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2005年8月4日 第162回国会 郵政民営化に関する特別委員会
「郵政民営化法案」等

国民の立場から理解できない郵政民営化法案

参議院議員 水岡 俊一 

水岡 俊一・参議院議員
 国民のための郵政民営化と、こう言われてきておりますが、私たちはどうしても理解できないことが多いわけでございます。連日のこの委員会の質疑を通しても、この間、理解が深まるどころか、誇大広告に見られるように、ごまかし法案ではないか、極めてずさんな法案ではないか、こういうことを痛切に感じるところであります。一方、この郵政民営化について国民の立場に立って考えてみると、理解できないということもさることながら、不安でたまらないということも多いと私は思っております。私は、国民の不安という観点から質問をさせていただきたいと思います。
 私は兵庫県の出身でございます。1995年1月の17日、阪神・淡路大震災を私は神戸で経験をいたしました。あの日あの時、誰もが、悪夢だと信じたい、しかし、目の前の現実に愕然とし、普通の生活が取り戻せるのは、取り戻せる日が永遠に来ないのではないか、という深い谷底に突き落とされたも同然でありました。そんな私たちを救ってくれたのは、消防隊であり、自衛隊であり、そして郵便局員であり、ボランティアであったわけでございます。

 被災地復興への原動力に

 阪神・淡路大震災、それから新潟県中越大震災などを始め、大規模な災害が起こったとき、これまで郵便局の方々が本当に大変な御苦労をされながら献身的に業務に当たられました。それはもう業務の域を超え、被災者にとっては、手紙、荷物ということだけではなくて、勇気、希望、そういったものを手渡すことによって、精神的な面で大きな、大きな支えとなり、被災地復興への原動力となったことは、皆さんもう御承知のとおりであります。
 そこで、竹中大臣、大臣はこういったことをどのようにとらえておられるのか、まずお伺いをしたいと思います。

竹中 平蔵・郵政民営化担当大臣
 あの阪神・淡路大震災、私も芦屋市に住んでいたことがございまして、当時の友人の家が倒壊したりとか、大変、やはり身近にその時の被害を感じたものでございます。
 この時、さらには昨年10月に発生したあの新潟県の中越地震を始めとしまして、大規模災害の際には、これは郵便局舎や設備が被害を受けると。また、通信交通網の寸断等によって要員の確保も、これは郵便、郵政自体容易ではないわけでございますけれども、そういう状況下で郵便局の職員が多大な努力をされて、そして郵便、郵貯、簡保という国民の生活に密着したサービスをできる限り維持しようと、そういう努力を図られた、そして被災者の救援にもう大変大きな役割を果たすことができたというふうに、これもう承知をしているところでございます。
 特に、この郵便というのは基礎的な通信手段でありますから、瓦礫(がれき)の山の中で、被災者の方々にとって正に勇気と希望を与える大事な手紙を懸命に配達するという職員の姿を見た被災者の方々から感謝の声が多数寄せられたということも私聞いております。
 このような被害時におけるこれまでの公社の取組というのは、その意味では、もう社会も評価しているし、私も評価をしておりますし、郵政事業が地域に密着したサービスとして国民から高い評価を受けているわけですけれども、その大きな理由の一つになっていると思っております。民営化後もこのような取組が引き続き確保されるということが非常に重要であるというふうに思っております。

水岡 俊一・議員
 そもそも、この郵便局の方々を動かしたものは一体何だったんだろうと私なりに振り返ってみますと、これは大きく二つの要因があると思うわけです。
 一つは、郵便に携わる者としての使命感、地域に溶け込んでいる郵便局員としての人びととの結び付き、公務員として国民のために力を尽くしたいという公務員魂あるいはプライド、そういった精神的なものが大きいと私は思うわけです。
 もう一つは、法制度によって災害時に郵政公社が組織として災害応急対策を総合的かつ計画的に推進することが定められているからだと言えるわけです。このたび民営化が図られるという中で国民は、漠然としてではありますが、大きな不安を持っているわけであります。
 郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案第72条を見ますと、こう書いてあります。第72条、「災害対策基本法の一部を次のように改正する。」、「第2条第5号中、『日本郵政公社』を削る。」と書いてあります。これはどういう意味なんでしょうか。このことについて、竹中大臣、説明をお願いしたいと思います。

竹中・郵政民営化担当大臣
 使命感に加えて、法律の枠組みが重要であると。その法律の枠組み、具体的に何かということになると、これは正に委員御指摘のように、災害対策基本法というのがございます。現行の災害対策基本法の第2条第5号におきまして「指定公共機関」というのがございます。これは、指定公共機関というのは、公共機関及び電気、ガス、輸送、通信その他の公益的事業を営む法人で、内閣総理大臣が指定するものというふうにされているところでございます。そして、日本郵政公社は、日銀、日本赤十字、NHK等と並びまして、この公共的機関の一つとして法律上例示、法律上例として示されておりまして、指定公共機関に指定をされております。
 民営化に伴いまして、郵政公社の業務は株式会社である各民営化会社等に承継されますことから、公共的機関として法律上例示をされていた、例えば国鉄なんかもそうだったわけですね。国鉄なんかも例示をされていたわけですが、それが民営化後削減されたのと同じように、日本郵政公社を法律上の例示から削除するということにしたものでございます。
 なお、民営化後の各社が、指定公共機関として指定されるかどうかについては、今後郵政、政府の内部において検討していくということになりますが、日本郵政公社が災害時に果たしてきた役割が引き続き確保できるような方向で取り組んでまいるつもりでおります。

水岡 俊一・議員
 ということは、この災害対策基本法のこの削除は、削除する前と削除後はほぼ変わらないという意味なんでしょうか、大臣。

竹中・郵政民営化担当大臣
 先ほど申し上げましたように、私たちの基本的な考えというのは、この日本郵政公社が果たしてきたような役割が引き続きやはり果たしていってもらうこと、果たされていくことが必要であろうと、基本的にもうしっかりとしたそういう考えを持っております。
 その前に民営化されて分割されますから、その四つについて、どのような範囲で、どのような扱いをするかということについて、しっかりとこれから政府内で検討をしなければいけないというふうに思っているわけでございますけれども、例えば、これは分かりやすい例として、郵便事業会社については、引き続き郵便のユニバーサルサービス提供義務が課されますので、これで、まあ物流事業者であります日本通運株式会社が指定公共機関に指定されております。これ、日本通運は民間会社で指定されておりますので、そういう点にかんがみれば、これは指定公共機関に指定されることになるというふうに考えております。

水岡 俊一・議員
 いや、改めて内閣総理大臣が指名をすると、指定をするということで変わらないんだというような御趣旨かと思うんですが、実際のところ、今例示のありました日本通運株式会社と同等になるという意味ではまたないんだろうというふうに思うわけですね。
 同等になるんですか、大臣。

竹中・郵政民営化担当大臣
 これは、今申し上げたのは、郵便については非常に分かりやすい例として申し上げたんですけれども、郵便はユニバーサルサービスの義務が果たされる、果たされなければいけませんので、これは一方で、例えば物流事業であります日本通運株式会社が公共機関に指定されていることにかんがみれば、この郵便事業会社は指定公共機関等に指定されることになるというふうに思います。
 これ、四分社化されていろんな法律との関係が出てまいりますので、それを全体について、四社全体についてどのようにしていくのが一番よいか、しかし方向は郵政が果たしてきたそういう役割をしっかり果たすようにするという枠組みの中で具体的にどのようにしていったらよいかというのは、政府の中でこれからしっかり話し合っていきたいというふうに思っております。

水岡 俊一・議員
 いや、でも、それは大きな問題じゃないですか。災害時にどのように対応していくのか。これまでと大きく変わらない形で災害対策にかかわっていただきたいと、こういうことがあるんであれば、それは法律としてきちっと担保しなきゃいけない内容じゃないかと私は思うんですがね。
 特に日本郵政公社は、今私の手元にこういうふうなペーパーで、日本郵政公社防災業務計画という計画書で、非常にたくさんの内容を事細かに計画が示されています。これは、いうならば災害対策基本法、それから大規模地震対策特別措置法、東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法により定められたと、こういうふうにしたものですね。今回、これを、災害対策基本法の改正によってこれが一切飛んでしまうことになりますね、この根拠が。
 そういったことで、今のようなお話で、変わらないということをおっしゃるのは私には理解できないですが、その点、大臣、どうですか。

竹中・郵政民営化担当大臣
 今お尋ねになったのは、防災業務計画ですか。

水岡 俊一・議員
 はい。

竹中・郵政民営化担当大臣
 防災業務計画ですね。
 これ、今委員もおっしゃったと思いますけれども、指定公共機関はこの防災業務計画を策定すべきであるという旨が定められているところでございます。これによって、現在、同法の規定、指定公共機関である日本郵政公社はその日本郵政公社としての防災業務計画を定めているわけでございます。この計画、御指摘のとおり、やっぱり大変大事だと思います。災害時における郵便物の送達の確保等の公社業務の運営に万全を期すこと、そういうこととか、災害時における災害特別事務の取扱い及び援護対策を迅速かつ的確に実施することと、正に万全を期すためにそういうものが定められているわけでございます。
 民営化後の各会社が指定公共機関として指定をどのようにされるかという、されるかどうかについては、先ほど言いましたように、まあ郵便事業会社は分かりやすいですね。郵便事業会社については、これは検討される方向で、これはもう考えられるというふうに私は思っておるんですけれども、これはしかし、民営化後の各会社も、承継する業務の性格に、性質に応じまして、災害時において様ざまな役割を果たすことになるというふうに考えられます。したがって、各社においては必要な事項について計画を策定するなどの対応が行われることになるというふうに考えているところでございます。

水岡 俊一・議員
 郵便事業株式会社、郵便局株式会社、郵便貯金銀行、郵便保険会社、この四つの形態の中で今ある日本郵政公社防災業務計画を幾ら書き直しても、根本的に違う問題だと私は思うんですね。
 ですから、今、単なる例示から外れたというだけで、後で指定をすれば変わりはないんだというお答えかと思いますが、実際には指定公共機関の一覧の中の民間会社と私は同レベルではないんだというふうに思っています。少なくとも先ほど大臣がおっしゃった評価、この災害時における郵便局の皆さんのその努力に対する評価と今のこのお答えとは必ずしも一致しないと私は思いますが、いかがですか。

竹中・郵政民営化担当大臣
 是非委員にちょっと御理解賜りたいのは、我々は、これが郵政公社から民間会社になると、そこで公共的な今まで役割を果たしてきました、それが民間会社になることによってもうそういう義務から解放されるようになると、そういうふうには私たちはもう断じてしないつもりなんです。
 だから、これは郵便事業会社に対しては指定公共機関に指定されることになるということを明確に申し上げておるわけですが、ほかの問題について政府内部でちょっと話合いをして明確にしなければいけないのは、例えばこれ、郵便局会社というのはいずれにしても郵便窓口業務等を郵便事業会社等の委託を受けて行うことになるわけでございますから、これは指定公共機関に指定されるかどうかにかかわらず、郵便事業会社等との委託契約に災害時の対応が規定されることになりますから、災害時においても郵便局において郵便窓口業務等が適切に行われることになるわけです。そういう点をどのように考えるかと。それはやっぱりきちっと問題点をクリアしていきたいというふうに思っているんです。
 郵便貯金と郵便保険ですね。郵便貯金と郵便保険、ちなみに民間の銀行と民間の生命保険会社については指定公共機関、公共機関に指定されているものはないんですが、しかし、別の枠組みがあるわけです。これは災害対策基本法の第9条におきまして、政府は、災害対策基本法により、その目的を達成するために必要な金融上の措置等を講じなければならないということ、これは同法の第9条の第1項に書かれています。それに基づき、政府は、災害発生の際、銀行に対しては災害関係の融資に関する措置、預金の払戻し及び中途解約に関する措置等を、また保険会社に対しては保険金の支払及び保険料の払込猶予に関する措置等をそれぞれ要請することとされている。これは、金融庁の事務ガイドラインに示されております。
 郵便貯金銀行、郵便保険会社がどのような扱いになろうとも、災害時においてはこの別の法律の枠組みがあるわけでございますので、これで適切になされる。
 私が申し上げましたのは、引き続きしっかりと役割を担っていただくんだけれども、ほかの法律との関係がありますので、そこをしっかりと整理をして、引き続き国民から期待されている災害時の重要な役割をしっかりと果たしていくようにすると、そのように申し上げているわけでございます。

 四分社化は無理があり、現実的でない

水岡 俊一・議員
 大臣、お言葉でありますが、去る6月の28日に衆議院の郵政特の公聴会が開かれておりまして、この中で郵便局の現職の職員の方の意見が述べられています。
 それをちょっと読みますと、今回の震災による経験から、地域の人に愛され親しまれる郵便局、地域の役に立つ郵便局としてこれからも公社の中でより発展させることが大切と感じました。民営化されれば会社の経営判断に任され、利潤追求は避けられず、今回のような地域に対するサービス提供はできないと思います。郵便局は地域の中の中心です。三事業一体だからこそ今回の災害に対し対応できたのです。田舎には2人局、3人局が多く、1人が三つの仕事をする中で効率性を保っています。したがって、四分社化はまず無理があり、現実的ではありません。こういうふうに述べられています。
 今後の対応として図る、図らないという話は幾らやっても押し問答だと思いますが、一つ言えることは、それらを想定してきちっと法律で担保をするという準備が整っていなかったということはお認めになりますか。

竹中・郵政民営化担当大臣
 今回のポイントは、他の国鉄等々の例にならって例示から落としたということなんです。例示から落とさせていただきましたけれども、指定公共機関というのは、これは別途指定をするわけでありますので、この指定公共機関に指定するに当たっては、先ほど言いましたように、金融機関には金融機関の法律的な、金融機関はあれですよね、神戸の、淡路のときも民間の金融機関だって頑張られたわけですよ。日本通運だって頑張られたわけですよね。そういうほかの枠組みがありますからそれの調整はやらなきゃいけないと、そのための相談をするというふうに申し上げているわけなんです。
 これは、いずれにしても、例示からは落としましたけれども、実態的に国民の要請にこたえられるように政府全体としてやっていきますということを御答弁申し上げております。

水岡 俊一・議員
 民間の方も、金融機関にしろ、運送関係者にしろ本当に頑張られたというふうに私は思っています。
 しかし、先ほど、冒頭に大臣が述べられたように、郵便局の局員の方のその努力は、これはもう本当に想像の域を超えたというか、筆舌に尽くし難いほど多くの被災民の助けになった、こういうことでありますから、それを指定機関から、例示から外れただけだというふうにおっしゃるのは私はいかがかというふうに思うわけです。
 見方を変えて聞いてみたいと思います。
 大臣はいつも、改革とは更に良くなることですと、こういうふうにおっしゃる。郵政民営化は本当に国民のためになるんだと、こういうふうにおっしゃっている。しからば、今回のこの民営化によって、災害時における郵便各社の対応は少なからず起きるわけですが、どのような点で国民にとってプラスになると思われるのか、これを教えていただきたいと思います。

竹中・郵政民営化担当大臣
 民営化は広範なプラスがあると思いますが、委員のお尋ねは、災害時に限ってそれを例示せよというお尋ねで、これはなかなか難しいお尋ねではあると思います。
 公社は、災害発生時におきましては、これは企業の社会的貢献として、これは自らが有します経営資源を有効に活用して被災者の支援等の対応を行って、そして地域において高い評価を得てきたと、私も高く評価をしております。民営化後の各社につきましても、これは公社と同様に、災害発生時にはこの企業の社会的貢献としてその資源を有効に活用していくものと考えております。
 この場合に、官業であるがゆえの制約として業務範囲が限定されていたと、公社というのはそういう面もあるわけでございますけれども、民営化後の各社は、民営化に伴って獲得したその経営の自由度を生かしてより多様な企業活動を行うことが可能でございます。そして、その経営資源もより豊富になっている。経営資源が民営化によって豊富になるというのも、これはやっぱり私はメリットだと思います。したがって、民営化後の各社がその経営資源を活用して行う対応の幅も、これは公社に比べて広くなり得るわけでありまして、従来の郵便、貯金、保険の枠にとらわれないものとなる可能性を秘めているというふうに考えています。
 具体的な対応、災害対応にしましては、これはその業務の親和性等を踏まえて今後判断がなされていくことになりますけれども、郵便事業会社が今後展開すると想定される総合物流機能を生かした救援物資の供給でありますとか、災害ボランティア活動のあっせんなど、これは様ざまな可能性が考えられるというふうに思っております。

 できもしないことを、できるようにごまかすのではないか

水岡 俊一・議員
 いや、いろいろと今お話をいただきましたが、私、冒頭に申し上げたとおり、国民の不安という視点からお尋ねをしているわけですね。ですから、今のお答えをもしもあしたの新聞に書いていただいたとして、国民の皆さんがその不安をぬぐい去れることができるかと、やっぱり難しいんじゃないかなと。もう少しやはり簡単に、明確にこのことについてお答えをしていただきたいというふうに思っております。
 できもしないことをできるようにとごまかすんではないか、という批判が午前中からずっと続いておりますが、そういったことにならないようにきちっとした答弁をお願いしたいというふうに思っております。
 それでは、ちょっと次の問題に行きたいというふうに思います。
 郵政公社の民営化を進めるに当たって、現場の職員、そして労働組合とどのような対応をされてきたのかという、この点についてお伺いをしたいと思いますが、竹中大臣は、一昨日、我が会派の山根議員の質問に、組合の幹部の方には一度大臣室においでをいただきまして、御議論をさせていただきましたと御答弁をされています。
 いつのことなんでしょう。そのときの様子、できれば教えていただきたいと思います。

竹中・郵政民営化担当大臣
 たしか、山根委員からは、地方に出掛けていってお話、話したことがあるのかと、組合の幹部と話したことがあるのかと、現場を見たことがあるのかと、そういうお尋ねをいただいたと思います。これは当然、現場を知ることも、また現場の方と話すことは、これは当然重要なことだと思います。
 昨年5月から6月にかけまして、まず、旭川市、名古屋市、さいたま市の三都市で行われました地方懇談会、これは現場の方にも御参加をいただいていますし、利用者の方にも御参加いただいています、そういう地方懇談会。それと、郵政民営化テレビキャラバンというのを行いましたが、それに合わせて、昨年12月に富山県、熊本県、静岡県において実施をしました意見交換会におきまして、地元の郵便局長さん、労働組合幹部の方々と意見交換を行ってきたところでございます。また……

水岡 俊一・議員
 大臣室。

竹中・郵政民営化担当大臣
 失礼、大臣室の件ですね。大臣室の件、まあその点はあるんですが、大臣室では昨年11月16日に、これはJPU(日本郵政公社労働組合)の菰田委員長、そして難波書記長及び全郵政の宮下委員長、山口書記長と、そして私の間で意見交換の機会を設けたところでございます。
 この意見交換会におきましては、まず組合側から「『郵政民営化の基本方針』に対する考え方」、基本方針、9月に出しておりますので、それを受けて約2ヵ月後ですか、11月の16日に、組合側としての「『郵政民営化の基本方針』に対する考え方」と題する資料は御提示いただきまして、そして5項目にわたる基本方針についての組合側の考え方について御説明を受けました。私からは、これに対する政府の考え方というのを、基本方針の中身を含めて御説明をさせていただいたところでございます。

水岡 俊一・議員
 私が聞いたことをちょっと述べたいというふうに思います。もし間違いがあったら訂正をしていただきたいと思いますが。
 昨年の9月に政府が郵政民営化の基本方針を閣議決定する前段から、再三にわたって組合側は会見を申し入れていた。にもかかわらず、ナシのつぶてだった、と私は聞いております。9月の10日にやむなく組合側が公開質問状を政府に提出したが、それに対する回答も出さなかった。その上で、組合の求めでようやく実現したのが今おっしゃった11月16日の竹中大臣と労働組合のトップ会談。ところが、会見はたったの30分弱、そこで、今後も更に話し合っていきましょうということで双方が確認をされた。組合側はその後、11月17日、翌日に文書で郵政民営化に対する意見書を提出し、政府側に丁寧な説明と話合いを求めたはずであります。しかしその後、大臣や民営化準備室からは回答どころか連絡もなかったということであります。
 竹中大臣、これは本当でしょうか。

竹中・郵政民営化担当大臣
 これは、それ以前の11月16日に至る経緯のことについては、これは両組合と会見を行った際に私から両委員長に御説明申し上げたんでございますが、昨年の8月30日に両組合から私に対し会見の申入れがあったということは、これは、私自身は承知をちょっとしておりませんでした。その当時はいろいろごたごたしていたということだと思うんですが、私と事務方との間の連絡がうまくいかなかった面があったのではないかと。
 これは、いずれにしましても申入れを、きちんと申入れに対応できなかったことは誠に遺憾に思っております。そして、両組合と意見交換することの重要性は十分私は認識しておりましたので、その後、昨年11月16日にその機会を設けさせていただいたということでございます。
 そして次に、公開質問状の件でございますが、これは、失礼、昨年11月17日ですね、11月17日ですね。これは、JPU及び全郵政が小泉総理に郵政民営化に対する意見書を提出して、11月30日までに文書で回答するよう求めたというものだと思いますが、これは11月16日に組合側と私との意見交換会を実施し、実際にお会いして、これは率直な意見交換を行うことが重要であるということを改めて実感しまして、これは文書による回答ではなくて、組合側と郵政民営化準備室幹部との間で意見交換会を開催して、その中でこの郵政民営化に対する意見書についても回答したい旨、事務方から御提案していたわけでございますが、今日に至るまで組合側から回答は得られていないというふうに聞いております。

 郵政民営化に関する説明責任は政府にある

水岡 俊一・議員

 いや、最後のところ、ちょっと私も承服しかねるところですから、私も調べてみます。
 いずれにしても、大臣はその山根議員の質問に対してこうも答えられているんですね。まだまだもっともっとそういうことは機会を増やしたいというふうに思っておりますけれども、今までもそのような形で議論はさせていただいておりますと、こうおっしゃる。今のお話とは合いませんね。
 やはり、ともすれば、今のお話で言えば、組合からの会見申入れを知らなかったとおっしゃる。大臣としては、それは遺憾かも分かりません。しかし、それは準備室が知っていたわけでしょう。準備室がそれをわざと言わなかったのかどうか分かりませんが、そういったことの中で、今までもそのような形で議論をさせていただいておると大臣がおっしゃるには、ちょっと当たらないんじゃないか。あたかも政府として誠意と丁寧さを持って働く者との話合いをしてきたかのように振る舞うのは、私は間違いだというふうに思っております。
 今後のことについてちょっとお尋ねをしてみたいと思います。
 政府として、郵政事業の民営化、そして国家公務員の身分を外すということについて、きちんと労働組合に説明し、理解を求める努力をしてきたかと言えるか、これは大変疑問であると私は思います。郵政民営化に関する説明責任は政府にあるのではないか。確かに、職員との雇用契約は公社総裁との間にあるわけですが、国家公務員としての任用は国が行うものであって、政府が直接の責任を負うべきものであると私は考えますが、竹中大臣としてはいかがでしょうか。

竹中・郵政民営化担当大臣
 これは重ねて申し上げますが、時間的な制約が確かにございますから、不十分だという御指摘、おしかりを受けるかもしれませんが、地方に出掛けましたときにその場でいろんな懇談会を持たせていただいたり、それなりの努力はさせていただいているつもりでございます。
 しかし、今後更に、今委員、お尋ねは今後でございますから、今後更にそういう努力をしていかなければいけないというのはもう御指摘のとおりであろうと思います。実は生田総裁ともそういう話をしているんでございますけれども、我々配慮原則を掲げて、職員が安心して意欲的に働くことができるようしなければいけないと。そのための様ざまな措置を講じているつもりでございますけれども、今後に関しましては、今国会でこの関連法案、可決成立していただければ公社においても職員に対していろんな御説明をいただけるものと思っておりますし、私も総裁と御相談をしながら、必要に応じて私なりのいわゆる果たすべき役割、必要なときの御説明は、これは是非しなければいけないと思っておりますし、しっかりと果たさせていただくつもりでおります。

水岡 俊一・議員
 いや、ちょっとよく分からないですね。
 要は、私が聞いたのは、政府が直接の責任、説明責任を負うべきものであるかどうかをお尋ねしたんですが、大臣、もう一度お願いします。

竹中・郵政民営化担当大臣
 政府の役割、公社の役割、これは両方あるんだと思います。したがいまして、生田総裁とも御相談をしながら、政府として果たすべき役割、私が果たすべき役割については、これは当然しっかりと果たしてまいります。

水岡 俊一・議員
 それでは、生田総裁にお聞きをしたいと思います。
 郵政民営化にかかわる身分とかそれから雇用など労働関係については、これまでどのように組合側と話合いを行ってこられたのか、あるいは行ってこなかったのか。その説明責任は政府にあると私は考えていますが、総裁はどのように思っていらっしゃるか。今大臣は、公社にあるというようなお話も中にはありました。その点についてお答えをいただきたいと思います。

生田 正治・日本郵政公社総裁
 お答え申し上げます。
 実は、組合、とにかく職員を非常に大切に思っているんですが、それを代表するものとしてやっぱり組合が重要なんですね。これとうまくできなければ事業は発展しない。JPU、全郵政、二つあります。
 したがって、公社に入る前、半年前からいろいろ幹部と話し合いました。それで、非常に組合が経営を改善、良くするということに熱意があると、大変熱意がある、それで改革マインドもある。改革という意味は民営化という意味じゃないですよ。改革マインドがあるというのを私は肌で感じたので、2003年4月にスタートして、5月にパートナーシップ宣言というのをして、受けないかと、受けるというので郵政事業改革協議会というのをつくりまして、折に触れ、我々のレベルで話合いをしてきているのが現状であります。そういった場、あるいはそれをちょっと離れた非公式の場で、全く、組合は組合でこの民営化についてはしっかりした考え方、まあ反対ですけれども、早い話が、考え方がありますけれども、それはそれとしまして、ざっくばらんな意見の交換は現在してきております。
 それで、平成19年4月1日に民営化するとすれば、組合等を代表とする職員が自分の立場や帰属や労働条件、公務員問題、不安が一杯あるのは、私はもう本当によく分かる。それは当然だと心得ております。それで、だけれども、今のところはまだ分からないわけですから、それについて私はまだ説明責任を持って説明する立場にありませんから話もしていませんが、だけれども、もしそれが、話ができる状態になるんであれば、その内容を十分職員に、第一義的にはこういうふうに政府の方針として法律ができたよという、ボールでいえばボールのキックオフは、私は政府がしていただく立場じゃないかなと。キックしていただいた後走るのはプレーヤーだと思うので、それは、今度は、私は経営者としてしっかり役割分担をして、働く皆さんの不安を除く努力をすべきだと思っています。
 率直に言いますと、その具体的な細目は、法的には新経営陣、その母体となる企画準備会社がやることになっているんです。だから、私たちにはその資格がないんだけれども、そんなこと言っていたら時間が間に合いませんから、政府の御要請を受けたら、その身代わりとしまして、どこにどういうふうな配置になるか、労働条件等も含めまして、具体的にじっくり話し合いまして、みんなの不安を取り除いて、それで準備企画会社、日本郵政株式会社にスムーズにバトンタッチして、彼らが、それらがうまく話合いができるように最善を尽くしたいと思います。
 ただし、二度目も同じこと言って済みませんが、今は、組合は組合の立場で動いているわけですから、具体的に座ってどうしようという話合いをする環境には全くございませんから、今までのところは、ざっくばらんな単なる意見の交換は、これはまあ非公式として横に置きまして、具体的な公式の詰めはいたしておりません。また、いたすべきでもないだろうと、こう考えております。
 だけれども、いつも言いますように、事業は人なりで、職員がよく理解してくれて、将来展望と夢がなければ事業うまくいくはずがありませんから、不安を除いて、そういう状態になるように、もし法案が通るのであれば、後は最善の努力をしていこうと、こう考えております。


 労働組合の交渉相手はいったい誰なのか

水岡 俊一・議員
 生田総裁からのお話によると、キックオフの件については政府がやっていただくべきではないかというお話がありました。大臣からは、私の責任としてという部分は果たさなければいけないというふうにおっしゃったので、その形をもっと明確にしていただきたいと要望しながら、さらに具体的な話を一つ聞きたいと思います。
 仮に郵政民営化法案が可決をされた場合には、政府は政府として基本計画の策定など具体的な準備に入っていきますね。また、公社は公社として2004年4月の民営化に向けた移行準備に入ることになります。郵政民営化法によれば、法律施行の日から6ヵ月以内に設立される日本郵政株式会社との間で承継労働協約を締結するための交渉を行うことができるとされています。恐らく、仮に可決をされたとしても、考えられるのは2006年1月ごろではないかというふうに思いますが、それまでの間、労働組合の交渉相手は一体だれになるんでしょうか。このことについて、大臣、お答え願います。

竹中・郵政民営化担当大臣
 これは、要するに今のお尋ねは企画、準備企画会社としての日本郵政株式会社ができる前の話と、そういうことでございましょうか。

水岡 俊一・議員
 はい。

竹中・郵政民営化担当大臣
 これは、それまでの間には、むしろ政府として基本計画を作ったり、準備を進めていって承継計画を定めていただくことになる、準備をしていくことになるわけでございますけれども、基本的に、これは日本郵政株式会社が承継職員の労働条件を定めるに当たっては、これは配慮するということを定めている。その日本郵政株式会社ができてからそういう話がしたがって具体化するということになりますが、今の総裁の御答弁にもありましたように、その準備においては、生田総裁の下で準備をしっかりとやっていかれると、そのような御趣旨の今御説明が生田総裁からはあったかと思います。
 法律に書かれておりますこの主体というのは日本郵政株式会社でございますので、我々としてはその準備をあくまでもしっかりと進めていく。そして、この準備企画会社ができた段階でそのフルのいろんな交渉ができるように、その間は生田総裁、日本郵政公社においていろんな必要な、まあ水面下でのということになるんだと思いますが、御準備をいただくということになろうかと思います。

水岡 俊一・議員
 いや、これはですね、今、生田総裁の方で御準備をというお話がありましたが、これ、仮にの話ですから、仮定の話は私も嫌なんですが、可決をされたとして、じゃ、民営化に係る交渉はこの間生田総裁とすればいいんですか、その設立するまでは、大臣。

竹中・郵政民営化担当大臣
 交渉の主体は、先ほど言いましたように、日本郵政株式会社にあくまでもなるわけでございます。したがって、できるだけ早く日本郵政公社を設立するための準備を私たちが進めるということにあいなります。
 それまでについて、例えばいろんなことについて周知をして、いろんなお知らせをするとか、そういう準備的なことになるというふうに思うんでございますけれども、それについては先ほどの、その準備的なことは政府としてやるべきこともあるでしょうし、生田総裁の方においてしていただくこともある。これは、しかしあくまでも準備的な問題でございますので、あくまでも法律で定められたその交渉の主体、そして、これ配慮する義務を負っているのも日本郵政株式会社でございます。

水岡 俊一・議員
 いや、これは法律で、じゃ日本郵政株式会社が設立された後は、交渉相手はそこだと。じゃ、それまでの間は、交渉相手はないという、空白じゃないですか、これ。これはおかしな問題じゃないですか。これ、生田総裁、どういうふうにお考えになるか、ちょっとお考えを聞かせてください。

生田・日本郵政公社総裁
 事業が、何度も言いますけれども、うまくいくかどうかは人になります。で、その人がそういう気になって士気高く動いたときに事業がうまくいく。だから、法的なフレームワークは法的なフレームワークで、法的にちゃんと権限を持ってやるのは私も日本郵政株式会社ができて準備企画会社が動いたときだろうと思います。
 あとは多少表現の問題かも分かりません。竹中さん風の言い方もあると思うし、私はやはり、もし民営化するならば絶対に民営化会社じゃないといけないと確信していますから、そのために必要な役割分担は、それは政府から見れば極めて非公式なものかも分からないし、あるいは御要請が特段なければ余分なことかも分からないけれども、私の権限の範囲でスムーズな移行ができるための組合との話合いというものは最大の誠意を持って尽くしていきたいと考えております。

水岡 俊一・議員
 いや、生田総裁の誠意は、私は十分こう感じるところがあるんですけれども、これはやはり労働組合として、じゃ誰を対象として交渉するのかという、これはもう労働基準の、労働権の基本的なところだと私は思うんですね。そういった意味では大臣、これもう一度しっかりとお答えをいただきたいと思います。法律として空白をつくっているということに相なりませんか。

竹中・郵政民営化担当大臣
 いや、空白をつくるのではなくて、これは成立していただいたならば、我々すぐ準備に取り掛かるわけです。そのためには交渉の主体である日本郵政株式会社を設立しなければいけません。それに当たっては、基本計画、そして本部も立ち上がらなければいけません。そういう準備を順次やっていくわけです。
 そして、順次やって、できるだけ早く円滑な交渉をしていただけるような、まず土壌をつくるというのがこれは当面の仕事になるわけで、これも法律に書かれたステップどおりにしっかりとやっていくと、そのことを申し上げているわけでございます。

水岡 俊一・議員
 では、それでは、先ほど大臣がお答えになったとおり、これからもきちっと議論をしていきたい、それから政府としての責任、大臣としての責任もお感じになっているということですから、じゃこの空白の間は政府がその相手役となるというふうに私はなるんではないかというふうに思いますが、これは法的な担保があるのかないのかという問題もありますから、これについてまたこの後委員会の中で究明がされていっていただきたいと、こういうふうに思うわけです。
 そういうことを強く要望して、私の質問を終わりたいと思います。


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