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| 2006年11月22日 第165回国会 教育基本法に関する特別委員会 |
政府案「教育基本法案」、民主党案「日本国教育基本法案」等
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いじめから全国の子どもたちを守るために、政府は、
深夜も含め、24時間体制の電話相談をすべきだ
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参議院議員 水岡 俊一
水岡 俊一・参議院議員
某新聞によりますと、自民党では、この教育特において要注意、日教組5人組、指名手配というようなことで、ご丁寧に顔写真、プロファイル入りで印刷をいただいたと、こういうようなお話がございました。本当かどうか分かりませんが、もし本当であればかえって感謝を申し上げなきゃいけないかもしれません。
私たちは、子どもたちの声、そして教職員の悩み、そして保護者の不安、そういったところに最も注目をして、これからの教育改革に向けて教育問題の本質に切り込んでいくという、そういう審議を民主党の仲間、そしてさらには野党の仲間と一緒に全力でやっていくんだという決意を持っている人間でありまして、これまでにも文科委員会では大臣にも質疑をさせていただきました。決して私たちは不審な人物ではないということをご理解いただいておると思いますので、総理にも誤解のないようにお願いをし、また自民党、与党の皆さんにもご理解をいただきたいと、こういうふうに思います。
さて、早速質問に入りますが、先ほどの質疑のなかでどうしても私、理解が及ばなかった点がございます。まず伊吹文部科学大臣にお尋ねをしたいのですが、大臣は先ほど、教育の最終的な責任は国にあると民主党が言っていると、そういったなかで、政府案にも民主党案にも政府の責任、地方の責任、そういう辺りが明確でない、そういうふうに私は思っていると、ですから、これは、そういった部分をすり合わせて新しい案を作るというような考え方も、私は持っているというふうに大臣はおっしゃったかのように感じたんですが、その点についてはいかがでしょうか。
伊吹 文明・文部科学大臣
先ほど、わが党におられた西岡(武夫・民主党案発議者)先生がお答えになっておりましたように、もちろん、政府案も教育行政の一本の筋、国、教育委員会、あるいは民主党さんの案でいえば地方自治体、それから市町村教育委員会、それから学校ですね。これの関係は、この基本法が通れば、やはり当然、こういう形にしたいということを、また法律に作って国会へお諮りしなければならないです、当然。
先ほど、西岡先生のご答弁でも、必ずしも、所掌の事務はこういうことだということを書いておられますが、国が例えば持っている、学校教育法によるこの指導要領の実施を、自治体を通じて、あるいは学校理事会もあるのかも分かりませんが、こういうところを通じて教育現場でどう担保するかということですね。
行政はもう、これは当然のことですが、法律の執行権と予算の配分権と人事権を持っていなければできません。ですから、その辺りは、西岡先生の先ほどのご答弁でも、いずれ附則で書いてと、こういうことをおっしゃっているわけですから、双方ともまだ明確ではないんですよ、国の権限の担保の仕方は。その辺りは、われわれは、われわれの腹案みたいなものはありますから、いずれ法案が通れば、これまた衆議院では、法案が通る前にこういう作業をしていたのはけしからぬというご批判があるわけですよ。だけど、私は当然その作業はしているべきだと思いますが。だから、そういうことをお互いにこれからすり合わせていけば、いい案ができるのじゃないのかな、ということを申し上げたわけです。
社会病理としていじめの原因究明を
水岡 俊一・議員
民主党案には、先ほど鈴木(寛・民主党案発議者)議員からも説明があったように、教育振興法、それから新地教行法なるものを作り上げるなかで、国の責任というものを明確にしているという立場があると私は感じます。大臣のお考えは分かりました。
それでは、早速いじめの問題に入ってまいりたいと思いますが、大変痛ましく悲しい事件が続発をしているなかで、調査が進んでいるのも一方であります。そういった調査が進むなかで、私、どうしても気になることがあるんです。
それはどういうことかといいますと、いじめはなぜ起こるのだ、いじめは誰がやっているんだということを考えるなかで、いじめは子ども同士あるいは教職員がやっているんじゃないか、あるいは学校がよく見ていないからだ、教育委員会が全然指導していない、あるいは文部科学省はどうなのだというような論議がされるなかで、責任をどこかに持っていこうとしている。そういうような論議がされているというのは、これはゆゆしきことではないかなというふうに思っているわけです。やっぱりこれは真摯(し)にいじめの原因というのがどこにあるのか、これをみんなで徹底的に究明をしていかなきゃいけないと私は思っています。
大臣、私は、いじめ、あるいは自殺、こういった問題が教育のあり方に問題があるという考え方、これは教育病理という考え方ですが、そうではなくて、やっぱり社会病理として原因究明を政府として、文部科学省としてきちっとやっていくということが、いま、ものすごく求められているのではないかなと感じるんですが、大臣はいかがでしょうか。
伊吹・文部科学大臣
その点は、私は先生と意見は違わないと思います。先ほど、何か5人組とかおっしゃいましたけれども、私は参議院の文教科学委員会で先生の謦咳(けいがい)に接して、穏やかにお話しになり、他人を常に厳しくつるし上げるような言動を一度もお使いになっていないということに対して感服をいたしております。
いま、やっぱり、いじめの問題について言えば、やはりこれは大きな社会病理のなかの一つなのですよ。ただ、学校現場を預かっているわれわれとしては、学校で起こったことについては対応を逃げるわけにはいかないということなのです。
ですから、大きな社会のなかで、午前中もお話があったように、バーチャルな世界に入っちゃうとか、核家族化が進んできて家族の触れ合いが非常に少なくなってきているとか、そういうなかで、子どもが、子ども同士で遊べる機会も非常に少なくなってきている。そして、日本全体がやはりこの物質的豊かさのなか、1人で暮らしていける国になっちゃったというなかで社会的な病理として起こっているということは、私はもう全く先生と同じ意見です。
ただ、学校現場を預かっている立場としては、それは逃げるわけにはいかないので、総理とご相談して、私の名前で、いじめる子、いじめられている子、それからその子どもたちをしっかり見守っていただかなければならないご家族、先生方にも、この前アピールを出したということです。
水岡 俊一・議員
総理にお伺いをしたいのですが、いまの同じ問題ですけれども、実際、私たちも考えるところ、大臣がよく言われる子どもの家庭というところに目を向けてみると、随分昔とは違って核家族、核家族化になっていて、あるいはお父さん、お母さんも働きに出ておられる、そういうような家庭の変化というのが大きいと思いますね。それから、IT(情報技術)であるとか、あるいはテレビ、ラジオ、そういったものから刺激的で、そして誘惑に満ちた情報もどんどんと出ている。それから、都市化社会になっている。いろんな状態が変わってくるなかで、子どもたちが置かれている環境というのは非常に苦しいものに変わってきているわけです。
そういった意味で、社会病理という話をいま大臣からもいただいたところでありますが、今朝ほどの答弁のなかにも、これは日本だけの問題ではないというふうにお答えになった部分があって、これは事実、アメリカでも、ノルウェーでも、そしてイギリスでも起こっていると思っています。そういったことについて、いま総理は何か感じておられることがあればお聞かせをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
安倍 晋三・内閣総理大臣
このいじめの問題というのは、先ほども答弁で申し上げたのですが、元々従来からあったわけでありまして、また世界各国にも恐らく学校でそういういじめが発生をしているだろうと、このように思います。
しかし、そのなかで自殺に至る、小学生が自殺する、自らの命を自らが絶つ、こういう悲惨な出来事については、これは日本においてもかつてはなかったことであります。何とかこの現象をわれわれは食い止めなければならない、こう考えております。
また、いじめの問題というのは、発生したらそれをすぐに把握をして対応していくことが大切であり、対応することによって、それ以上このいじめが進んでいかない、あるいはそれが自殺に結びつくことを何とか食い止めることが私はできるのではないかと、このように思います。ですから、先ほど申し上げましたように、すぐできることについては直ちにわれわれも取り組んでいるつもりであります。
私も例えば子ども時代を思い出しますと、やはり先生がクラスの生徒を集めて、いじめというのは恥ずかしいことだということについて話をしたことがあります。しかし、それは、やはり、これは決して効果がないということではなくて、私はそれなりの効果があるというふうに思っています。
ですから、そういう取組を、例えばすべての学校で取り組んでいくということも、とにかくできることは何でもやっていくということが大切ではないか。すぐに効果が出る、出ないは、別として、このいじめの問題については、学校においても家庭においても、もちろん教育委員会においても地域においても、自分たちにできることについてできる限り取り組んでいく。われわれも政府として、また文部科学省としてもできる限りのことには取り組んでまいる所存であります。
官民一体で、いじめ対策が必要
水岡 俊一・議員
いじめの、そして自殺に至った事件を調査するなかで、学校の教員が不適切な対応であったというような事実も若干報告をされるなかで、大変残念に私も思いますし、反省もしなければならない部分もあろうかと思っております。
しかしながら、先日の文教科学委員会でも私、申し上げたとおり、多くの学校の教職員の仲間は、自分の授業も投げ出して、子どものいじめの問題、子どもの少しの変化をも見逃さないように必死になって学校で取り組んでいるという実態があるということはぜひともお認めをいただきたい。そして、そういった取組がこれからもなされていけるような体制を、ぜひ政府を挙げてご支援をいただきたいと思うところであります。
そんななかで、いま総理から、すぐにできることは何か、そういったことを、いまやろうではないかというふうに考えているとおっしゃっていただきました。文科大臣として、いじめ対策調査研究会議というのを先日招集されて、様ざまな方々がその会議に参加をされたというふうに聞きました。そのなかには、精神科医の香山リカさんとか、俳優の牟田悌三さんとかいう方もいらっしゃるとお聞きをしたところであります。
そういった方々がどんなことをおっしゃっているか、調べてみますと、香山リカ先生は、自殺の連鎖が起きないよう過度に詳細な報道を控えるガイドラインを作るべきではないかというようなお話をされているように聞きました。また、牟田悌三さんは、NPO法人として、チャイルドラインといいますか、子どもからのシグナルを受け止める、そういったものをNPOだけじゃなくて国の支援もいただいてやっていこうじゃないかというようなお話もいただいた。
まさに官民一体となって、そういった子どもを救うために取り組んでいくことが、いま必要だろうというふうに多くの方が思っていらっしゃると思うのです。そういったことがなされるなかで、いま、私、2人のご意見を紹介いたしましたが、そういったことにかかわって官民一体でやれることという観点において、総理のお考えがあればお聞きをしたいと思います。
安倍・内閣総理大臣
いじめられて悩んでいる子どもというのは、これは親にはなかなか、プライドがあって自分がいじめられているという事実について相談できにくいということがあるのだろうと思います。ましてや、また、学校で先生にその話を相談すると、何か言いつけに行っているというふうにとらえられはしないかということで、どんどん悩んでいくということになる。
ですから、どこに相談すればいいか。先ほどスクールカウンセラーの話をいたしました。もちろん、この人数において十分でないということは承知をしておりますが、何とかこの活用と充実を先ほど申し上げましたように図ってまいりたいと思っております。
また、民間の電話相談センターがございますので、そうした民間の電話相談センター、あるいはこういうことに取り組んでいるNPOの方々と連携を取って相談体制を充実していくということも考えたいと思っております。この悩んでいる子どもたちが相談できる窓口について、私どもいろんな窓口がございますので、これを広告等通じて周知をするように努力をしておりますが、一般の新聞では子どもたちも読まないでしょうから、いかにすれば子どもたちの目に入る広告ができるかということで、いま検討をして、できるだけ早く実施をしたいと、このように思っております。
また、ご両親が悩んでいるということもあるでしょう。ですから、そういう意味におきましても、われわれ、民間の力も借りながら、できるだけその相談体制を充実をさせていきたい。そして、悩んでいる子どもたちに対しては、どう対応すべきか、という知見について専門家の方々の英知も結集をしていきたいと思います。
水岡 俊一・議員
官民一体となってという話のなかで、官でできることをとにかくやろうではないかという部分は非常に大切だというふうに思います。
そのなかで、私、思うのは、ちょっと、どなたでもいいのですが、人権擁護局が行っている子ども人権110番という、これ政府がかかわってやっている電話相談だと思いますが、それに関しては、いまどんな状態になっているかというのは、どなたかご存じでしょうか。どなたかあれば。
銭谷 眞美・文部科学省初等中等局長
法務局、地方法務局の子ども人権110番でございますけれども、いま大変にたくさんのいじめの相談を受けつけていただいております。
先般も、政府広報のなかでこの法務局、地方法務局の子ども人権110番の番号等もご紹介を申し上げておりますけれども、法務省の方で、その番号を書いたカードを全国の子どもたちに配ろうじゃないかということで、たしか数100万だったと思いますけれども、カードを準備をして、それをいま配布しているところと承知をいたしております。
子どもたちが、悩んで、苦しむのは夜や明け方
水岡 俊一・議員
私もラジオでそのカードをいま配ろうとしているのだという話を聞いたところであります。
総理、そこで私が思うのは、実は私も兵庫県にいるときに子どもの電話相談を受けつけるという取組を、教職員の仲間としたことがございます。そういったなかで私が感じてきたことを申し上げるならば、実は、私が調べたのが間違いでなければ、いまの子ども人権110番というのは受けつけている時間が平日の午前8時半から午後5時15分までなのです。総理、どう思われます、これ。こんな時間に誰が電話します。小学生であれば多少とも夕方の時間があるかもしれません。しかし、中学生になってはこの時間には家には帰れません。
そして、本当に思い悩んで苦しむ時間はいつか。やっぱり夜ですよ、そして明け方なんですよ。私たちは、そういう取組をするなかで、電話が掛かってくる時間というのはやっぱり規定の時間、夕方までにはとどめておこうと思うのですが、夜に電話が鳴ると見捨てることができないのですよ。どんな電話かな、心配になって取らざるを得ない。取ると1時間、2時間と、話をするんです。
そういった取組をなぜ政府がこのいま、大変だ、緊急事態だと言っているときに政府が取り組んで24時間、何10回線もつないで日本全国の子どもたちを守ろうと、こういう取組ができないのかな、と私は感じましたが、総理はいかがでしょうか。
安倍・内閣総理大臣
法務局、地方法務局のこの人権110番については、確かにいま委員がご指摘のように平日の午前8時から午後5時15分であります。私もこの時間を見たときに同じ感想を持ったわけでありますが、この問題については法務省の地方法務局だけの責任ではございませんので、そういう意味におきましては、いまこうした相談窓口としては全国の児童相談所あるいは文科省の国立教育政策研究所、あるいはまた各県警本部の少年サポートセンターの少年相談窓口等々がございます。こういうところと連携を取りながら、おっしゃったように、そうした深夜あるいは土、日も含めての対応体制が取れないかということについても検討をさせたいと思います。
水岡 俊一・議員
私はいま緊急性が求められているのではないかなと思うんですね。ですから、地方の法務局、それは一生懸命頑張っていただきたいと思いますが、これは政府で、この時とばかりリーダーシップを発揮していただいて、子どもを救うためのチャイルドラインといいますか、電話相談を、政府でとにかく一刻も早く始めるというふうにおっしゃっていただきたいと思うんですが、総理、いかがでしょうか。
安倍・内閣総理大臣
文科省のホームページにもございますが、チャイルドライン、これは18歳までの子どもたちが掛ける電話でございますが、それと日本いのちの電話連盟がこの相談機関として、このホームページに載っているわけであります。いま現在、相談体制がどうなっているかということについても早急に問いただしまして、いま委員のご指摘のあったような点を踏まえて対応できる体制を構築してまいりたいと、そのように思います。
伊吹・文部科学大臣
私も実はそのいのちの電話のサポーターをしているんですよ。ですから、先生のおっしゃることはよく分かります。チャイルドラインは民間ですよね、いのちの電話も。だから、民間にどのような手を入れていけるのかということが一つ。
それから、法務省のいまおっしゃったようなものですね。これは総理もそういうお気持ちをいまここで明らかにしておられるわけですから、われわれも法務省に、法務大臣に同じ大臣としてお願いしておきたいと思いますので、ただ、官公労の職員でございますから、先生方も一つ、ぜひご協力をするようにお願いします。
水岡 俊一・議員
総理からここで方法、時期、いろいろあるけれどもとにかくやろうと、こういうポーズを、そういう姿勢を示していただいたら本当に有り難いなというふうに思うのですが、総理、もう一度お願いします。
安倍・内閣総理大臣
先ほど申し上げました民間の方々との連携協力もいただきながら、政府でいろいろな窓口がございます。また、各都道府県も含めて、各県警もあります。そうしたところと連携を取りながら、相談体制がこれは深夜に及ぶ、あるいは土、日という体制も構築できるように、これは指示をしたいと思います。
水岡 俊一・議員
やらせのタウンミーティングに掛けるお金がどうだ、こうだという話とこの話とは並べたくはないのですが、政府としてやはりその姿勢を示す、子どもたちにどう対面していくのか、その姿勢をぜひとも政府一丸となって示していくなかで子どもたちを救っていきたい、ともに頑張りたい、こういうふうに思うところであります。
そこで、大臣、10月19日に文部科学省は「いじめ問題への取組の徹底について」という通知を出しました。これについて、いじめを許さないという、そういった姿勢を貫いてというものでもあるというふうに私は感じましたが、これについて大臣は何かお考えはございますか。
伊吹・文部科学大臣
この時は、実は北海道で、大変残念なことでしたが、自殺をした子どもの遺書をたらい回しをしているということが1年後に分かってきた。それから、福岡で、残念だけれども、あの時は、まあ例外的なことだと思いますが、教師の対応についてもいろいろ批判がある事案があり、それについて先ほど来もご指摘があったように、福岡県の教育委員会の対応も非常に後手、後手に回ったと。
そこで、全国の教育委員会の担当者に来てもらって、いじめをうまく事前に分かって、そして自殺に至らずに処理をした成功事例が随分あるんですね。そういうことは表に出ませんから、だれも褒めてくれないわけですよ。先生が先ほどおっしゃったように、地道に一生懸命やっている教師がたくさんいると、そのとおりだと思いますよ。だけれど、それは、うまくいったことは誰も褒めてくれないわけです。何か出るともうみんな、誰の責任だというようなことばかりになる。だから、成功事例も含めて、そしてその時にいろいろ各教育委員会から出たお話をまとめて、局長がこういう形で全国にお知らせしたと。
その際に、いじめられている子どもはプライドがあって、なかなかその兆候がつかめないんで、これについてある程度書くことはいいだろうと。しかし、同時に、いじめている方の子どもについてどこまで書くかというのは、これは非常に難しいんですね。それはあまり深入りして書かなかったけれども、やはりいいことではないんだよ、ということだけははっきりしないといけないと。
それで、心理学者の方々に伺うと、やはり毅然とした態度を取って、いじめている子どもに対処した方が大体は成功するということのようです。
有名、難関大学進学率アップを県教委が予算をつけて奨励
水岡 俊一・議員
いじめられる側だけじゃなくて、いじめる側にいる子どもたちに目を向けなきゃいけないということは、僕はそのとおりだと思うわけです。
子どもというのは、いま、家庭のなかで親の目を気にしているんです。親に嫌われたくない。そして学校に行くと勉強でも置いてきぼりにされたくない、できないというところを見られたくない。また、友だち関係においても嫌われたくない、仲間外れにされたくない、そういうものが渦巻いているんですね、子どもたちのなかに。それは、いじめられている子だけじゃなくて、いじめる子の側もそうなんですよ。一夜にして立場が逆転してしまう子どもたちもたくさんいるわけです。
そういったことから見ると、私はこの通知のなかで厳しく対応というのはそのとおりで正しいと思うのですが、そういった観点で子どもたちを見るということも必要だというふうに思うのです。ですから、家庭に帰るとお父さんもお母さんもいない。極端な例ですが、出席停止にするというようなことまで書いてあります。出席停止にしちゃったら子どもどこに行くのですか。そういった部分というのも本当に考えていかなきゃいけない重要な問題だというふうに私は感じますので、そういった点の視点からもぜひとも対応をお願いしたいと思うところであります。
時間があまりなくなってまいりましたので、未履修の問題で、すでに文教科学委員会で大臣にも何度もお尋ねをしたところであります。細かいことは少し省きまして、少しその時にお尋ねをしたことの関連を申し上げたいと思っています。
受験に関係ないから履修すべき科目の授業をしない高校が公立で314校、私立で226校、計540校で明らかになった。全国の国公立校の合計は5400校余りと聞いておりますから、約1割に上った学校がこういったことが行われていた。そして、発覚した高校の校長も自殺をされるというような痛ましい事態まで起こっているという状況のなかで、なぜこういう問題が起こったのかということを徹底的に考えていかなきゃいけないということは文科委員会のなかで共通した理解だったというふうに私は思っています。
そこで、各都道府県の教育委員会のなかで、こういった高校に対して、競争をあおるような指導が行われていないかという問題は、これはかねてから指摘をされていた問題なんですね。競争をあおるという言い方が当たっているかどうか分かりませんが、私が調べたところ、実は岩手県の教育委員会で2006年度の教育委員会主要事業という情報がありましたので、ホームページで見ました。
そうしますと、岩手県の教育委員会では学力向上プロジェクトというのが合計四つ今年度行われている。そのなかの二つを見ますと、一つは県政課題貢献人材育成事業1800万円。これは何をやっているかというと、医学部や難関大学・学部への進学希望を実現できるよう、高校の取組を支援します。つまり、1校当たり300万円。そしてもう一つ、県北沿岸地域人材育成事業1500万円。これは何をしているかというと、高い専門知識を習得するための大学進学を実現できるよう、高校の取組を支援します。1校当たり300万円。そして、初めの対象高校が6校、次のが5校。この11校を調べてみますと、なんと、この11校すべての学校が未履修なのです。
つまり、こういったことで少しでも大学、有名大学、難関大学へ進学をする生徒を増やすために、頑張りなさいと県が奨励をしながら、支援をしながら、お金を出しながら未履修の実態をつくっていったという、そういう背景がないか、こういう視点では、大臣、どういうふうにお考えになりますか。
伊吹・文部科学大臣
やはり、文部科学省の立場としては、高等学校で必修としてお願いしているものをマスターして高校を卒業していただく、その習熟度の判定を現制度の下では校長先生にゆだねているわけですね。ところが、それが守られていなかった。その動機としていま先生がおっしゃったようなことがあるだろうということですが、まあ大学の進学率というのは、父兄の立場からすると、できるだけ自分の子どもたちをいい大学へ入れ、いいところへ就職させたいという気持ちがあるということは、これはけしからぬといって抑えられないのが人の気持ちですよね。だけど、私はやはり行政としては、大学の進学率も一つの高等学校の判断の基準としてもいいとは思いますが、それですべての予算を配分するとかということはあってもらいたくないと思いますね。
水岡 俊一・議員
本日の質疑のなかでも、実際には県当局が、首長が教育内容についての国の考え方とは違う部分については厳しく対応しなきゃいけないというような意味のご発言もありました。いま私が指摘を申し上げた点は、まあ奨励という、あるいは難関校へ進んで、そしてそれが県に帰ってきていただいて県の人材として活躍してほしいという願いがあったかもしれません。しかしながら、そういったなかでも実際に指導要領で決められた一つのルールを破っていったという事実はそこにあるわけですね。これについては、いままで明らかになった事実、そして、これからの指導として大臣はどういうふうにお考えになりますか。
伊吹・文部科学大臣
これは率直に言っていろいろこれから制度的に少し考えなくちゃいけないと思います。つまり、必修としているものがいまの大学受験と合わないからこれを変えるという考えを私は取りません。しかし、時代の変遷とともに、いま必修としているもののなかで何が必要かどうかというのは、これは公平な中教審なり、第3者に判断していただくということに対しては私は別に異論はないんです。それがまず一つ。
それから、高等学校でそういう形で決まった必修科目についての習熟度は、これは何らかの形でやはりチェックしないといけませんよ。それが入試センターの試験なのかどうなのか、あるいは全国一律の学力テストのようなものを行うのか、まあいろいろなやり方があると思います。
それからもう一つは、やはり大学の入試のあり方をどう見ていただくかという、いろいろな面をやはり総合的にこれ勘案しなくちゃいけませんので、やはり一番いいのは国民が広い立場の審議会で決めていただいた指導要領に沿いながら進学競争をしていただくというところへやっぱり持っていかなければいけないと思います。
水岡 俊一・議員
総理、実は文科委員会のなかで私、大臣に質問をいたしまして、いまの問題についても若干質疑をさせていただいたところなのですね。それで、教育界にいる多くの人間が、いろんな問題のなかで、この大学進学という問題、大学入試制度という問題、ここを何とか変えないと、いまの教育界に蔓延している様ざまな問題を解決していくことは難しいと、こういうふうに感じているということを申し上げると、大臣もそのとおりだと、これについては考えていかなきゃいけないというふうにもお答えをいただいたところであります。
もう少し詳しく言いますと、1991年に第14期の中央教育審議会答申というのが出ております。そこでは、新しい時代に対応する教育の諸制度の改革で、高校教育が大学準備を中心としたものになりがちなことであるということを指摘しているんですね。
11月9日の文教科学委員会で伊吹文部科学大臣に、私、未履修問題をなくすために大学入試の問題をお尋ねした。その時に私は、センター試験を変えていくことを考えませんかと、こういうお話をしたところ、大臣は、これは幾ら何でも私だけで考えて答えるわけにはいかないと、いまお答えのように、いろいろやり方があるから、いまのままでいいかどうか、問題意識を持ってみんなで考えていきたい、こういうお話をされました。
そこで、今日はせっかく総理がいらしていることですから、総理にこの問題についてのお考えをぜひ聞かしていただきたいと、思います。
安倍・内閣総理大臣
大学入学者選抜については、高校生にとって必要な幅広い知識や教養とは何かという観点にも十分に留意しながら、大学入試センター試験のあり方を含め、文部科学省において総合的に検討していく、そのように大臣が答弁をしているというふうに承知をしております。
この問題についても、そういう観点から文部科学省において検討していくことになると、このように思います。
水岡 俊一・議員
大学資格試験というような制度をアメリカでもそしてヨーロッパでも導入をされているという事例もありますので、いま大臣がおっしゃった習熟度をどういうふうにして図るのかということが大学の入学試験制度に生かされるような、そういう方向性が私は望ましいし、多くの教育関係者がそういうふうに望んでいるというふうに思います。総理にも文科大臣の後押しをぜひしていただいて、そういった方向が早く実現できるようにお願いをしたいと思っているところであります。
今日は、実際にはいじめの問題、そして未履修の問題ということに時間の関係で限らざるを得ませんでしたけれども、ぜひともこの問題は教育基本法を語るその前提として非常に重要な問題だと私は感じております。そういった意味では、教育特で、出口のことを考えるのではなくて、ぜひとも十分な審議をしていくんだということを、ぜひとも自民党、与党の皆さんも賛同いただいて、これからの審議が充実するということでお願いをしたいということで私の質問を終わりたいと思います。
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