ページタイトル
神戸事務所
〒650-0004 
神戸市中央区中山手通3-4-8
大東ビル8階
TEL:078-334-2355 FAX:078-334-2655
  東京事務所
〒100-8962
東京都千代田区永田町2-1-1 
参議院議員会館502号室
TEL:03-3508-8502 FAX:03-3591-0510
リンク

2006年5月17日 第164回国会 行政改革に関する特別委員会
「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案」等

市場化テスト法案には、「市民への情報提供」「市民と政府の協議」
「市民の政策決定過程への積極的参加」が重要

参議院議員 水岡 俊一 

水岡 俊一・参議院議員
 初めに、市場化テスト法案を中心に、公共サービスを受ける国民の立場、そして働く者の立場に立って質問をさせていただきたいと思います。
 まず、行革担当大臣にお願いをしたいんですが、OECD(経済協力開発機構)は、1990年代の半ばに当時の加盟国29か国における規制改革の意義、方向性、手段・方法を調査分析しております。そして、その結果を1997年に取りまとめて「OECD政策フォーカス」として出版をしているところであります。これについて加盟国はこの調査研究に基づいて規制改革に関する7つの政策提言に合意をしたと、こういうふうにされておりますが、これに対する政府の見解を是非お聞かせをいただきたいと思います。よろしくお願いします。

中馬 弘毅・行政改革担当大臣
 委員今御指摘いただきましたように、OECDでは規制改革に向けた7項目の政策提言を行っております。1997年、OECDの加盟国において規制改革の推進の努力指標として合意されたものでございます。
 我が国におきましては、1995年以降、政府に規制改革推進の組織を置くこととともに、規制改革の推進計画を策定しまして、継続して今日まで規制改革の推進を図ってきたところでありまして、その改革の方向性につきましても、経済的規制の原則撤廃、それから競争政策の強化、現在やっております、国際的に開かれた経済社会の実現など、基本的にはOECDの七項目の政策提言の内容に合致したものとなっていると考えております。

 社会的規制は必要

水岡 俊一・議員
 私も改めてこれを読んで勉強してみたんですが、OECDは規制というものを経済的規制、そして社会的規制、そして官僚的形式主義と、こういう三つに分類をしている中で、経済的規制は撤廃をするんだと、こういう考え方を強く示しているわけですね。他方、社会的規制については引き続き規制を行う必要を指摘し、環境、そして安全、健康などの分野で公共利益を守るという目標の達成のために市場原理を育て、活用していく手段を開発する必要性に言及をしていると、こういったことが大切なところではないかというふうに思っておりますが、市場化テスト法案を見ますと、第4条に、その中に「国の行政機関等の関与その他の規制を必要最小限のものとすることにより」と、こういうくだりがございます。経済的規制も社会的規制も区別なく最小限とすることを求めているのか、この辺りを大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。

中馬・行政改革担当大臣
 この市場化テスト法案の第4条及び第5条におきまして、国や地方公共団体は、第3条の基本理念ですね、これにのっとりまして、規制を必要最小限のものとすることによって民間事業者の創意と工夫がその実施する公共サービスに適切に反映されるよう措置すると、このように求めております。この趣旨は第3条の基本理念に明記されているとおりでございまして、国民の皆様のために、また国民の皆様の立場に立って、限られた財源の中で質の高い公共サービスを実現していく観点から、民間の創意工夫が発揮できるよう、個々の規制についてその内容や必要性をしっかりと精査した上で必要かつ最小限のものにしていく、このことを求めております。
 したがいまして、御懸念のように、個々の規制の内容や必要性について検討することなく単に一律に規制を緩和していくということを求めているものではございません。

水岡 俊一・議員
 そういった意味で、第3条の部分が衆議院の方で修正をされて文言が挿入をされております。公共サービスによる利益を享受する国民の立場に立つという新しい文言が入っておりますが、このことについて大臣の見解を引き続きお願いしたいと思います。

中馬・行政改革担当大臣
 先ほどの衆議院における審議の結果、修正が付きました。これは、公共サービスによる利益を享受する国民の立場に立って行うと、もう当然といえば当然でございますが、こういう旨を明記する修正が行われたわけでございます。
 公共サービスの改革法案が、本院での御審議の結果、このような修正を含めて可決されましたその暁には、修正の御趣旨を十分に踏まえまして、公共サービスの改革基本方針や実施要領の決定など本法の実際の運用を行いまして、公共サービスの利用者であり受け手である国民の皆様にとって何か質の悪くなってしまったというようなことがないように、安かろう、悪かろうということにならないように、限られた財源の中ではございますが、質の高い公共サービスを提供されるように、このように国民各界各層の意見を適切に踏まえつつ、しっかりと対応していくことが重要であると、このように考えております。

 国民が規制改革の主体に

水岡 俊一・議員
 ありがとうございました。
 安かろう、悪かろうは困る、そして質の高いものを求めていくんだと、こういうことはよく分かったわけでございますが、公共サービスによる利益を享受する国民の立場に立つといったことはどういうことかと私もいろいろ考えてみたんですね。そういった中で、国民がこういった規制改革の主体になるべきだと、こういうふうに私は思うわけですね。
 そういうことの中で、市場化テストの対象とするサービスを、どのようなサービスを選ぶのかとか、あるいはサービスの実施結果をどのように評価するとか、あるいは廃止の対象とするか否かを決めるとか、公共サービス改革の様ざまな過程に参画を求める、国民の参画を求めるということが私は非常に重要な視点ではないかというふうに思うわけですね。
 若干事柄は違いますが、最近、電気用品安全法という法律が本格実施をされたということは皆さん御記憶のとおりだというふうに思います。しかし、これは2001年の4月に施行されたんですね。そして、猶予期間があって、本年の4月に本格実施と、こうなったわけですが、非常に大混乱ということで、皆さん非常にお困りになって、それの対応に追われたと、こういう実態があるわけですね。
 そこには、国民に対する情報提供であるとか、あるいは国民の意見をいかに聞いていくかとか、そういった視点がやはり若干欠けていたんではないかと、こういうふうに思うわけですが、今のこの市場化テスト法案、国民がやっぱりサービスを享受する立場にあるという視点から見ると、この件について、大臣、何かお考えがあれば聞かしてほしいんですが。

中馬・行政改革担当大臣
 確かに一つの制度をつくりましても、それが国民に十分に周知徹底されないと混乱が起こることがございます。それですから、私どももこれの実際に運用する場合にはそういうことは心しなきゃいけないと考えておりますが、この制度設計といいましょうか、市場化テスト法案の中にはかなり細かく、民から声を聴いて、そしてそれを各省庁に諮り、また監理委員会の方々の議を経まして、そして最終的に閣議決定するということにまでしているわけでございまして、その都度、民間にも情報をオープンにもすることにいたしております。そういうことは運用に当たりましては気を付けてまいりたいと思います。

水岡 俊一・議員
 OECDはさらに、「開かれた政府・市民社会との対話の促進」という出版物を出して、こういったことについて詳しく言及をしているわけでありますが、そういった中で、やはり市民への情報提供、市民と政府の双方向の協議、市民の政策決定過程への積極的な参加の重要性ということを述べているわけです。
 そういった意味では、この市場化テスト法案、法案の中にそういった観点は欠落をしているんではないかという、こういう批判もあるわけですが、今慎重に対処していかなきゃいけないという大臣の御答弁がありましたが、改めてこの市場化テスト法案の中にそういった観点を盛り込むというようなお考えはありませんでしょうか。

中馬・行政改革担当大臣
 今御説明しましたように、この法案の中にそういう一つのシステムになっております。市場化テストの基本方針には、民間から広く募集した提案を踏まえて行うことにしておりますし、またそれを関係省庁間での協議や監理委員会での十分な審議を経まして閣議決定が行われる仕組み、これ第7条で決めております。そして、その監理委員会でございますが、これには幅広い分野から優れた識見を有する方々に委員として就任いただければと、このように考えております。
 また、この第3条、「基本理念」にのっとりまして、公共サービスの利用者である国民の皆様の立場に立って官民競争入札等の対象業務が適切に選定されるように積極的かつ能動的に御審議いただく、ただ受け身だけではなく能動的にやっていただいて結構だと、開かれた形でやっていただくことにいたしております。
 さらに、本法案の所要の手続は国民の皆様に対しましてしっかりと情報を開示しつつ進めていくことといたしております。
 このような取組によりまして、この基本理念にのっとりまして、公共サービスによる利益を享受する国民の立場に立って、国民のため、より良質かつ低廉な公共サービスを実現していくということでございまして、私としましてもその方向に向かって全力で取り組んでいきたいと、このように考えております。

水岡 俊一・議員
 大臣のお答えの中に、やはり監理委員会の人選という問題も広く、幅広く求めていく中で意見を求めたいと、こういうお話もありました。それにとどまらず、市民との協議、あるいは市民、国民が参加をできる、そういった仕組みを具体的に是非とも考えていただきたい、こういうふうに強く要望をしたいと、こういうふうに思っております。

 ILO採択文書の対処に不満

 それでは次に、厚生労働省の方にちょっとお尋ねをしたいというふうに思います。
 2001年10月、ILO(国際労働機関)の分権化と民営化が自治体サービスに与える影響に関する合同会議というのを開催いたしました。日本は出席をしたのでしょうか。また、出席をしたのであればどなたが出られたのでしょうか。お答えをいただきたいと思います。

恒川 謙司・厚生労働大臣官房総括審議官
 御指摘の会合については、日本政府から代表の出席があったと承知しております。具体的には、総務省の公務員課の課長補佐、そして総務省の公務員課の主査が出席をしております。

水岡 俊一・議員
 ありがとうございました。
 この会議において「分権化と民営化が自治体サービスに与える影響についての結論」というものが出されて、今日、委員長のお許しをいただいて資料としてお配りをさしていただいたものでありますが、翌年の2002年3月のILO理事会で採択をされたと私は聞いておりますが、確認をさせてください。

恒川・厚生労働大臣官房総括審議官
 御指摘の結論は2002年の3月の第283回ILO理事会に報告され、理事会は結論の内容を踏まえてILO事務局に対し、御指摘の結論を含む合同会議の議事録を各国の政労使、国際的な労使団体、関係の国際機関の伝達されるようにすること、二つ目は、結論に表明されているILOの役割について今後の活動の参考にすることを求めることを採択したところでございます。

水岡 俊一・議員
 そこまできちっとした形で理事会で確認をしたという内容であるわけですが、残念なことに、この採択をされた状態は英文であって、その英文を翻訳をしたものを日本国内で関係者のところに配付をするといったところまでされていなかったんではないかと、こういうふうに思うわけでありまして、そういったことの対処の仕方については私は非常に不満が残るところでありますが、これは過去の事実でございますので、今後の取組はきちっと対応していただきたいと、こういうふうに強く要望したいというふうに思っております。
 そこで、総務大臣にお伺いをしたいと思うんですが、ちょっと質問に入る前に、私、昨日非常に困ったことがありましたので、ちょっと大臣の御意見をいただきたいというふうに思うんですが、実は、今厚生労働省の方にお伺いをしたこの2点のことについて、内容は分権化とか民営化とか、こういうことでありましたから、これは一括総務大臣にお答えをいただきたいと、こういうふうに私は申し上げたんですよ、昨日の質問の打合せで。そうすると、非常に、このILO関係のことはそもそも、あるいは手続のことは元々というようなことで私どもにはと、こういうお話があって、じゃ厚生労働省の方でお答えをいただこうか、いやいやそちらの省が、いやいやそちらの省が、こういうお話で、実に私は2時間も待たされたんですよ。これが、今小泉総理あるいは竹中大臣が、あるいは関係閣僚が求められている簡素で効率的な政府なのかなと私は非常に悩みました。
 縦割り行政であるとか、あるいはセクト主義であるとかお役所仕事だとか、こういう批判が国民からたくさん出ている中で、何か大変、通告しておりませんでしたが、御意見があれば伺いたいと思います。

竹中 平蔵・総務大臣
 水岡委員御指摘のようなことを私自身も経験をして、これはいかがなものかと思うことは正直言って多々ございます。
 役所の所掌というのはその意味では非常に厳密に分かれておりまして、特に今回の場合、多分察するに、国際機関が絡んでおりますので、国際機関の窓口はここですと、そういう一本化の問題等々過去にいろいろあり、そういうことになったのだと思います。
 しかし、所掌ですから、そこをはっきりさせなきゃいけないというのは事実だと思いますが、それのやり取りに2時間も掛けて委員に御迷惑を掛けたということであれば、これはやっぱり大変問題であると思います。そういうことがないように、ましてやこの行革推進法案ですから、ということがないように私の方から総務省内にもしっかりと伝えたいというふうに思います。
 確かに、役所の所掌、ややこしゅうなっております。しっかり、しかしそこは効率的にやるように指示をしたいと思います。

 公共サービスの改革には、ディーセントワークが重要

水岡 俊一・議員
 大臣、ありがとうございます。
 それでは大臣に、総務大臣にお伺いをしたいんですが、先ほどお配りをした文書は私どもの方が仮に和訳をしたものでありますので、必ずしも正確なものとは言えないかもしれませんが、大体中身としてはポイントを外していないというふうに思いますのでお読みをいただきたいと思いますが、この中身は大変重要なポイントを指摘をしているというふうに思うんであります。
 そういった意味からすると、日本政府もこの会議に参画をしておりまして、理事会の出席、これは常任理事国である日本が出席し、合意をしてきたものでありますので、政府はこの結論文書を支持していると、こういう立場にあるんではないかというふうに思いますが、その辺りはどうでしょうか。

竹中・総務大臣
 お尋ねの文書、私も手元に持っておりますけれども、これは、この結論の文書については、形式的なことを申せば、法的な拘束力はないものでありますけれども、やはりしっかりと尊重すべきものであるというふうに思っております。理事会において今後の活動に参考にすること、それを求めるということでありますので、参考にして対処をしたいというふうに思います。

水岡 俊一・議員
 その上で総務大臣にお聞きをしたいのは、公共サービス改革をやっていくんだという基本的な考え方の中でこの文書はいろんなことが書いてございますが、その中でも大切な点として、社会的対話であるとか、あるいはディーセントワーク、つまりは労働の尊厳といいましょうか、そういったことについて非常に重視をしなければいけないということが書いてございます。これから行政改革をやっていくという立場においては、このことについて大臣の見解をお聞きをしたいというふうに思います。

竹中・総務大臣
 改めましてこの文書で指摘されておりますことを読み返しますと、民営化など公共サービスの改革にはやっぱり幾つかの重要なポイントがある、それをしっかり踏まえろということが指摘されているわけでございます。
 まず、やはり適切な公共サービスを提供しろというそのサービスの重要性、それと労働条件の維持等々についてしっかり言及する。そして、社会的対話の仕組みに加えて、労働条件等を適切に確保するといったディーセントワーク、そういったところがポイントになっていると思います。
 ちょっとこの文書を改めて読み返しまして私自身が思ったのは、手前みそになって大変恐縮でございますが、郵政民営化の議論をするに当たって5原則というのを作りました。その5原則の中に利便性の原則というのを入れましたけれども、これは正に公共サービスを適切に確保しろということだと思います。そして、資源活用の原則とか雇用配慮の原則というのは入れさせていただきましたけれども、ディーセントワークにつながるのだと思っております。
 そういう方向で心掛けて我々もいるつもりでありますけれども、今回、この文書の御指摘をいただきましたので、こうしたことも参考に是非しながら、適切な公共サービスの改革を行うべきであるというふうに思っております。

水岡 俊一・議員
 大臣のお答えの中にも、雇用という問題、大事だと、こういうお話がありました。こういったことについてこの後少し質問を続けていきたいというふうに思います。
 それでは、中馬大臣にもお聞きをしたいと思いますが、同じ内容でありまして、中馬大臣には、市場化テスト法案を今論議しているという観点において、この社会的対話の仕組み、そしてディーセントワークという、こういった点について視点が乏しいというふうに感じている中で、このILOが考えている水準あるいは方向性、そういったものについて、担当大臣としてお考えを聞かせていただきたいというふうに思います。

中馬・行政改革担当大臣
 ILOの、何といいましょうか、この決議でございますが、このディーセントワーク、安心して働ける仕事と言ったらいいのかと思いますが、こうしたことの実現にも十分に私どもも配慮していかなければいけないと、このように認識いたしております。
 これは、市場化テストで公共サービスに従事する者が民にも移る可能性も出てくるわけでございますが、官であれ民であれ、その仕事に誇りを持っていることは極めて重要、これは公の、公共サービスでございますから、そういうことであると考えております。
 本法案は、国民のため、公共サービスのコスト削減のみならず、質の維持向上を実現することを目的とするものでありまして、こうした観点から、公共サービスを実施することになった民間事業者は、業務に従事する職員に誇りを持ってしっかりと仕事をしてもらうよう責任を持って対応をしていただくことがこれは重要だと考えております。
 このような考えの下で、本法案では、公共サービスを実施することとなった民間事業者は、基本理念にのっとりまして、業務の公共性を踏まえて適正かつ確実に業務を実施するとともに、公共サービスに対する国民の信頼を確保するように努めなければならないと、このように明記いたしております。責務規定といいましょうか、一つの規定が明記されているわけでございます。
 他方で、公共サービスを公務員が実施する場合、その労働条件は国家公務員法等に基づいて決定されるものでございまして、また、公共サービスを民間事業者が実施する場合は、民間労働者の労働条件に関しては労働基準法等の関係法令に反しない限りにおいて労使当事者間で取決めされるべきものでございまして、民間に移った場合に政府がとやかく言うことはちょっと適切ではないかと考えております。
 なお、本法案では、公共サービスによる利益を享受する国民の立場に立って、国民のためより良質かつ低廉な公共サービスを実現するものでありまして、その際に国民への情報開示を図るとともに、その意見が適切に反映される法制度としているものと、このように認識をいたしております。

 公共サービスの質の向上と雇用契約承継制度の整備

水岡 俊一・議員
 しっかりと認識をいただいているということでありますが、そういったことを法案の中でどういうふうに生かしていくかということは最終的に重要なポイントではないかというふうに思っております。
 そこで、官民競争入札あるいは民間の競争入札、その目的は国民が享受するサービスの利益を最大化することと、こういうふうに考えるべきだというふうに思いますが、それは大臣も御同意をいただけることではないかというふうに思っております。
 その上で私申し上げたいのは、5月の8日、当委員会で鈴木寛委員が指摘をした点がございます。公共サービスに従事する一人一人の労働者の意欲、そして能力、そして人数の積によって公共サービスの質というのは決まってくるんだと、こういうふうな考え方を鈴木委員は指摘をしたところでありますが、私は全くそのとおりだなというふうに思っているところであります。とすれば、今その人数が削減をされるという方向が明らかな中で、一人一人の労働者の意欲とか能力こそが決定的に公共サービスのバリューを決めていくポイントになると、こういうふうに思うんですが、これも大臣は御同意いただけるんではないかというふうに思いますが、はい。
 さあそこで、この市場化テストの仕組みは、落札事業者に雇用される労働者という点で見ると、常に一定期間の雇い止めになる可能性、そういうリスクというのは非常に高いですよね。非常に不安定な立場で働くことになるわけです。このことは、ILOが示したディーセントワークという視点から見ると非常にほど遠いんではないかと私は考えるところです。高い意欲であるとか職業モラルを保ち能力を高める労働者というのは、大臣、一朝一夕にはできないと思うんです。そして、熟練者が価値を持たないそういった職業というのは恐らく皆無ではないかというふうに思うわけですね。とすれば、入札によって落札者が替わって、労働者が失業を繰り返して熟練が継承されないということになると、市場化テストという仕組みは公共サービスのバリューを下げる。結局、国民が享受をする公共サービスの利益の最大化というテーマを阻むことになるんだということにならないか、そういう危惧を私は非常に強く持つんですね。
 その点について、大臣、お考えがあればお聞かせをいただきたい。

中馬・行政改革担当大臣
 市場化テストで民間に移す場合に、これ若干マイナスイメージでイギリスの例を出される方がありましたけれども、初めに若干コストだけ、価格競争だけで選定した面があったやに聞いております。そういうことから、今回我々は、かなり質の向上、質を重視した形で業者を選定するとか、監理委員会でその方のしっかりとした意見を聞くとか、こういったことをやっております。そういうことから、本法案、今御心配の向きは極力防げるものだと思っています。
 本法案は、国民のため、公共サービスのコストの削減のみならず、質の維持向上を実現することを目的といたしております。こうした観点から、公共サービスの質の維持向上を達成するために、民間事業者においては業務が確実かつ適正に実施されるよう責任を持って取り組んでもらうことが必要だと考えております。その際、その民間事業者の下で業務に従事する職員に誇りを持ってしっかりと仕事をしていただくことも重要であることは、御指摘のとおりでございます。したがいまして、民間競争入札等に参加する民間事業者において、この点につきましても責任を持って必要な対応に十分講じてもらうことが重要と、このように考えております。
 先ほど言いましたように、相当厳密な審査といいましょうか、それに基づいて業者を選定するわけですから、1回で終わって次にぽっとやめてしまうような方が選ばれるケースは、私、非常にないんじゃないかと思います。したがいまして、何といいましょうかね、継続性がなくなるとか、すぐ失業するという不安が、そこに従事していただく方々にそう醸し出されることはないと私は確信をいたしております。

水岡 俊一・議員
 その辺り、私、まあお言葉ですが、非常にそれは不確かなことではないかなというふうに思っております。
 この市場化テストという問題がこれから進んでいくと仮に仮定をいたしますと、例えば官の仕事が民へ移った、しかし、それからまた民の仕事をまた入札をして官に戻るという可能性もある。しかし、官から民に行って、民が民に替わるということだってこれからずっと考えられるわけですよね。そういった中で、今私が申し上げたような熟練であるとか、あるいは能力であるとか知識であるとか経験であるとか、そういったものを高めていった労働者をどういうふうにつなぎ止めていくかという問題は、これは大きな問題だというふうに思うんですね。そういったことをこの市場化テストの中ではきっちりと担保してないんではないかと私は危惧をしているわけです。
 EUを見ますと、企業、事業及び事業の一部の譲渡の際の労働者の権利に関する加盟国法の接近に関する指令というものがあると勉強いたしました。そして、イギリスも事業の流動化が即雇用不安とならないような法制度を整備しているというふうに聞きました。
 日本においても、雇用契約を承継できる制度をこの市場化テスト法案と同時に発足をさせるという、そういった準備が必要なんではないかと私は感じるところでありますが、その点について大臣のお考えを聞いておきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

中馬・行政改革担当大臣
 今のことについて法律で明記をしているということでもございませんが、意図は十分に入っているわけでございまして、運用につきまして十分にそのことも配慮して取り組んでまいりたいと思っております。

水岡 俊一・議員
 それでは、ちょっと一つ大臣にお聞きをしたいんですが、今私が説明したように、期限付の雇用というものが持つリスクというのはありますよね。これについて、サービスを受ける国民の立場に立ってみると、質が低下をするんではないかというその不安がありますが、この件について、つまり期限付の雇用ということについて大臣はどういうふうにお考えなのか。大丈夫だとおっしゃるんであれば、何か具体的にお考えがあるのか、ちょっともう一度お聞かせをいただきたいと思います。

中馬・行政改革担当大臣
 法律の中に明記されていることはないと私は思いましたのでちょっと確かめましたが、もちろんその法律にそのことまでは書いておりません。しかし、やはり熟練を持った方々が取り組んでいただく、そうしたことをまた持った事業者を選定するわけでございますから、そういうことは、私は運用面においては極力ないようにしていきますし、またないと確信もいたしている次第でございます。

水岡 俊一・議員
 ということは、事業者を選定する入札制度の中にそういった雇用の問題をきちっとカバーをするという考え方を入れ込むと、こういうふうに理解してよろしいですか。

中馬・行政改革担当大臣
 今後の監理委員会等がお決めいただきますその基本計画といいましょうか基本方針等につきまして、そのことの意図は十分に取り組んでいきたいと思っております。

 入札で官が選ばれるのが市場化テストの本来の姿

水岡 俊一・議員
 それでは、そのことについて確認をし、これから進めていただくということで承知してよろしいですね、はい。
 それでは、去る12日の委員会で中馬大臣がこういうことを御答弁されております。官の潜在的な能力を生かし、努力して入札で官が選ばれるのは市場化テストの本来の姿だと、こういうような御答弁をされておりますが、これに関して、大臣のお言葉ですから、もちろん精神訓話ではありませんでしょうし、そのための具体的な方法、具体的な考えがあるんだというふうに思いますが、是非お示しをいただきたいと思います。お願いします。

中馬・行政改革担当大臣
 この市場化テスト法案は、官民競争入札の実施に当たりまして、官側も、対象公共サービスの質の維持向上あるいは経費の削減を図る観点から、自ら業務の改善を行うことを織り込んで入札参加できる制度と、このようになっております。
 具体的には、業務の改善方法につきましては官民競争入札の対象となる公共サービスの中身によって異なるものと想定されますが、例えば、非常に有名でございますが、市場化テストでかなりの効果を上げていますアメリカのインディアナポリス市では、公用車、公用車両ですね、役所の車でございますが、これの管理業務を実施していた官の担当部局が自らその業務を見直しまして、部品などの在庫の圧縮や自主管理チームによる新しいマネジメント体制の構築などを行いまして、市場化テストの結果、落札することに成功した事例があるわけでございます。
 こういったことが、たまたまの一つの事例ではございますが、こうして競争にさらされるといいましょうか、場合によっては民間の方がそうして手を挙げてくるぞということの、その緊張感から官の方もかなり真剣に私は合理化とかコスト削減に取り組んでいただけるもの、それも副次的な効果として私はこの市場化テスト法案の中にあると思います。

水岡 俊一・議員
 柳澤光美委員がその点について先日の委員会で、当委員会で質問をしておりまして、インディアナポリスの事例はそこの場でお話をいただいたことだというふうに思いますが、一つのそういった例を取り上げる中で、官が選ばれるというような仕組みを何か考えているのかと、例えば何年間の猶予を与えるとか、その間にそういった準備をするというのか、そういったことについては何か考えておられるのか、その点をひとつもう一度お願いします。

中馬・行政改革担当大臣
 今おっしゃいました柳澤委員の例でもございましたが、この問題提起もあったとおり、我が国におきましても対象業務によっては一定期間置いた後に官民競争入札を実施することといたしまして、その間に官は生産性や利便性の向上、コストの削減といった業務の改善に取り組みまして、民も入札に向けて知恵を絞るといった方法も公共サービスの改革を進める上で検討に値するものと、このように考えております。

水岡 俊一・議員
 ありがとうございます。
 少し視点を変えまして、衆議院の行革特別委員会において政府は、当初の契約期間終了時に随意契約に移行するものではないことから1円入札というものは行われない、想定し難いという、こういう説明がございましたので、このことについて若干質問をしたいというふうに思います。
 私は、入札をする民間事業者の立場に私が立つとすれば、当初の契約期間というのは非常に重要でありますから、もう採算度外視、1円でも10円でも構わない、そういった落札価格を提示してその期間、事業に携わるということは、非常に私は魅力のある内容だというふうに思っております。
 この件について、随意契約をしないというそういうような根拠以外に、この1円入札が起こらないんだというそういう根拠をお持ちであれば、是非お答えをいただきたいと思います。

山口 泰明・内閣府副大臣
 お答えさしていただきます。
 いわゆる1円入札については、ある事業者が初年度は極めて低い価格で落札をし、次年度以降の随意契約の中で全体として利益を確保するといった事例等があったことは承知をしているところでございます。
 この法案に基づく官民競争入札においては、これ複数年にわたる契約が通常であります。落札者はこの期間全体を通じた金額で入札すること、そして当初の契約期間が終了した時点で競争入札から随意契約に移行するものではないと、いわゆる1円入札は想定し難いと考えております。

水岡 俊一・議員
  複数年にわたってと、こういうお話でありました。でも、それは体力の勝負じゃないでしょうか。体力があれば幾らでも、5年でも10年でもやろうと思えばやれるということの問題でありますから、そういった視点はもう少しきちっととらえ直してこれは生かしていくべきじゃないかというふうに思っております。
 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律というのが平成12年に制定されております。公共工事の委託契約は建設業法が適用となって、原価に満たない額による発注を禁じているところであります。それからまた、地方自治体においては低入札価格調査制度、それから最低制限価格制度等があるわけですね。こういった制度があるということを今回の市場化テストにおいても活用するという、そういう考え方はなかったんでしょうか。 。

山口・内閣府副大臣
 先ほども申し上げましたとおり、委員御懸念のようないわゆる1円入札は想定し難いわけでありますけれども、しかしながら、仮に1円入札が行われた場合にも、この公共サービスの質の確保に問題がないかを調べる低入札価格制度の活用によりまして、質の確保に問題があると認められた場合にはその者は落札をできないこととしております。また、したがいまして、不当に低い価格で落札されるということによってサービスの質の低下を防ぐという制度になっております。

水岡 俊一・議員
 私、ちょっと不勉強であれですけども、この市場化テスト法案の中にその低入札価格制度というものがきちっと盛り込まれているということだったんでしょうか。

山口 泰明・内閣府副大臣
 これは会計法第29条の6と地方自治法施行令第167条の10の2等でございます。

水岡 俊一・議員
 この法律ではなくてほかの法律によって縛られていると、こういう理解でいいんですね。もういいです、いいです。
 私は、そういった意味からすると、適正な契約を確保するために法令によって厳しく律していくということがどうしても必要じゃないかなというふうに観点を持っているわけですが、法案の第7条辺りに、その辺りを盛り込んでいくというふうにできないものかなと、こういう意見を持っていますが、いかがでしょうか。

山口 泰明・内閣府副大臣
 先ほども申し上げましたとおり、公共サービスの質の確保に問題があると認められた場合にはその者は落札できないこととしており、この旨はこの法案でも13条の1項等において一応明確化しております。
 また、官民競争入札等の結果、民間事業者が公共サービスを実施することとなった場合に、サービスの質の低下を招かないよう、本法案は、公共サービスの実施に当たり確保されるべき質を国や地方公共団体の責任においてまず明確化する制度となっており、このような公共サービスの質に関する要求水準を上回ることを条件とした上で、質と価格の両面で最も優れた落札者を決定する制度となっております。
 また、落札した民間事業者は、本法案に基づき、契約に従って適正かつ確実に実施していただくこととされておりまして、さらには、これを担保するため、国や地方公共団体は報告徴収、立入検査等、様ざまな監督上の措置を講ずることとしているところでございます。

 教育現場に深刻な影響

水岡 俊一・議員
 今の点については分かりました。しかしながら、そのルールというのはきちっと明確にすべきだという点で、またこれからも私もちょっと研究をしてみたいというふうに思っております。
 それでは、小坂文部大臣、大変お待たせをいたしました。教育の問題で若干質問をさせていただきたいと、こういうふうに思います。
 私も、行政改革、公務員総人件費改革が必要であるということは理解をしているところでありますが、一律的に公務員の効率化を求めればいいというわけではないというふうに思っております。特に学校の現場はそうではないかというふうに思っております。教職員の仕事、これは人を育て、はぐくむものでありまして、手間が掛かってまいります。時間も掛かる、大変な苦労があるわけですが、今回の行革推進法、教育現場に深刻な影響を与えるものだと、こういうふうにこれまで再三再四、私たちも意見も述べ、大臣からもお考えを聞いているところでありますが、改めてこの特別委員会でお考えを聞かせていただきたいと思います。

小坂 憲次・文部科学大臣
 教員の経験もお持ちの水岡委員の御質問でございますが、公立学校教育の充実のためには教員について必要な人数の確保とそれから質の充実が、その双方が必要であるというふうに認識をいたしておるわけでございます。
 一方で、簡素で効率的な行政を実現し、総人件費抑制への道筋を確かなものとするために行政改革推進法案を現在御審議をいただいているところでもございます。この法案の実際の運用に際しまして、義務教育の実施に当たっての根幹である標準法対象の教職員数の純減につきましては、基本的には児童生徒の減少に伴う自然減によることといたしまして、教育条件を悪化させないように取り組む考えでございます。
 私といたしましては、総人件費抑制に取り組む一方で、習熟度別少人数指導など、必要な定数を確保するというめり張りのある対応を考えておりまして、一律的な教職員の定数削減を行うことは考えておりません。具体的な教職員の純減につきましては、国が配置基準を定めた教職員の自然減に加えまして、給食調理員や用務員等を含めました教職員全体の削減を図ることによりまして、自然減を上回る純減を確保する所存でございます。

水岡 俊一・議員
 児童生徒の減少に見合う数を上回る数の純減という問題については、大変悩ましい問題であるというふうには私は思っております。
 そういった中で、文科大臣が様ざま工夫をしながらトータルとして人件費を削減していくんだと、こういうお考えを述べられたところでありますが、私は、今の給食調理員のお話であるとか学校の校務員さんのお話であるとかお聞きをしながら、言葉では分かっても、実際に数の上で金額をはじけば、果たしてそういったことが言えるのかどうか、実現できるかどうかということについては私は疑問が残るなというふうに思っておりますし、また学校の校務員あるいは給食調理員が削減されていい職だというふうに考えるのも私は間違いだというふうに思いますし、その辺りについては、大臣、お考えがありますか。

小坂・文部科学大臣
 もとより給食調理員や学校用務員という皆さんも学校にとっては大変必要な、また従来から学校現場において大変重要な役割を生徒とのかかわりにおいても持ってきた、そういう方たちであります。
 しかし、学校教育法の第28条第2項に定める、必要に応じて学校に置かれる職員にこれらの方々は該当しているところでございまして、これらの職員が行う校舎等の清掃や給食調理などの職務につきましては、学校の運営上重要であることは論をまちませんけれども、児童生徒に対する指導そのものではない業務につきましては民間企業への外部委託は可能であると、このように考えておるわけでございまして、このため、今回の総人件費改革を進めるに当たっては、これまでの各地方自治体で取り組まれてきた地方公務員数の削減の実績を踏まえて対応することとされているところでございまして、具体的には、教育条件を悪化させないように、この法案の実際の運用に際して、義務教育の実施に当たっての根幹である、先ほど申し上げた標準法対象の教職員数の純減については自然減によるところとしまして、その児童生徒の減少に伴う自然減によるところとしまして、これに加えてこの給食調理員や用務員等を含めた教職員全体の合理化といいますか、外部委託を含めたそういった合理化、削減を図ることにおいて自然減を上回る純減を確保する。
 先ほど委員がおっしゃいましたように、大変悩ましい問題ではございますけれども、そういった二つの目標の中で私としてやりくりをして、そして悪化させないと、教育条件を悪化させないということを前提に努力をさせていただきたい、このように考えているところでございます。

 教職員の質の向上にもっと投資を

水岡 俊一・議員
 この問題については論議をすれば非常に深い問題でありますので時間が掛かりますが、一つ申し上げておきたいなと思うのは、小坂大臣はかねがね学校給食の問題、非常に重要視をされてこられたし、栄養指導、給食指導ということの学校教育における重要性、そのことを指摘をされてきた大臣であると、私はそういうふうに理解をしているんですね。そういった中で、やはり学校給食をどういう給食にしていくのか、あるいは子どもたちにどんな食事を与えることを目指していくのかと考えたときに、これはやっぱり自校給食をやりましょうと、こういうことが一方ありましたですよね。
 それから、今の学校の問題を、教育の問題を単に学校だけで考えるんではなくて、あるいは文科省だけが考えるんではなくて、地域の方々と一緒に考えて、地域、家庭、学校、そういったところで共同して教育の発展をみんなで考えましょうと、こういったことでありますから、そういった観点から考えると、今の行革の中で人員を削減していくということが必ずしもマッチはしていないという、非常に難しい問題にぶち当たるわけですね。
 そういったことをどのように解決をしていくのか、これは今すぐには出てこない答えではありますが、是非とも大臣のお力をいただきたい、私は教育現場を経験した人間の一人として強くお願いをしたいと、こういうふうに思うわけであります。
 そこで、もう時間もありませんが、最後になろうかというふうに思いますが、先ほど中馬大臣にもお伺いをしまして、つまり、公共サービスの質とかバリューを決める要素は何か、これは、そこに携わる人の能力であるとか意欲であるとか、そして人数という問題がありますねというお話をさせていただきました、これは鈴木委員の引用でありますが。そういった観点からすると、人数を下げていくことになったときに私たちが求めなきゃいけないのは、意欲であるとか、あるいは能力を高めなきゃいけないという問題ですね。
 そこで、一つ私は今日是非ともお伺いをしておきたいと思うのは、その能力を高めるという意味からすると、日本は教員、現職の教員がその能力を高めるために現職でありながら研修をしていくという、そういう制度というのは余り世界的なレベルからすると好ましい状況じゃない、もっとはっきり言えば、非常に最低なレベルだというふうに思っているわけですね。それは教育投資全般の中で語ることも必要かも分かりませんが、こと教職員の能力を高めるという観点において、日本はそういった教師教育というレベルにおいて低いんではないか、もっともっと資本を投下して、投資をして研修をする、そういう仕組みをつくるべきではないかというふうに思いますが、大臣、お考えはありますでしょうか。

小坂・文部科学大臣
 御経験を踏まえての御発言だと思いますけれども、初任者研修、10年目研修とあるわけでございます。
 そういった中で、委員がおっしゃるように、質の向上を図るためには、教員それぞれが教員としての崇高な使命感を持っていただく中で自ら教員の質の向上のために研修を意欲的に行っていただくということ、そしてそのモラルを高く保つためには、やはり天然資源の恵まれない我が国において人材こそが正に資源なんだと、そういう考えに基づくとともに、教育は国の将来を左右する重要な課題であって、そういう意味からすれば、義務教育の現場における教員の待遇というものについても、やはり引き続き人確法の精神をしっかり体してそういうものを維持するように努めていくと、そういうことが相まって質の向上が図られていくと、このように考えておりまして、委員の御指摘のように、質の向上に向けて更なる制度的な充実も含めて努力をしてまいりたいと存じます。

水岡 俊一・議員
 5月の8日に鈴木委員が大臣に質問をさせていただいたときに、行革推進法の第55条あるいは56条によって見直しを考えていくんだと、こういう条項について質問をしております。それに大臣は、教育の質の向上が強く求められる中での教職員の職務と責任の特殊性に十分配慮をしていくんだと、こういうような見解を述べられました。そして、今の御答弁の中にも人確法にも触れて大臣の見解をお述べいただいたので、そのことについて引き続き大臣が積極的にかかわっていただくということを強く要望をしたいと、こういうふうに思っております。
 もう時間がなくなりましたので、最後に私述べておきたいのは、小坂大臣を含め中馬大臣にも谷垣大臣にもお願いをしたいと思うのは、フィンランドの教育ですね、フィンランドの教育というのをこう振り返って見たときに、1992年を見ますと日本以上に深刻な経済危機に陥って、失業率も10数%に上って二度と立ち直れないというひどい状態にフィンランドがなった。そのときにフィンランドは何をしたか。やはりこれは教育に投資をしたんでありますね。正に米百俵の精神だったというふうに私は思うわけです。
 そして、今フィンランドでやっていることは、全国学力テストというのがありますが、これは平等化のためにやっているテスト。つまり、テストをやって点数がなかなか取れないところ、学力が低いところ、援助が必要なところにお金を出すためにテストをやっていると、こういう考え方がフィンランドの考え方なわけであります。
 そういった意味では、教職員の給与の問題のみならず日本の教育の中で是非ともフィンランドに学ぶというその精神を改めて持ち直していただいて、教育の効率化を進めることのみに陥らないように是非ともお力をいただきたいということを最後に要望しまして、私の質問を終わりたいと思います。


<<前へ次へ>>

 
Copyright 2004 Shunichi Mizuoka Office All Rights Reserved.