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2006年3月28日 第164回国会 文教科学委員会
「国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する等の法律案」

一般質疑

幻となった第8次定数改善計画
いまこそ求められる教育のナショナルミニマム

参議院議員 水岡 俊一 

水岡 俊一・参議院議員
 今回の義務教育費国庫負担2分の1から3分の1への削減、多くの方々が疑問を呈し、そして反対の意見を述べられてきたわけです。今回のこの法案が日本の義務教育の将来への不安、本当に大きな不安を抱かせるものになっているからだというふうに考えております。私たちが抱いている多くの不安の中の一部を私は質問の中に述べてまいりたいと、こういうふうに思っております。
 大臣、就学援助を受ける児童生徒というのは急激に増加をしているということはもう御存じのとおりだと思います。要保護児童生徒数は2004年度約13万人、準要保護児童生徒は約121万人に上っています。準要保護の児童生徒は全児童生徒の11.5%に上る中で、都道府県によって大きなばらつきが、大きな差が出ているわけであります。大阪、東京ではおよそ4人に1人、そしてそのほかにも、北海道、兵庫、広島、山口、高知、福岡などは5、6人に1人という割合になっているところであります。また、最近の文科省の調査で、都道府県立高等学校で授業料の減免を受けている生徒が2004年で22万2460人、全体の約9%になっているということが明らかになってきております。就学援助、そして授業料減免を受けている児童生徒の数は同じような傾向を持ちながら都道府県のばらつきが出ているところであります。
 このように学校現場、子どもたちを取り巻く状況は大変厳しいものがあります。準要保護の就学援助、そして授業料の減免措置は既に一般財源化をされておりまして、自治体への負担がどんどんと増加をしています。
 先ほど大臣が一般財源化問題は決着したというふうに述べられました。そこで、ちょっと大臣、御連絡をしておりませんが、ひとつ感想なり御意見をいただきたいと思うんですが、実は3月25日の朝日新聞にこういう記事が載っておりました。三位一体改革が市民に結局しわ寄せをさせるんだという内容の記事なんですが、ちょっと読んでみます。
 大阪府堺市は昨年4月から就学援助の対象基準を厳しくした。05年度の援助実績は前年度より444人、率にして3%減った。三位一体改革で05年度から準要保護児童生徒援助費134億円が廃止されたのがきっかけだ。就学援助は貧困家庭の小中学生のために学用品や給食、修学旅行などの費用を支給する制度。堺市の担当者は従来どおり続けられるよう折衝したが駄目だったとこぼす。国庫補助の代わりに税源移譲と交付税があっても、セーフティーネットは縮んでしまった。他の予算が優先されたためだというふうに記事は書いております。
 このことについて、大臣の感想等があれば、是非お聞かせをいただきたいと思いますが。

小坂 憲次・文部科学大臣
 三位一体改革の結果として準要保護者への国庫補助が一般財源化されたしわ寄せが出てくるといたしましたら、これは非常に問題であろうと思います。
 準要保護の認定基準は従来から各市町村が地域の実情に応じて定めているものでございます。認定基準に該当するにもかかわらず、その者からの申請に対して就学援助が行われなかった例は承知しておりませんけれども、各市町村が就学援助を必要と認める者について就学援助が行われないということになりますと非常に困るわけでございまして、それはやはり基準の設定、そして準要保護者に対する教育の機会均等の観点からの援助の在り方というものをやはり各市町村でしっかりと認識していただくことが必要だと思っております。
 今の大阪の事例、ちょっと私、今お読みいただいた部分だけしか分からないわけでございますけれども、全体的にはっきり把握をさせていただきまして、是正する必要があればそのような指導を行ってまいりたいと存じます。

 2006年度、義教費国庫負担3分の1で、39県がマイナス

水岡 俊一・議員
 突然の質問にお答えをいただきましてありがとうございました。
 教育現場、本当に厳しい状況にあるということを前提に義務教育費の確保策について質問を続けてまいりたいというふうに思います。
 文部科学省の資料によりますと、2006年度において義務教育費国庫負担金を3分の1とした場合の影響額を所得譲与税で配分した場合の都道府県別の過不足額の試算結果として、39県でマイナスになるというふうにされております。ところが、総務省の答弁では、所得譲与税による配分額を基準財政収入額に全額計上し、地方交付税の算定に反映させるので問題ないとしています。
 問題は、こうした仕組みがいつまで実効性を持つかという点にあると私は思います。2007年度には所得譲与税から個人住民税へと税金、税額の性格が変わり、2006年度に比較して都道府県のその間には増減幅が一層拡大するということを私は予想をするところであります。例えば2006年、東京都は314億円の増額になり、北海道では五57億円の減額となる大きな増減の差が生じているところであります。
 国庫負担削減額8467億円の全額を税源移譲見込額を用いた基準で各県に配分した場合、自治体の間の増減の幅というのはどれぐらいに広がっているのか、広がることが予想されるのか、お答えをいただきたいと思います。

銭谷 眞美・初等中等教育局長
 先生から今お話がございましたように、減額分の8467億円につきましては、18年度においては所得譲与税として地方に税源移譲されるわけでございます。
 この所得譲与税として各都道府県ごとに参ります金額と、3分の1の国庫負担金の額にこの額を加えた額と2分の1の国庫負担金の額を比べると、今お話がございましたように、39の道府県で2分の1の負担額に比べて不足額が生ずるということはお話しのとおりでございます。
 これはあくまでも試算でございますけれども、例えば、北海道ですと57億円の減額が生じますし、鹿児島県では37億円、沖縄県では30億といった具合に2分の1に比べての不足額は生ずるわけでございます。
 ただ、この不足額につきましては、先ほど来るるお話もございましたけれども、地方交付税によってこれは措置をされて、各都道府県が負担すべき3分の2の額についてはこの地方交付税の措置と併せて財源措置がなされているということになるわけでございます。
 私どもとしては、国の負担が3分の1で県の負担が3分の2ということになったときに、各都道府県におきまして必要な教職員の給与費を確実に予算措置をするということと、その場合、義務標準法を踏まえた適正な教職員配置がなされるということが必要なわけでございますので、この点について周知、指導しているわけでございます。少なくとも、来年度における各都道府県のその必要予算というものは、これは確保される見込みであると私どもは把握をいたしております。
 19年度以降につきましては、これが住民税によって措置されるわけでございますけれども、この住民税と地方交付税によりまして不足分が補われて、そして19年度以降も各都道府県における予算措置が的確になされるように、引き続きこの予算の措置状況については私ども把握をし、必要に応じて指導もしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

水岡 俊一・議員
 お答えをいただいたことに関連してなんですが、総務省も主張されておりますとおり、すべて交付税の算定に際して影響額を吸収していくと、だから問題ないんだと、こういうことでありますが、地方交付税の調整機能がいつまで働くかという点においては甚だ心もとないということを申し上げているところなんですね。
 そこで、昨年6月の閣議決定、経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005というのがございます。この中で、「三位一体の改革を進めることを通じて、不交付団体(市町村)の人口の割合を大幅に高めていく。」というふうに、こういう考え方がだんだんとエスカレートをしていっているという状態がこういうふうにあると思うんです。
 財政力格差に対する具体的な処方せんが見えないまま交付税縮減の議論が先行していく状況では、地方自治体にとってみれば不信と不安が増大をしていくと、こういうふうなことだと私は思っているわけです。現在、人件費以外の学校運営に関する経費というのは市町村が担っているわけです。今後、義務教育費が引き金になって人件費負担に耐え切れない市町村が生じることは、これは避けていかなきゃいけないと私は思うんですね。
 そこで、義務教育に要する経費全体を見ますと、その3割を担っている市町村の財政状況が交付税に依存している現状というのを文部科学省としてはどういうふうに認識をされているのか、お伺いをしたいと思います。

銭谷・初等中等教育局長
 市町村の一般財源に占めます地方交付税の割合というのは各市町村ごとにこれは異なるものと考えるわけでございますけれども、市町村を国全体で見た場合に、これは平成15年度決算ベースでございますけれども、市町村収入に占める交付税の割合というものは約28.6%というふうに試算できるわけでございます。
 交付税に対する依存度が高く、今日、市町村財政は、これもまた厳しいものがあるという認識は持っております。

 臨時採用教職員が増加

水岡 俊一・議員
 それでは、次の問題に移りたいというふうに思いますが、これまでの委員会の中でも、文部科学省の方から、教職員給与費の全額を保障するんだという力強いお言葉を聞かせていただいているところなんですね。問題は、一般財源化の下で、最終的にあるいは現実的にどれだけ守っていけるのかということが勝負だと私は思っています。
 それで、今日引用させていただきました新聞のように、準要保護の生徒の問題についても実際には現実的に削減をされていくというような実態があるように思われますし、また、先ほどの中川委員の質問でも教材費の問題が指摘をされておりました。この教材費の問題は、私たちももうずっとずっと主張し続けてきている問題で、大変ゆゆしきことだというふうに思うんであります。
 まあ、中川委員、余り厳しくはおっしゃいませんでしたが、基準財政需要額を100%保障するところから機会均等って始まるんですよね。それを、文科省で基準財政需要額を細かに計算をして、子ども1人当たりにこれぐらい要るだろう、学校1校当たりこれぐらいは保障しなきゃいけないだろうという額を決めているにもかかわらず、それを地方自治体の苦しい財政事情の中で切り捨てていくという実態がそこにあるんだということですね。これを我々はどうとらえるか、文科省としてどうとらえていただくかということが大きな問題だと思うんですね。そういったことを私たちは強く主張してまいりたいと、こういうふうに思っております。
 そこで一つ。学校現場は、臨時採用教職員というのが少なからずおります。これは、私が調べてみたところ、やはり年々と増加をしております。義務教育の学校現場において臨時採用教職員が増加をしているという現状を文科省としてはどういうふうに認識をしておられるのか。そして、どういうふうに改善を考えておられるのか。あるいは、どうしてこういうことが起こりつつ、あるいは増えつつあるのか。その辺りについて文科省の見解をお聞かせいただきたいと思いますが、どうでしょう。

小坂・文部科学大臣
 今委員の総括的なお話の中で、要保護、準要保護の話も出ましたけれども、先ほどの例に従って申し上げるならば、要保護というのは、生活保護の基準が変わらない限り変わらないはずでございますし、準要保護が厳しくされるということになりますと、生活保護に対して1.1とか1.2とか、それぞれの割合が余り悪化するようであればこれは市民が許さないはずでございます。ですから、そういった意味で、極端な準要保護の切捨てということは起こらないということを前提に私どもは考え、またそれが極端に行われるようであれば、我々、それは指導しなきゃいかぬと思っております。
 そういった観点から、また同時に、今御指摘の臨時採用教職員の問題につきましては、基本的には、教職員の任用については地方自治体がその権限と責任において判断すべきものでございますから、それぞれの臨時任用職員の数がどのように推移したかについて私どもは直接的にこれに指導を加えるものではございません。
 しかし、退職者の補充を臨時の職員で賄っていくというのは、一つは、今後、いわゆる2007年問題といいますか、団塊の世代を迎えての大量退職時代を迎えることになりますので、それを踏まえた中長期的な人事計画を見据えて正規採用と臨時的任用の割合をそれぞれの自治体が調整をしているということも考えられます。
 そういったことも踏まえながら、今までの平成12年から17年までの統計的なものを見ますと、12年に全体の5%であったものが17年には7.7%に増加しているという傾向は確かに見られますが、こういったその市町村の長期的な人事計画も踏まえた上で行われていることなのかどうなのかということは今後注目をしておきたいと思っております。
 仮に、学校運営に支障が生じているようなことが指摘をされるんであれば私どもは具体的に指導を行っていく必要があると思っておりますし、基本的には各都道府県の判断により適切な教職員の構成となる、こういうふうになるべきでありますので、そのようなことを注目しながら経過を見守ってまいりたい、そして必要に応じて指導してまいりたいと存じます。

水岡 俊一・議員
 大臣、ありがとうございました。
 学校基本調査という調査資料があると思います。その中で非常勤職員の数というのは出てくるように思いますので、何とぞ文科省としてもきっちりと追跡をし、そういったことについての指導ができるならば是非ともお願いをしたいというふうに思っております。
 今大臣は、2007年問題、大量退職時代を迎えるということをおっしゃいました。本当にそうなんですね、学校の現場。私の同僚あるいは先輩の年齢を見ておりますと、そういったところに集中をしております。これは、逆な面から見ますと、大量に退職をするから大量に採用していかなきゃいけない。ですから、いっときにはなかなかそれは無理だから、やはり臨時採用教職員ということではなくて、できるだけ本採用を、定員を確保していくということも一方必要なことではないかというふうに思っております。臨時採用教職員の方々が駄目だということを私は言っているわけじゃないんですが、臨採教職員の場合は非常に採用の期間であるとか辞令であるとか非常に厳しい中で勤務をされているというふうに私は理解をしておりますので、そういった形で仕事をされる中にも正採用できちっと教育に携わっていきたいという希望を持っておられる方はたくさんいらっしゃいますので、そういったことを確保するということで文科省も御努力をいただきたいと、こういうふうに思っているところであります。

 用務員、給食調理員さんは学校に必要な職員

 次は、学校の用務員それから給食調理員の配置について少しお尋ねをしたいというふうに思っております。
 学校の用務員それから給食調理員の配置というのは、これは児童生徒数に応じてというよりも、これは設置をされている学校数あるいは共同調理方式か自校方式など、そういった状況に応じて配置をされるという、そういうふうに決まってくるというふうに思っております。
 そこで、お聞きをしたいんでありますが、用務員と給食調理員の配置基準というのはどういうふうにお考えになっているのか、また用務員、給食調理員の必要性を文科省としてはどういうふうに認識をされているのか、お答えをいただきたいと思います。お願いします。

銭谷・初等中等教育局長
 まず、配置基準でございますけれども、用務員については、特に配置基準というものは整備はされていないところでございます。給食調理員につきましては、昭和35年の体育局長通知におきまして一定の配置基準を示しているところでございますが、その後、昭和60年の体育局長通知におきまして地域や調理場等の状況に応じて弾力的に運用するよう求めているところでございます。
 また、その必要性でございますけれども、学校用務員及び給食調理員は学校教育法の第28条第2項に定める必要に応じて学校に置かれる職員というものに該当をいたします。学校用務員につきましては、学校教育法施行規則の第49条におきまして「学校の環境の整備その他の用務に従事する。」とされておりまして、一般的には校舎等学校の施設設備の清掃や整とん等の環境整備などに従事をしているところでございます。給食調理員につきましては、特に法令においてその職務内容は規定されていないわけでございますが、主として購入をした食材の研修、調理、配膳及び調理場の清掃などに従事をしているところと認識をいたしております。
 いずれの職員につきましても、各学校の状況に応じまして、学校を円滑に運営していくために必要な職務を担当しているものと考えているところでございます。

水岡 俊一・議員
 ありがとうございます。
 これから公務員、学校の教職員の削減、定数の削減ということを論議する中で大変不安に感じているところでもありますので、学校にとって非常に重要なポジションを持つ職員の中に入っているわけですから、是非とも確保をしていただきたい、こういうお願いをしておきたいというふうに思っております。
 少し学校給食の自校方式のことについて話を移してみたいというふうに思います。
 現在、民間委託あるいは共同調理ではなくて、自校調理方式の良さを指摘する動きが広まっているわけであります。食育推進の観点からも、自校給食は生きた食育の教材であるとして、共同調理場にいながら食育を担当する栄養職員から羨望のまなざしを受けているという現状がございます。
 内閣府が策定をしました食育推進基本計画案には、「望ましい食生活や食料の生産等に対する子どもの関心と理解を深めるとともに、地産地消を進めていくため、生産者団体等と連携し、学校給食における地場産物の活用の推進や米飯給食の一層の普及・定着を図りつつ、地域の生産者や生産に関する情報を子どもに伝達する取組を促進するほか、単独調理方式による教育上の効果等についての周知・普及を図る。」との一文がございます。栄養教諭や学校栄養職員の指導の下、自校調理による食育を推進しようとすれば、こうした専門職員の配置は不可欠だというふうに私は思うわけであります。
 そこで、大臣は、2005年5月19日、参議院の内閣委員会で食育基本法の提案者としてこういうふうにお述べになっている。これ記録を見ますとありましたので、少し紹介をさせてください。中で、特に、地産地消という意味においては、学校の行き帰りの道の、道端に植わっているものがこの給食の現場に出てくるということであれば、またより一層そういう効果が出てくると思っておりますから、そういう意味では、センター方式よりも自校方式の方がよりそういった食育の理念に近い部分があるということは私どもも言えると思っておりますと、こういうふうにおっしゃっておられます。
 食育の重要性を誰よりも認識をし、自校方式による食育を推進する立場であられた小坂大臣としては、自校方式の給食の重要性、そして給食調理員の必要性についてどのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせをいただきたいと思います。お願いします。

小坂・文部科学大臣
 いわゆる自校方式、すなわち単独調理場方式につきましては、これは財政負担が大きく、また作業上の合理化が図りにくいという面はあるものの、今紹介していただきましたように、児童生徒が学校周辺で見る農産物がその日の給食の食卓に出てくるというような意味で、学校行事と関連した献立の工夫が容易にできるという点において優れた利点を持っていると思っております。
 そういう意味で、食育の観点からすると自校方式というのは非常に優れた方法であろうと私は考えておりますが、しかし一方で、やはり今日的要請に従って、給食方式についても創意工夫、また効率化ということを追求しなければならない現場もございます。そういった場所においては、共同方式であってもそれぞれの地域の農家と契約をしていただく、あるいは農協等とのタイアップの中から次の農産物の生産メニューというものを先に入手をして、そういったものを計画的に地域の給食に取り入れていくということで、この食育の観点から、より自校方式に近い共同調理方式というものを開発する等のお願いを私どもいたしております。
 そういった観点から、理想的には単独調理場方式というのもあるわけですが、財政的な負担も大きいということもかんがみますと、食育の推進の観点から、自校方式の良さを共同調理方式に創意工夫によって取り入れていただく努力も併せてお願いすることが必要だと、このように考えているところでございます。具体的な実施方法とか、各学校、地域の実情等に応じて、学校の設置者がこれを判断していただくということが必要だと思っております。
 したがいまして、私としては、その学校の設置者の皆さんに今申し上げたような努力をしていただくことをお願いすると同時に、給食調理員が担うその調理業務について、学校の給食の質の低下を招くことがないように配慮しつつ、各学校の設置者が共同方式を選択するか、あるいは自校方式を導入するか、あるいは継続するか、そういった判断を適切にしていただくことが必要と考えております。

 食育の観点からも求められる給食の自校方式

水岡 俊一・議員
 大臣、同じ内閣委員会で神本美恵子委員がこういうふうに質問をしております。せめて学校栄養職員を、全校配置が理想ですが、養護教諭でさえ全校配置、今まだできていない状況の中で、しかし栄養職員なり栄養教諭を学校、すべての学校に、巡回でも何校か掛け持ちでもいいですから、配置できる、すべての学校を網羅できるような形に是非持っていっていただきたいと、こういうふうに述べております。それに小坂大臣がお答えになっていらっしゃって、この基本法が、国会がこの法律を制定することによって内閣が編成する予算に影響を与える、そして自校方式の推進だとか、あるいは栄養教員の配置、そしてまた学校全体の食育にかかわる施策の充実が行われると、こういうふうにお答えになっている。非常に力強く私たちは感じているわけであります。
 今のお答えの中で、創意工夫とか効率化とかいうお言葉を使われて、共同調理方式もあるよというふうにお答えをいただきましたが、是非とも、今までの提案者としてのお気持ちの中にあったように、自校方式を是非とも力強く推進をしていっていただきたいと、こういうふうに思うんですが。
 そこで、学校栄養職員、それから栄養教諭の学校教育における位置付けとその重要性について、大臣にもう一度お伺いをしたいというふうに思います。お願いします。

小坂・文部科学大臣
 学校における食育の推進という観点からしますと、栄養教諭制度を活用した指導体制の整備を図ることが極めて重要であると考えております。また、学校栄養職員についても、学校給食の管理を担う重要な職であると認識をいたしております。
 そういった観点から、栄養教諭の配置促進のために、文部科学省では平成17年度に全都道府県において栄養教諭の免許状取得のための講習会を開催するとともに、様ざまな機会をとらえて栄養教諭の配置に向けた働き掛けを進めてきたところでございます。平成17年度においては、自治体では4道府県で配置、配置数は34名でございましたが、開始されておりまして、また平成18年度からは、これらの4道府県を含めまして、半数を超える道府県において配置予定であると聞いております。
 今後とも、栄養教諭の重要性が理解されて、各地域でその配置が進むように積極的に努力してまいりたいと存じます。

水岡 俊一・議員
 今大臣の方から御紹介がありました学校栄養職員、そして栄養教諭、この配置については是非ともお願いをしたいんですが、栄養教諭に限ってみますと、2005年は13人というふうに非常に少ない状態があるわけですね。それで、栄養教諭の法制化を進めていっていただいた文科省としては、この数字では少し御不満ではないかというふうに思いますので、これから積極的に配置をお願いしたい、そして各都道府県に強くおっしゃっていただきたいなと、こういうふうに思うところであります。
 そこで、今度は事務職員のことについてお伺いをしたいというふうに思っております。
 学校事務職員についても、学校の基幹的職員であり、国庫負担から外すつもりはないという答弁がこれまで歴代の文部科学大臣から繰り返しなされてきているわけであります。中山前文科大臣も、昨年の3月29日の参議院文教科学委員会で、これにかかわって、事務職員が御自分の部屋に来られたと、そのときに、「あなたたちは基幹的な職員で、学校運営にとってはもう必要欠くべからざる人たちなんだからしっかり守っていきたい」、こういうふうに私は答えたんだよと、こういうような御答弁をされているわけであります。
 幻と消えたのか消えるのか、第8次計画案ですね、第8次定数改善計画、この中には、きめ細やかな学習指導や教育の情報化の支援等のための事務部門の強化対応を行う学校への加配の拡充ということで、5年間で415人の改善が計上されていたというふうに私は理解をしておるんですが、これが非常に残念であるというふうに思っております。
 実際には守備範囲がどんどんと広がっている学校事務職員、各学校を下支えする大変重要で不可欠なスタッフとなっているということが私は言えると思うんですが、学校事務全般はもちろんのこと、重要な学校安全の観点からも、施設であるとか設備に関するあらゆる事柄に深くかかわっている事務職員に対する認識というのを文部科学大臣も共有をしていただいているんではないかと私は思うところであります。
 ここで、学校事務職員の教育現場における役割とその重要性についてどう認識をしておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。お願いします。

小坂・文部科学大臣
 基本的に申し上げますが、前中山大臣と認識は一致しております。
 学校の事務職員につきましては、学校教育法の28条の第9項によりまして学校の事務に従事する者とされておりまして、学校運営上必要欠くべからざる重要な職であると考えております。このことから、義務標準法によりまして国庫負担の対象とされる基幹的な職員とされていると考えております。
 これからの学校運営におきましては、学校の自主性あるいは自律性ということが求められます。そういったことから、学校への権限移譲を進めるためには、事務職員が担う学校の事務処理体制の整備が求められることでございます。このために、文部科学省といたしましては、平成18年度において、各教育委員会における事務の共同実施や事務長の設置などの事務処理体制の整備に向けた取組を進めるために学校の組織運営に関する研究調査事業を実施するなど、その取組を支援してまいりたいと考えております。

 教育のナショナルミニマム

水岡 俊一・議員
 ありがとうございました。
 先ほどの臨時採用教職員の質問のときに申しておきたいことを忘れておりました。
 そもそも、なぜ臨時採用教職員が増えるのか。これは公には言われないと思いますが、一つには、やはり給与費全般の削減が一方期されているからだというふうに思うところがあります。やはり、正式採用教職員の平均的給与額からいえば臨採教職員の給与額は低うございますから、そういった意味ではそこをねらって少しずつ少しずつ結果的に増えていっているんではないかと、こういったことが非常に懸念をされるということを改めて駄弁を弄するようですが指摘をさしていただきたいと、こういうふうに思っております。
 そういった意味からいきますと、教育のナショナルミニマムをどう確保していくのか、そもそもナショナルミニマムとは何なのか、そういったことを我々は原点に返っていつも確認をして、文部行政に是非とも携わっていただきたい、こういうお願いをしたいと思っているところであります。
 しかし、最近は、この義務教育費国庫負担制度の問題が最も象徴的でありますが、どうしても財源論の方が先に来てしまうということが非常に残念で仕方ありません。結局はナショナルミニマムの引上げを誰が考えるのか、誰が進めていくのかということについて、分かり切ったことではありますが、是非とも文科省としての態度を聞かせていただきたいと思います。間違っても財務省が決めるなんていうことはないんだというふうに私たちは信ずるところでありますが、いかがでしょうか。

銭谷・初等中等教育局長
 国は、全国的な観点から、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持向上を図る責任を負っております。学習指導要領の設定や、全国どこの地域の学校においても一定水準以上の条件の下で教育が受けることができるように教育条件の整備を図っていくことが必要でございます。こういった国としてのナショナルスタンダードの維持については、文部科学省として責任を果たしていかなければならないと思っております。

水岡 俊一・議員
 それでは次の問題ですが、特区における市町村費負担教職員任用事業というのがございますね。この中で、常時勤務の任期なし雇用、220人中2人なんですね。任期付きが24名、臨時的任用が148名、非常勤が46名と、こういうふうな実態になっていようかと思います。
 これは、特区を始めとする、一部で今現実的に出てきている事柄でありますが、この市町村費負担教員任用の問題については、全国化はされていくんではないか。あるいは、そうする中にあって、同じ学校の中で県費負担教職員と市町村費負担教職員とこう存在をする、そして多様化をしていくということが言えると思うんですけれども、それらに対して文部科学省はどのような立場で、どのようなお考えを持っていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

馳 浩・文部科学副大臣
 基本的な考え方ということからいえば、義務標準法に基づいて適正な教職員の配置をし、またその教職員給与については、国庫補助負担3分の1と都道府県負担3分の2という形で全額保障するという観点から基本的なナショナルスタンダードは守られると。その上で、プラスアルファとして市町村の負担において教職員を配置していただくと。より良い教育、よりきめ細かな教育の推進に当たって、設置者である市町村長、また議会等の判断によってなされるべきものと、こういうふうに考えております。

水岡 俊一・議員
 市町村費教職員の給与水準というのも、これは、同じ学校に働いて、そして子どものために同じ努力をしていただくという職員でありますので、給与等の処遇がやはり同じように確保していただきたいし、それはナショナルスタンダード、スタンダードの上にプラスされるものだという認識を今いただいたので非常に力強く思っているところであります。是非お願いをしたいというふうに思っております。

 耐震診断や耐震化の進捗状況を学校に掲示

 もう時間が残り少なくなりましたので最後の質問になろうかと思いますが、耐震診断と施設整備基本方針、施設費の交付金化の問題について最後お伺いをしたいというふうに思っております。これまでの当委員会の中でも、大臣が今年中に学校の耐震診断は完了させるというふうにお答えをいただいているところであります。文部科学省の具体的な取組、特に耐震診断を行う自治体に対する財政支援について是非ともお伺いをしたいというふうに思っております。
 自治体が耐震診断経費を負担するのであれば、どの程度なんでしょう。そして、診断実施率100%にするには診断に当たる専門家が相当数必要になると、こう思われますが、このような耐震診断を進める上において文科省のお考えがあれば聞かしていただきたいと思います。

大島 寛・文部科学大臣官房文教施設企画部長
 お答え申し上げます。
 若干、専門的な部分のお話もございましたので、私の方から少しお答えさせていただきます。
 耐震診断の経費でございますけれども、まずは公立学校施設整備における耐震診断経費ということで、文部科学省においても、耐震化事業の補助申請があった際には実施した耐震診断経費を補助するということで、原則2分の1という補助がまずございます。
 それから、まずは耐震化の前提としては耐震診断が極めて重要だということで、その早期診断を今指導しているところでございますが、一方、今御懸念がございました、それじゃ、それぞれの自治体で十分な診断能力あるんだろうかというお話でございますけれども、これまでのところ、聞いている限りですと、まず各地方公共団体の設置者からは、耐震診断を実施する、いわゆる構造設計事務所を使う場合もあるわけですが、こういったものが不足していて早急な診断実施に支障が生じているというようなことは今の段階では聞いていないところでございます。
 それから、早急な建物の診断のためには、そういう詳細な耐震診断だけではなくて、また簡易に診断できるような方法も必要だろうということで、そういう診断方法を私どもで開発いたしまして、有識者によって協力を得て新たにつくった方法がございます。いわゆる耐震化優先度調査と、こういう調査がございまして、こういったものも活用しながら進めるということが有効であろうと、こういうふうに考えているところでございます。

小坂・文部科学大臣
 また、100%にする実施体制についてでございますけれども、当初の計画でございますと多少時間が掛かってしまうと考えまして、私、就任後、国土交通大臣と協議をさせていただきまして、国土交通省が持っております補助事業であります住宅建物耐震改修等事業の活用をさせていただくことに合意をいたしまして、これを自治体に対して通知をいたしまして、私ども文科省だけでなく国土交通省とも連絡を取る中で、早期に100%実施に向けた体制を組んでいただきたい、このようにお願いをしたところでございます。
 したがいまして、今回、18年の4月、もうすぐでございますが、4月1日現在の公立学校施設の耐震改修状況調査を行ったその時点で、地方公共団体ごとの耐震診断や耐震化の進捗状況を公表する予定でございます。従来公表してまいりませんでしたけれども、公表することによってそれぞれの地域の認識を高めていただいて、そして迅速にこれに対応していただく、こういったことも併せて考える中で、この100%実施に向けた体制整備をしてまいりたいと存じます。

水岡 俊一・議員
 最後におっしゃっていただいた公表の部分でありますが、私たちは、公表するというのは、ペーパーで公表するだけじゃなくて、学校の正門であるとか校舎にこの建物はどれぐらいの耐震強度があるんだということを掲げると、これは地域の方にもよく見えるし非常に安心できる材料だと思うので、是非ともその辺りは検討いただきたいということを再度のお願いをしまして、私の質問を終わります。


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