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2006年3月22日 第164回 文教科学委員会
「平成18年度一般会計予算」等、文部科学省所管について審査の委嘱

外国人の子どもたちにも学ぶ権利はある
国籍のある、なしで差別すべきでない

参議院議員 水岡 俊一 

水岡 俊一・参議院議員
 小坂文部科学大臣、当委員会で所信表明をいただきました。その中で大臣は、外国人児童生徒教育においては日本語教育を始めとして充実を図りますと、こういうふうにおっしゃられました。
 まず、大臣御自身の外国人児童生徒教育に対するお考え、それから日本語教育のほかにどのような充実策を講じようとされているのかということについてお聞かせをいただきたいと思います。

小坂 憲次・文部科学大臣
 水岡委員の外国人児童生徒の教育に着眼をしていただいていることは大変有り難いことだと思っております。私も海外駐在経験等を踏まえますと、やはり親はその赴任地においてどのような教育を子どもに受けさせられるかということは大変に重大な関心事でございます。
 これからの日本が海外の研究者やあるいは留学生を大幅に受け入れて、そういった海外の皆さんの力もやはり借りながら、日本の科学技術の振興、そしてまた国全体の安定的な発展を、こういった中で実現していくことが非常に重要な時代になってきたと認識をいたしております。そういった意味で、日本に来られる外国人の皆さんが子女の教育に対して不安を抱かれるのは当然でございますので、私どもとしては、親の状況によってもたらされる環境の変化に子どもが対応しやすいように、日本においてこれから外国人に対しての日本語教育、また日本の教育環境になじめるような支援というものは十分に配慮をしなきゃいけないと、このように基本的に考えております。
 そういった上で、在籍する外国人児童生徒が今児童数は7万人おると言われておりまして、このうち日本語の指導が必要な外国人生徒は約2万人在籍していると、そのように言われております。その数字は今後増加傾向になるだろうと、こうも言われておるわけでございます。そういった意味で、我が国への義務教育の就学義務そのものはこういった児童にはありませんけれども、公立の義務教育諸学校への就学を希望される場合には、該当する国際規約を踏まえまして、日本人児童と同様に無償で受け入れ、そして教育を受ける機会を保障する必要があると、このように考えているところでございます。

 増加する外国人登録者数、10年まえと比べて45%増

水岡 俊一・議員
 ありがとうございます。大臣から積極的に、条約のお話もいただきながら、国際人権規約あるいは子どもの権利条約、そういったことの中で保障されている外国人児童の教育を保障していきたいというお考えをいただきまして、本当に力強く感じているところであります。
 そこで、現状をもう一度見てみたいと思うんですが、2004年12月末で外国人登録者数というのは約200万人になっております。10年前と比べてみますと45%増加をしている。総人口に占める割合も1.55%という数字が出ております。そして、出身国はどれぐらいあるかと調べますと、188ヵ国といいます。つまり、国連に加盟をしている国が191と聞いておりますので、世界中のほとんどの国から子どもたちが、労働者がやってきていると、こういうことになるわけですね。
 そういった意味からすると、まさに多民族あるいは多文化の社会になっているというふうに思いますが、そういったそれぞれの国の人たちの数をとらえてみますと非常に少数でありますので、まあマイノリティーという言い方が当たっているのかというふうに思いますが、その民族的マイノリティーにとってみて、この日本の社会というのは住みやすい社会であるのか、あるいはその子どもたちにとっては通う学校が楽しくて学習のしやすい学校になっているのかということについては、大臣いかがお考えでしょうか。お願いいたします。

小坂 ・文部科学大臣
 御指摘のような外国人児童生徒に対しては、学校の生活面や学習面での指導において特段の配慮が必要と考えておりますが、そのための教師用の指導資料や会議の場において外国人児童生徒が温かく受け入れられる配慮がなされるように指導も行っているところでございまして、今御指摘のマイノリティーという形でいいますと、マイノリティーの皆さんの言語は多様でございますが、その言語に特化した指導員の養成というのは、今の現状ではなかなか対応しがたい部分がございます。
 それはまた逆に言えば、学校教員に対する過重な負担にそういったことを急激に行いますとなることも考えられますので、そういった意味では、可能な面においてまず取組を強化していくということが必要だと考えておりまして、外国人児童生徒の日本語指導に対応した教員の配置という点におきまして、例えば平成17年度では積算で985人、これに配置をいたしております。また、学校教育におけるジャパニーズ・アズ・ア・セカンド・ランゲージ、JSLと略しておりますが、このカリキュラムの開発、第二言語としての指導方法の開発等も18年度予算で組み込んでおります。また、これはもう以前から始めていることでございますが、18年度においても1200万円予算を確保してこれに当たるようにしております。
 また、母国語を用いた帰国・外国人児童生徒支援に関する調査研究、外国で学ばれた帰国子女、またいらっしゃった外国人の生徒に対するこういった教育の仕組みにつきましても16年度より実施をいたしておりまして、17年度で一応の調査を完了いたしておりますが、こういった調査を踏まえて更なる指導方法の開発等を行う等、今後とも努力をしてまいりたいと存じます。

水岡 俊一・議員
 今大臣の方からのお話をいただきまして、文科省として様ざま事業を行っていただいている。次年度の予算案においても新規の事業の計画をいただいているわけでありますが、そこで一つ、現在の外国人児童生徒の就学状況ということについて少し御説明をいただきたいというふうに思っております。
 全体の数というお話は先ほどいただいたところですが、その子どもたちの就学状況はいかがになっているか。それから、今大臣のお話にもありました不就学外国人児童生徒支援事業というのが行われて、それが17年度末、中間報告をすると、こういうお話をいただいているところでありますが、それについて簡単に御説明をいただきたいと思います。

銭谷 眞美・初等中等教育局長
 まず、外国人児童生徒の就学状況でございますけれども、先ほど大臣からもお話がございましたが、国公私立の小中高等学校、盲・聾・養護学校、中等教育学校に在籍をしている子どもの数は7万5476人でございます。そのうち公立学校に在籍をする外国人児童生徒は6万9824人という数でございます。なお、学校種別の内訳を言いますとやはり小学校が多くて、概数で申し上げますと、小学校が約4万2千人、中学校が2万人、高等学校が約1万2千人といった状況になっております。
 一方、外国人の児童生徒は、こういう我が国の学校で学ぶほかに、外国人学校とかインターナショナルスクールなど様ざまな場で学んでいるところでございますけれども、いずれの学校にも現在就学をしていない不就学の児童生徒もいるという問題もございます。なかなかこの実態というのを把握するのは難しい状況もあるわけでございますけれども、文部科学省としては、先ほど先生からお話がございましたように、平成17年度から、外国人児童生徒で不就学の子どもたちに対して、その実態の把握と要因分析、あるいは就学支援の実践研究を行います不就学外国人児童生徒支援事業というものを実施をしているところでございます。
 これは17年度、18年度の2年間で今実施をしているわけでございますけれども、この地域指定を受けました地域におきましては、その外国人の方で義務教育年齢の段階の児童生徒のいる家庭を対象とした聞き取り調査を実施をし、どういうことで不就学に今なっているのか、同時に、学校教育に関連する情報や通知をその御家庭にお届けし就学案内をして、就学支援のための取組を行うといったようなことを今実施していただいているところでございます。
 今、17年度分の中間報告書を出してくださいということで指定された12地域にお願いをしているところでございますが、中間報告書がまた提出され次第、私どもとしても内容を更に詳しく整理をして分析をしていきたいと思っているところでございます。

 不就学の外国人の子どもは約2割

水岡 俊一・議員
 外国人児童生徒、特に小学校、中学校、義務教育段階の子どもたちが一体何人いるのかということについて、なかなか精査をすることは難しいという実態もあるというふうに思います。更に難しいのは、学校というところに行っているのか行っていないのか、これも調べるのは非常に難しいということは私もいろいろこれまでの経験の中で感じてきたところでありますが。
 そこで、今局長の方から7万5千人と6万9千人というお話が若干ございました。そういった意味でいくと約1割位かなというふうに見る向きもあるんですが、実はこの外国人の児童生徒の不就学問題については地方公共団体の方が非常に危機感を抱いている。特に長野県では、調査を実施されて推計の結果として出ておりますけれども、2005年で不就学、つまり学校に行っていない子どもたちが約2割いるんじゃないかと、こういうお話なんですね。
 各都道府県で調査をやられているんではないかというふうに思いますが、その辺り、文科省としては把握をしておられますか。お願いします。

銭谷・初等中等教育局長
 やっぱり外国人児童生徒の不就学という問題は非常に私どもも大きな課題だと思っております。
 これまで各地方自治体で実施をされました調査としては、例えば岐阜県の可児市、それから美濃加茂市、大垣市、それから静岡県の浜松市、群馬県の大泉町などで行われているというふうに承知をいたしております。
 それで、これ非常に難しいのは、外国人登録をしている方の数と実際の我が国の学校への就学者数の差という簡単な調査というのは、これはあると思うんですけれども、こういう市では実際にいろいろと聞き取り調査などもやっているところございまして、例えば一つ例を申し上げますと、群馬県の大泉町の場合でございますけれども、平成15年の調査では、子どもたちのうち、日本の学校に通っている子ども、公立学校に通っている子どもが約5割、それから私学とか、ブラジルの方が多いわけでございますが、ブラジル関係の学校に通っているような方が25%ぐらい、それから転出又は帰国をしてちょっと居所がよく分からない方というのもいらっしゃいましたし、それからいわゆる不就学ではないかというふうに見られる子どもも4%ぐらいいたといったような調査結果が出ているところでございます。

水岡 俊一・議員
 現在のところ全国的な調査が行われていないという状況があるわけですが、この問題については、2007年では今の段階でよく分からないと言っていられると思いますが、これ2010年を超え出すと分からない状態にある子どもたちが学校を卒業する年齢になるということで非常に人口も増えるということも予想される、非常に難しい問題を抱えることに僕はなってくると思うんですね。
 そういった意味では全国的な調査が非常に重要になってくるというふうに思いますが、実は総務省の方からこういうようなものが出ておりまして、外国人児童生徒等の教育に関する行政評価・監視結果報告書というのがございます。この中を少し読んでみますと、要は書いてある中の一つに、学校に在籍をしていない学齢相当な外国人子女は相当数になると見られると、こういうことが非常に明確に書いてあるんですね。
 これらについて、文科省としてはこの指摘をどのようにとらえられたのか、またこれから全国調査、こういったことについてどういうふうにお考えいただいているのか、これまでどうしてそれができなかったのか、こういった辺りについてちょっとお伺いをしたいと思うんですが、いかがでしょうか。

馳 浩・文部科学副大臣
 外国人のお子さん、児童生徒も日本人の児童生徒と同じように、学齢期になれば設置者である市町村の方に申入れをして学校に行かせるという形になる、これは当たり前のことでありますけれども、基本的には転出とか転入の把握が非常に十分できない状況にあるという実態がございました。そういったことからも、平成17年、18年度とこういった全国14地域で、外国人労働者が多いと言われている地域で実態調査を進めているということであります。
 そういうことも踏まえて、今後は法務省とか、実際には外国人労働者がいらっしゃるということを考えると、厚生労働省とも連携して、職場にそういう方が来られたら、あなたのお子さんで学齢期の児童生徒がいらっしゃったら、窓口はこうですから、どうぞ就学させるような手続を取っていただきたいと、こういうふうな案内、当然そうなると日本語で案内するというわけにいかないわけですから、それぞれの母国語に応じて案内ができるように推進していくのが、うまく連携を取りながら進めていくのが我が省としての務めであると考えております。

水岡 俊一・議員
 馳副大臣、全国調査については何かお考えございませんか。

銭谷・初等中等教育局長
 外国人の子どもの就学状況の全国調査というお尋ねでございますが、これまで外国人の多い地域を指定をして外国人児童生徒の就学状況や支援策について文部科学省としてはいろいろ調査研究事業を行ってきたところでございます。
 全体的な把握につきましては、転出等の状況の把握が困難であるといったようなことから、これまで全国的な把握という意味では行われていない状況にございました。そこで、先ほどから申し上げております17年度から実施をしております不就学外国人児童生徒支援事業、これらを通じまして、不就学の要因分析や個々の事情に即した就学支援の在り方について今実践研究を行っているところでございます。
 こういった成果も踏まえながら、また副大臣の方からお話がございました関係省庁との連携も深めながら、外国人児童生徒の就学の状況をどう把握をし、またどう就学の機会を確保していくのか、この点について私ども更に検討を進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。

 外国人の子どもも日本人と同様のサービスを

水岡 俊一・議員
 大臣それから副大臣ともに、外国人の児童生徒であっても日本の義務教育を受けさせるべきだと、こういうお考えをいただいて非常に安心をしているところですが、現実的には、日本の国籍がある子どもと日本の国籍がない子どもの間に大きな違いが出ているということが懸念される点ですね。
 今、副大臣のお話もありましたように、厚生労働省も非常にこの件については関心を持っていただいているというふうに思うんですね。特に、厚生労働科学研究として平成16年3月に多民族文化社会における母子の健康に関する研究、こういうようなものも厚生労働省から出ております。
 こういった中で何が書いてあるかというと、少し見ますと、人の国際化社会が到来し、他民族及び多文化共生社会と考えるべき時期が来ている、今後我が国を支える在日外国人の数は増え、彼らの生活の質の向上が我が国の繁栄にもつながると考えられると、こういうふうにしっかりと述べられているわけですが、そこで、厚生労働省の方においでをいただいておりますので、こういう多民族文化社会あるいは多文化共生社会、こういったことを迎えている中で、厚生労働省として外国人の子どもたちに対するいろんな対策についてお考えがございましたら、お聞かせをいただきたいと思います。

白石 順一・厚生労働大臣官房審議官
 お尋ねの厚生科学研究等々も参考にいたしまして厚生労働省ではいろいろ対応を取っておるところでございますが、児童福祉法では、すべての児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならないという規定がございまして、こうした観点から、我が国の子どもの福祉サービスにつきましては、法律に基づき入国をいたしました外国人の子どもさんは日本人と同様のサービスを受けるということができるようになっております。例えば保育所の入所であるとか、あるいはいろいろな児童福祉施設ございますが、児童福祉施設の最低基準におきましては、入所している者の国籍、信条、社会的身分又は入所に要する費用の負担の有無によって差別的取扱いをしてはならないということになっておりまして、その形で対応をさせていただいております。

水岡 俊一・議員
 ありがとうございました。厚生労働省としては国籍のあるなしにかかわらず差別はしないと、こういう考え方をいただいているというふうに私も理解をさせていただきたいと思います。
 そこで、話戻りまして、それでは、外国人児童生徒が実際に学校に行くことになる時、どういう手続が行われるかということが一つ問題になってくると思うんですね。要は、日本国籍がある人たちは住民基本台帳というものがありますから、その住民基本台帳に基づいて就学通知が参ります。そして、外国人児童生徒の場合は就学案内というのが行くと、こういったことはよく知られていることでありますが、その就学案内というのはずっと昔からあったかというと、実はそうではないんですね。1980年代以前はそういった就学案内もなかったというのが現実だというふうに私はとらえていますが、その辺り、戦後の通知、通達の中でこういったことについてどのような取扱いをしてきたのか、またなぜそのようになってきたのかということについて大臣の方からお聞かせをいただいたら有り難いと思うんですが。

銭谷・初等中等教育局長
 経緯でございますので、私の方から御説明させていただきたいと存じます。
 日本に外国人登録をされている外国人の子どもさんでいわゆる学齢期に達した子どもにつきましては、現在就学案内の送付というものを行っております。
 これは、先生お話しのように、1991年の日韓外相覚書交換に伴う教育通知に基づきまして、在日韓国人の方はもとより、それ以外の外国人の方にも就学案内というものを出すということになったわけでございます。それ以前は、まあ一部の市町村において就学案内を発給していたというようなことはあったようでございますけれども、全員の方にこの案内を出すというのは比較的、この1991年以降の話であるというふうに思っております。
 これは、公立の義務教育諸学校への入学年齢に達した外国人の児童生徒がその機会を逸することがないように、保護者に対しまして入学に関する事項を記載した案内を発給するということでございまして、私どもといたしましては、市町村教育委員会におきまして適切に就学案内が発給されるように今指導しているところでございます。
 また、そのために必要な各国語と日本語を対比いたしました就学ガイドブックというものを文部科学省としても作成をして、各教育委員会の方に送付をしているところでございます。今、これは7ヵ国語、7つの国の言葉ですね、ポルトガル語とか中国語とか、そういう就学ガイドブックを文部省としては作って各市町村に送っているという状況でございます。

 外国人登録証明書の提示はやめるべき

水岡 俊一・議員
 今お話をいただいた日韓外相覚書交換、これを機に在日韓国・朝鮮人の方々にも非常にきちっとした形で案内が行くようになったということでとらえておりますが、それ以前についてはやはり、資料をひもときますと、やはり文科省から、当時文部省からの通知、通達の中にはかなり差別的な扱いが記されているということが読んで取れるというふうに思うわけですね。
 例えば、1953年、昭和28年の4月11日に非合法居住外国人の就学防止についてというような通知が出ておりまして、非常に厳しい言い方をしているんですね。
 その中で問題になっているのは、少し紹介をしますが、外国人の入学を許可する場合、学校当局等において本人の所持する外国人登録証明書の閲覧を条件とすることは、当該外国人の国籍、居住等を証明する最も重要な憑拠(ひょうきょ)であることから、何ら支障がないものと思料しますと、こういうふうに書いてありまして、つまりどういうことを言っているかというと、就学手続をするときに外国人登録証明書を見せなさいという手続を行っているわけですね。これは、法律に基づくとそんなことはできないよということがあるから、市町村教育委員会からこれはどうしたらいいんですかという問い合わせがあった。その答えが、実際、決まり上はできないんだけれども、学校としては入学を許可するか、許可しないかという権限を持っている側だから何ら問題ないじゃないか、要するに見せろと言えばいいじゃないかと、こういうような取扱いがされたという過去の経緯が私はあるんだというふうに思うんですね。
 ここで問題なのは、もう一回確認をしてみたいんですが、外国人登録法の第13条2項は証明書の提示を求めることができる権限を入国審査官あるいは警察官、海上保安庁職員その他法務省令で定める公務員に限っている、こういうのが正しい理解だというふうに思いますが、これについて法務省からちょっとお答えをいただきたいんですが、教育委員会の事務局の職員はこういった権限を持っているんでしょうか。お願いをいたします。

稲見 敏夫・総務大臣官房審議官
 お答えいたします。
 登録証明書の提示を求めることができる職員につきましては、外国人登録法は、委員御指摘のとおり、入国審査官、入国警備官、警察官、海上保安官、法務省令で定める国又は地方公共団体の職員と規定しております。これを受けまして、省令でございます外国人登録法施行規則で、外国人登録事務に従事する職員、麻薬取締官、公安調査官、公共職業安定所の職員と規定しております。このように、登録証明書の提示を要求できる者につきましては法令上限定列挙さしていただいておりますので、委員御質問の教育委員会の職員につきましてはこれに含まれておりません。

水岡 俊一・議員
 ありがとうございます。明確なお答えをいただきました。
 そこで、文科省にお尋ねをしたいんですが、子どもたちが学校に入学をしたいという手続をするときに、教育委員会が許可をするという立場ですね。教育委員会は許可をするという立場の中において、一定の要件を満たす場合に許可をするというふうにとらえていいと思うんですね。じゃ、この一定の要件というのはどういうことなんでしょうか。お願いをいたします。

銭谷・初等中等教育局長
 例えば、その町に転入をしてまいりました外国人の方が自分の子どもを小学校に入れたいということで教育委員会の方に来るわけでございますけれども、そのときに、一定の要件というのもちょっときつい言い方かもしれませんけれども、あなたここの町にお住まいになっていますかというのを普通に聞くことになると思うんですね。それから、どちらの国の方ですかといったようなことで、入学を希望する子どもの保護者である方の国籍や住所といいましょうか居住といいましょうか、そういうものが確認をするということが、通常、要件というふうに考えられるのかなというふうに思っております。

水岡 俊一・議員
 先ほど私述べましたように、かつて差別的な扱いがあったということを申し上げたところでありますが、今、一定の要件の中で、明確に申し上げると、外国人登録証明書の提示を求めているかどうか、この件についてはどうでしょう。

銭谷・初等中等教育局長
 外国人の方が、自分はここに住んでいる何々国の者であるということで、自ら外国人登録証を提示して、それを教育委員会の方が見てなるほどというようなことは、それは当然あることだと思っております。
 ただ、先ほど申し上げましたように、外国人児童生徒の就学につきましては、当該外国人の児童生徒が就学を希望した場合は、日本人の児童生徒と同様に市町村がその区域内にある学齢児童を就学させるということになっているわけでございますから、当該外国人の国籍、居住等の確認が取れればそれは入学を認めることが可能でございますので、外国人登録証の提示ということがない場合、他の方法において確認をするということができれば外国人児童生徒の入学を認めることは可能であるというふうに考えております。

水岡 俊一・議員
 非常に慎重におっしゃっていただいたんではないかというふうに私は思いますが、要は、法務省からのお答えもあったとおり、教育委員会事務局にはそういった権限は一切ないというのが実情でありますから、自らの提示というような言い方がありましたけれども、やはりこの線はしっかりと引いていかなきゃいけないと思うんですね。ですから、就学手続に外国人登録証明書の提示を求めるということはしてはならないというふうに是非おっしゃっていただきたい、こういうふうに思うわけですが。
 そこで、一つ、私なりの思いを申し上げると、なぜ私がここにこだわるか。先ほど、外国人の登録が正確ではない、人数把握が正確ではない、その理由は転居であるとか不明であるとかいろいろある。もっと言えば、不法滞在者がいるわけですね。不法就労者がいるわけです。非常にたくさんになっているというふうに皆さんももう御理解いただけるんではないかと思うんですね。
 だから、子どもの学校の手続のために外国人登録証明書を出しなさいと言われたら、不法滞在をしている親は行きませんよね。絶対行きません、これは。公務員の通報義務がありますから、そこで通報されたら、不法滞在者として逮捕されて本国送還になってしまう。そういった部分が現実的にあるわけですよね。だから、子どもたちが、学校に行きたくても行けない子どもたちがどんどんどんどん増えてくるんですよ。それが不就学問題としてこれから大きく、大きくとらえなきゃいけない問題となってくると私は理解をしているんですが、その辺りを、大臣、お考えをいただきたいと思いますが。

馳・文部科学副大臣
 極めてセンシティブな課題だと私、思っています。
 まず、この通知の問題に関しましては、ちょっと検討させていただきます、表現ぶりも含めましてですね。これは検討すべきものであるというふうな認識は持っております。
 それから、やはり、ところが不法滞在者、入国者、これは法務省の方でしっかりと管理をしていただくというのが前提になってくるのですが、基本的にはそのお子さん方の就学ということに関しましては、これは外国人登録証明書の閲覧、これは条件というふうな書き方になっておりましたけれども、これは、先ほども政府委員として申しましたけれども、公共料金入金証明書などのそういったものでできるようにすべきではないかというふうな認識は持っております。
 ただ、それと不法滞在者のお子さんが就学できないという問題はちょっと混同されているような私も気がしますので、これこそ、これこそ法務省と厚生労働省と我々文部科学省で十分な検討をして対応しなければいけない課題であるというふうに、そういう認識を持って臨みたいと思います。

 ソーシャルワーカー、母国語のわかる教員配置

水岡 俊一・議員
 確かに不法滞在という問題は重要な問題でありますから、それに目をつぶってどうこうしろということでは私はないんです。ただ、子どもには責任がないんですね。子どもには責任がない。その子どもたちが、これからの成長を見守る中で、是非学校に行かせてやってやりたい、こういうふうに皆さんも思っていただけるんではないかと、こういうふうに思うんですね。
 ですから、各国際条約あるいは子どもの権利条約から見ても、子どもの教育を受ける権利を是非とも認めていく、保障していくということの観点でこれからの取組を是非お願いをしたいと、こういうふうに思っております。
 さて、時間もございませんが、実際にじゃ学校に行った、学校が子どもたちを受け入れた、これは大変な状況に陥るんです。私も学校で教員をしていた経験もありますので、そういった意味からすると、ある日突然ですよ、ある日突然自分のクラスに2名ないし3名の自分の全く知らない言語を話す子どもたちがやってくる。突然やってくるんですよ。そうすると教員は全くお手上げ状態。どうしてかというと、トイレはどこだとか、時間割がこうなっているよとか、あるいは下校はどうしてするんだとか、そういったことを説明する手段が何もないんですよね。これ幾ら日本語でやっても通じないんですよ。そして、困ったことに、その親と連絡を取ろうとしても、親も日本語ができないという実態もあるわけですね。
 こういった中でどういうふうに対処するのか。それはもちろん十分なる人員の配置をお願いしたいと、こういうふうに思うんですが、まずは教育委員会と、あるいは学校にソーシャルケースワーカーというような形で配置をいただくということは一つの大きなアイデアではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

有村 治子・文部科学大臣政務官
 現場の経験に裏打ちされた御質問、敬意を持って拝聴いたしました。
 御質問にありましたスクールソーシャルワーカーの機能は、おおむね各人が尊重されて持てる力を十分に発揮することができるよう支援する役割を担ったものというふうに理解しております。外国人児童生徒については、日本社会や日本の学校への円滑な適応を図る観点から、学校生活や学習面での指導において特段の配慮が必要だと私も感じます。
 このため、文部科学省では、平成18年予算案について、母語の分かる指導協力者やコーディネーター、専門的なコーディネーターを配置するモデル事業の予算を計上しております。このモデル事業においてその効果性を検証することとしております母語の分かる指導協力者やコーディネーターが、正に水岡先生のおっしゃった外国人児童生徒に対するスクールソーシャルワーカーのような機能を担っていただけるものと把握しております。

水岡 俊一・議員
 ありがとうございます。
 母国語が理解できる教員配置というのは非常に早急に求められている課題だと思うんです。
 2003年5月、千葉県のある小学校で5年生の女の子が校舎から落ちて大けがをしました。これは、この5年生の子どもの親がほとんど日本語を理解できないという状況下にあって、担任が提出物のことを要求をしたと、ところがやっぱり親も理解できない、で、子どもは持っていけない、そういった中で非常にもう悩んでしまって飛び降りてしまったというようなことでないかと私は思うわけですね。
 こういったことについて、各地方公共団体は厳しい状況の中でいろいろ頭をひねっています。例えば神戸市なんかでは、18言語、180人を超えるボランティアの方々を登録したりして、突然やってきた子どもたちに対応する施策を一生懸命やっています。そういったことを全国的に是非とも展開ができるような御配慮を文科省にはお願いをしたいというふうに思うんですが、最後に大臣に是非お答えをいただきたいと思っております。
 外国人の子どもをめぐる不就学問題は、これは就学の要件をどうするのかというそういう問題から、やはり子どもの教育を受ける権利を保障するという論点から少し視点を変えて取組を新たに展開をしていくと、こういうことが必要だというふうに思うんですが、大臣のお考えをいただきたいと思います。

小坂・文部科学大臣
 委員御指摘のように、外国人の子弟でありましても、国際人権規約、そしてまた児童の権利に関する条約等を踏まえまして、日本人と同一の教育を受ける機会を保障すべきだと、こう考えております。
 総括的に申し上げますと、外国人児童生徒が公立の義務教育諸学校へ就学を希望する場合には、これらの条約、規約を踏まえて、無償で受け入れ、そして就学の機会を保障するということにしておりますけれども、一方、憲法及び教育基本法は、国民はその保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負うというふうに規定しておることから、義務教育を受けさせる義務は我が国の国籍を有する者に課せられていると考えるべきでございます。したがって、学校教育法に基づく保護者の就学義務は外国人には基本的には及ばないと解されております。これは、我が国における義務教育が一人一人の人格形成とともに国家社会の形成者の育成という役割を担うものであるために、外国人に対して日本人と同様の就学を義務付けることは適当ではないと考えられているからでございます。
 しかしながら、今御指摘がありましたように、また先ほど最初に申し上げましたように、日本人と同一の機会を保障するということが非常に重要だと考えておりますので、私ども文部科学省としても、就学の機会を、先ほど御指摘のありました外人登録等の登録証の提示を求めるという単一的な方法でなく、それが居住しているということが証明されれば積極的に受け入れるような、そういう指導も行ってきているところでございます。
 また同時に、この権利が行使できるように、就学ガイドブック、先ほど局長の方から説明しましたように、7種類の言語で作成をいたしておりますが、その他マイノリティーの皆さんに対しての言語も対応できるように市町村の努力もまたお願いをするということも考えますし、また不就学の外国人児童生徒の支援事業ということに対しても、今後とも充実を図ってまいりたいと考えております。

水岡 俊一・議員
 大臣、ドイツ、フランス、アメリカ、先進国どの国も国籍のあるなしにかかわらず子どもの学習を受ける権利を保障しておりますので、是非とも日本もこれからそういった方向で積極的に取り組んでいただきたい。お願いいたします。


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