊吹大臣の母校である京大の原子炉研究所で、私、研究をしていたのですが、そういった意味では、いま、商業施設としての原子炉だけじゃなくて、研究施設としての原子炉というのもあるんですね。そういったなかで私が懸念をするのは、プルトニウムであるとか、ウラン235であるとか、コバルト60であるとか、そういう放射性物質だけじゃなくて、そういう放射能に汚染をされた二次的な物質というものの管理も大変重要な問題だろうと思うんです。
いま、放射性物質をみだりに取り扱うことという対象のなかにはこういった二次的な汚染された物質等のことも入っているのかどうかということ、あるいは、それらについての管理等については、いまどういうふうな状況になっているのか、もし分かればお答えをいただきたいと思います。
森口・文部科学省科学技術・学術政策局長
先生お尋ねのいわゆる放射性物質に汚染されたもの、これも当然、この法律上の対象になるということでございます。
それから、そういった、いわゆる放射性廃棄物と言っておりますが、それの管理につきましては、これは法令上の規定がございますので、それにのっとりましてしっかり管理をされておるというふうに考えてございます。
核汚染物質が、巷(ちまた)にあるという認識が大事
水岡 俊一・議員
しっかりと管理をされていると言われながら、全国の研究施設、あるいは病院の古い倉庫であるとか、古い保管庫であるとか、そういったところから汚染をされたものが度々発見をされているというのが実態ではないかというふうに思うんですね。ですから、それがいまのところは低レベルであったということで大きな問題にはなっていませんが、やはりいま、犯罪性のあることに特化をして考えているわけです。そういった汚染物質が巷にあるんだという認識はやっぱり強く持っておかなきゃいけないし、いまの研究施設であるとか、あるいは商業ベースで動いている原子炉であるとか、そういったところからの汚染物質等についても、これは十分に兵器に転用できる部分もあると思うので、気をつけていかなきゃいけないんだろうと思っておりますが。
もう一度、そもそも論に戻ってまいりますが、法律案のなかで処罰対象はあくまでも放射線の発散等により人の生命、身体又は財産に危険を生じさせた場合というふうにあります。危険が生じたというのはどういうことのレベルを言うのでしょうか。
森口・文部科学省科学技術・学術政策局長
先生お尋ねの危険ということでございますが、これは、法律上は危険犯と言っておりますけれども、いわゆる具体的な法益の侵害がなくても処罰できるということでございまして、ここにございますように、身体又は財産に対する危険の発生があれば足り得るということです。
具体的に申し上げますと、例えば容器に詰めたプルトニウム等の放射性物質をまき散らす、そういう行為があった場合には、それを行っただけでその放射線被曝による人の障害でありますとか、放射性物質が付着して汚染されたものがいろんなものの価値を毀損(きそん)する、そういう危険が生ずるわけでございます。繰り返しでございますが、そういったまき散らす行為を行っただけで、この危険ということの対象になるというふうに考えてございます。
水岡 俊一・議員
処罰対象をはっきりさせるという時には、行為の中身をやっぱり明確にしなきゃいけないというのは、これは法律のなかの非常に重要事項だというふうに思うんです。そういう意味からすると、その危険を生じさせる、あるいは、その後にちょっと出てくるのですが、放射線の発散の予備行為というようなもの、これがどういうことであるのかというのは、もう少し具体的で、あるいは広範な、要するにいろんな犯罪と見受けられるような、判断をされるような事象はどういうことであって、それはどういう処罰に結びつけるかというのは、これは重要な問題ですが、もう少し詳しくお願いできませんか。
森口・文部科学省科学技術・学術政策局長
先生お尋ねの放射線発散の予備行為でございますけれども、これにつきましては、これは法案の第3条の3項に書いてあるわけでございます。これがどういう場合に該当するかということでございますけれども、これは法案3条1項の構成要件、これを実現するために、客観的に相当な危険性が認められる程度の準備がなされるか否か等を個別具体的に判断するということでございます。例として申し上げるにとどまると思いますけれども、例えばでございますが、犯罪の方法を計画したり、それから犯行の機会を探したり、下見に行くと、こういった行為、あるいは犯罪に係る資金を調達する行為、また犯罪を行う者を募集し、訓練し、その役割分担を決める行為、犯罪に用いる物質、放射性物質とか機器等でございます。これを調達する行為、こういったことが第3条3項の予備罪に該当して処罰されると、そういう可能性があると考えてございます。
水岡 俊一・議員
この放射性物質にかかわって、様ざまな犯罪を防いだり、あるいは安全な取扱いにかかわる法律というのはほかにも幾つかあると思っておりますが、そういったものと合わさったなかでこういったものは対処していくのだろうと思うんですね。
しかし、そこで、ちょっと通告はしていないのですが、放射性物質を手に入れる、それは犯罪に使える程度の放射性物質を手に入れるということは国内ではなかなか難しい部分があろうかと思うので、事犯罪ということにかかわると、諸外国から日本に密輸をしてくるという問題というのは、これ出てくると思うのですね。こういった問題については、この法案はその対象としているのでしょうか。もし分かればお願いします。
森口・文部科学省科学技術・学術政策局長
この法案自身は、いわゆるいま申し上げたようなその調達する行為、犯罪に係る物質を調達ということも当然あり得るわけですから、密輸かどうかという点は別途の法律にゆだねる部分があろうかと思いますけれども、そういうテロの意思を持って、そういう物質を調達すると、そういうことがあれば、当然この法案の対象になるということだと思っております。
核物質を使うテロ対策としての調査、取締りが必要
水岡 俊一・議員
近年、やはりテロに核物質を使うということというのは非常に心配をされている部分でありますので、この法案にかかわっては、核物質を輸入してくる、あるいは何らかの違法的な手段で、日本に持ち込むということは当然ながら考えられるわけであります。そういった辺りの法整備について、あるいは法を解釈しながら当局で、その調査あるいは取締りに当たるということは十分必要なことだろうと思います。
文科省の担当局が、どの程度の範囲なのかというのはちょっと私には詳しく分からないところでありますが、縦割りのなかで、誰もタッチをしていなかったというようなことのないように、これは政府を挙げて取締り等やっていただきたいと、こういうふうに思っております。ややもすれば、そんなことになりかねないことが多いと私は思っております。
最後に大臣にお尋ねをしたいのでありますが、核物質や、それ以外の放射性同位元素あるいは汚染物質、そういったもののセキュリティー対策をひっくるめて原子力防護という言葉があるようであります。この原子力防護というような意識のなかで問題となるのは、国民に対して情報を公開すべきだという考え方と、あるいは、みだりにという言い方がいいのかどうか分かりませんが、すべての情報を開示することによって、あえて危険が国民に振りかぶるという問題もあると思うんです。これは非常に両方の論理がぶつかるところだろうと思いますが、これらについて、大臣としてはこの法案を提出するに当たってご所見があればお聞きをしたいと思いますが、どうでしょう。
伊吹・文部科学大臣
これは先生、大体政策は、すべてバランス論なのですよ。だから、両方のバランスを取ってやっぱりやっていくということで、知る権利を重視するあまり、安全保障の問題だとか、あるいは国家の、最終的には国民のもっと大きな安全保障の問題だとか、安全だとかという問題が侵されるというときには情報は最低限の公開にとどめると。しかし、同時に、そのことを重視するあまり、本来の知る権利を侵害するところまでを、そういうことを理由にしてやっちゃいけないということ、それを政治家が、あるいは当事者がどの程度わきまえているかということにかかるんですね。
ですから、さっきの学習、全国学力調査の結果も、国は全体の数字と県単位のことしか言わない、県は市町村の単位のことしか言わない、市町村は個々の学校名は明らかにしないということはちゃんと約束してあるわけですよ。ただし、じゃ、自分のところの市町村が、自分のところの結果は全国平均よりはるかに高いですよということを言えば、なるほどうちの教育は良かったなという鼓舞をするということもありますよね。逆に、個々の学校が自分の判断で、うちの点数は何点です、というところまでは規制はしていないというのとよく似たことなんですね。
だから、序列化をするという先生のさっきのご質問、朝日の社説のことをおっしゃいましたが、そういう意味での公表はさせないということをこちらがしっかり持っていれば、あとは個人の情報を個人がどう処理するかということについては、個々の学校や市町村に任せてあげるというのが、やっぱり地方分権のルールなんです。それと同じことがここにも言えると私は思います。
水岡 俊一・議員
学力調査に立ち戻ってのお話をいただきましたので有り難いと思っておるのですが、時間がなくなりましたので、私も最後にしたいと思います。
私が申し上げたいのは、情報を公開すべきだという部分と、安全を守るために情報を公開すべきでないという考え方、これはもうバランスだというお話はまさにそのとおりだというふうに思います。ただ、私たち国民一人ひとりにとってみれば、この原子力の情報に関しては、私は情報が少ない方だというふうに思うんですね。やっぱり、それは商業ベースの実験炉だけでなくて、研究施設の実験炉も重要な役割を果たしておりますけれども、そういったことも含めて、国民にやはりきちっとした情報公開をするということが大前提にありながら、テロ行為に結びつくような情報はしっかりと守るというような、そういう切り分けをしていただきながら国民の安全を守っていただきたいと、こういうお願いを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
|
|
|
|
| |
|
| Copyright 2004 Shunichi Mizuoka Office All Rights Reserved. |