ページタイトル
神戸事務所
〒650-0004 
神戸市中央区中山手通3-4-8
大東ビル8階
TEL:078-334-2355 FAX:078-334-2655
  東京事務所
〒100-8962
東京都千代田区永田町2-1-1 
参議院議員会館502号室
TEL:03-3508-8502 FAX:03-3591-0510
リンク

2005年5月12日 第162回国会 総務委員会
「特定電子メール送信の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案」

4月25、26日 JR福知山線列車事故現場を視察
広域災害、救急医療情報システムなどの整備を提起

参議院議員 水岡 俊一 

水岡 俊一・参議院議員
 去る4月25日に起きましたJR福知山線列車事故におきましては、107名の命が犠牲になり、460名の方が負傷されたわけであります。まずもって、御遺族の方々に心からお悔やみを申し上げ、負傷された方々の一日も早い回復をお祈り申し上げるところでございます。
 事故当日、私は午後4時過ぎに現場へ駆け付けましたが、余りの悲惨な状況に声が出ず、ただ茫然と立ちすくんでしまいました。あの原形をとどめないまでに破壊された車両の中から多くの方々が救助をされたということを聞くにつけ、消防の救急隊を始め警察、自衛隊、そして現場近くの多くの住民や仕事を止めて救出に当たっていただいた民間の方々の御協力に心から感謝を申し上げる次第であります。
 その救助の様子を聞かせていただきますと、事故直後から、尼崎市消防局を中心に近隣の消防局による救急隊の迅速な対応により、多くの方々が救助をされたということであります。尼崎市を含む阪神地域の消防局において結ばれていた阪神間消防応援協定により、極めて迅速、無駄のない連携が行われたと聞いておるところでございます。どのような内容の協定の下に各消防局が救助に当たったのか、消防庁にお伺いをしたいと思います。

東尾 正・消防庁次長
 阪神間消防応援協定でございますけれども、今回の発動は、発災直後の9時46分、西宮市、芦屋市などの消防本部に対し直ちに消防応援要請を求めました。
 この協定書は、尼崎市、西宮市など阪神間の7市1町村の地域において、災害が発生し又は発生するおそれがある場合に相互に協力するために締結しているものでございます。今回は第1条の特別応援を発動したと、聞いております。

水岡 俊一・議員
 阪神地域におけるそういった協定によって無駄のない連携を行っていただいたと、こういうことでありますが、この阪神地域を越えた広い範囲において多くの緊急消防援助隊が駆け付けたということも聞いております。その出動の経過、現地ではどのような指揮体制の下に活動をいただいたのか、その点についてお伺いをします。

東尾・消防庁次長
 直ちに阪神間応援協定に基づいて出動いたしましたが、その後、要救助者が多数存在する大事故であるということがすぐ分かりましたので、次に、兵庫県内の消防本部に対し、ただいま申し上げました7市1町村以外の地域の消防本部、とりわけ神戸市、姫路市などの大消防本部も入っているわけでございますが、9時50分、要請をしております。しかしながら、その後の実情が明らかになるにつれ、これは大惨事であるということが分かりましたので、10時40分、消防庁では県知事からの応援要請に基づきまして、大阪府、京都府、岡山県に対しまして県外からの緊急消防援助隊の出動要請を行いました。
 これらの消防部隊はいわゆる混成部隊となったわけでございますけれども、こちらにつきましては、尼崎市とこの当地エリアを所管します指揮支援隊である大阪市消防局との連携によりまして総合的な指揮体制を構築したと、こういうことでございます。

 広域的な協力体制

水岡 俊一・議員
 私も現地でいろいろなことについて調査をいたしましたが、そういった中で、事故が起こった尼崎市、非常に大変な事故であるということから、当の尼崎消防局は指揮命令をつかさどるという状態にはないということで、すぐさまこの阪神消防応援協定によって近隣の市による応援指揮体制が取られたと、聞いておるところです。
 これは阪神・淡路大震災の経験が生きた成果だと思いますけれども、こういった広域的な範囲で協力体制を取っていく、そして指揮命令系統も緊急の場合の体制がきちっと取れているというような状況は全国的にどのようになっているのか。

東尾・消防庁次長
 この相互応援協定でございますけれども、消防組織法の第21条に基づきまして、市町村は常に消防に関し必要に応じ相互に応援するよう努力義務を課しているところでございます。先生御指摘のとおり、阪神・淡路大震災など大災害を契機として、最近ではこの相互応援協定は大変活発に締結されているところでございます。
 締結状況でございますけれども、2004年4月1日現在で、同一都道府県内、つまり、阪神協定のような協定が2436、また都道府県域をまたがって市町村間で行っている協定が638となっておりまして、現在合計で3074でございます。
 これらの協定は、すべての都道府県において何らかの協定を持っている市町村があるということでございますが、消防庁といたしましては、今回の教訓を基に、まだ協定を結んでいない市町村等について、協定の締結について促進していきたいと考えております。

水岡 俊一・議員
 いかなる場合もそういった協力体制は、だれが言わなくても取っていただくことは当然のことでありますが、今回のように指揮命令系統がきちっと直後に立ち上げられたというところは非常に大きな成果ではなかったかというふうに思いますので、全国においての拡充を是非ともお願いをしたいと思うところであります。
 一方、負傷者の搬送先を調べてみますと、実に多くの病院が挙がっております。46ヵ所の病院に搬送されたと聞いておりますが、その搬送先につきましては、兵庫県の防災局、そして兵庫県災害医療センター等を中心とした県レベルの連絡調整機能が大変生きたというふうに感じました。
 広域災害・救急医療情報システムがネットワーク上に組まれていて、それが通常モードから緊急的に緊急搬送モードに切り替えられて即座に搬送可能な病院先が判明するといったネットワーク情報があるというふうに聞いておるところであります。そういった自治体レベルにも及んでいる連絡調整機能、この実態はどのようなものであるか、その点についてお尋ねをしたいと思います。

東尾・消防庁次長
 今回の負傷者の搬送の問題でございますけれども、通常の場合ですと、事故発生の覚知後、直ちに単独の消防局が対応するということでございまして、今回も最初は尼崎消防局が近隣の医療機関の収容可能人数を調べまして搬送したところでございます。しかし、当初の想定をはるかに上回る負傷者がいるのではないかという状況になりましたので、兵庫県が構築しております医療機関と消防を結ぶ広域災害・救急医療情報システム、これは県の方にホストコンピューターがございまして、県庁、医療機関、災害拠点病院、さらに搬送機関、消防機関などを瞬時にインターネットなども使いながら結ぶシステムでございます。緊急モードに切り替わりまして、これを活用し、多数の病院に適切に配分するといいますか、受入れ可能な医療機関の選定が行われたということでございます。
 また、これに加えまして、現場で医療従事者がトリアージ、つまり重傷者、軽傷者の区分をする行為でございますが、これらを的確に実施しましたので、システムの運用と併せましてどの病院にどのような患者を出せばいいかということがすぐ判定できたということで、総合的に見て迅速かつ円滑な救急活動が行われたと考えております。

 災害時相互応援協定

水岡 俊一・議員
 阪神・淡路大震災を経験した私にとっても、負傷者が一度に1つの病院に集中をするといった悲惨な状態は本当に避けなければいけない、可能な限り避けなければいけないと私は感じてきました。そういった意味では、この広域災害・救急医療情報システムというようなネットワークが今後も全国レベルで拡充をしていくことを強く望むところであります。各関係省庁のお力を是非ともお願いをしたいと思っております。
 ところで、大規模の事故や災害、さらにはテロということがこれから考えられるわけですが、そういったものに対応するため、都道府県レベルでの危機対応システムというのが必要になってくると私は感じていました。総務大臣は、こういった広域的な災害時相互応援協定のようなシステムの必要性をどのようにお感じになっているのか、お聞かせをいただきたい。

麻生 太郎・総務大臣
 これは組織として、いわゆる官の部分での対応について阪神・淡路大震災に学んでいろいろやったことは事実だと思いますが、民間の学んだ方が大きかったんじゃないか思います。
  例えば、日本スピンドルという会社は現場のすぐ近くにあった民間の会社ですけれども、直ちに工場の運転をストップし、いわゆる搬出等々の手は全部この会社からかしてもらった。栄運輸という小さな中小の運送業者は平ボディーの車、トラックを2台直ちに貸してくれて、救急車の絶対量が不足していますので、その平ボディーに乗っけて軽傷者は運んだ。
 また、大成中学校が、ヘリコプターによる搬出等々に校庭を開放して、敷地内に負傷者を寝かしておく等々しております。授業をやっておったわけですから、普通は、規則で認めないとか、教育委員会がどうたらとか言ったと思うのですが、校庭を直ちに全部開放してくれた。
 やっぱり阪神・淡路に学んだと私は好意的に解釈しているんです。搬出にこれはものすごく効果が大きかったと思っております。民間もかなり多く学んだ、直ちにそういう対応ができるようになったということは事実だと思います。
こういったところを広く知らしめるのは、官に限らず大切なところではないかと思っております。
 御指摘のありました全国規模の広域防災体制というのは、基本的に3つに分かれているのだと思います。全国の都道府県で一律にやるというものと、東北地区とか近畿地区とかいうようにブロックで分けた部分と、隣県で、兵庫と大阪とか、ブロックは違っていても隣県で結んだという部分があります。都道府県ではほとんどこれはでき上がっていると思っております。加えて、より細かなものにしていくためには市町村レベルでやる必要があるのではないかという感じがいたしております。私どもとしては、市町村レベルにおけます協定がなされますように今推進をしようといたしているところであります。
 協定さえ結べばというと、これは机の上だけの話になりますので、いろんな形での訓練も当然必要なんだと思っていますので、そういった意味での推進整備というものを更に図っていく必要があると考えております。

水岡 俊一・議員
 実は、日本スピンドルという会社にも私は知人がいまして、そこの代表者、社長の方は阪神・淡路大震災のときに瓦礫の中から周りの人たちに助け出されたという経験がある。そのことが今回の事故の対応に会社を挙げての救援をいただいたということで、本当に近くの市場の方々、たくさんの方々に対応いただいたということで、改めて感謝を申し上げたいと思うところであります。
 たくさんの消防救急隊、警察のレスキュー、自衛隊の方々、そして民間の周りの住人の方々、多くの方々が集結をして救助に当たっていただいておりました。今回の事故は非常に特異的な事故でありました。実際にガソリンが漏れているにおいを感じましたので、火花が飛び散るような救助作業ができないということで非常に長い時間が掛かった、その車両に入るには少ない人数しか行けなかった、こういったような特異的な事故の状況の中で一体だれが全体を指揮するのかということが非常に難しい局面だったなというふうに実際に事故現場に参りまして、私は感じました。
 県とも若干お話をさせていただきましたが、実際に、消防、警察、自衛隊、病院、自治体、そういったことの連携を取るということが非常に大切だというふうにお感じになったということでありました。しかし、これをどのセクションのリーダーシップによって統括し、あるいは協議をする、協議の場所を設定する、そういったことは非常に難しいけれども、これから非常に求められると私は考えています。
 先日、旅客機が墜落をしたときには政府レベルでどのような体制を取るのかということがニュースで流れておりましたが、政府が出動するまでの間であるとか、あるいは1つの県あるいは隣の県とまたがった範囲で起こった災害について、都道府県が当面リーダーシップを取るということが私は必要ではないかというふうに思うんですが、総務大臣としてはどのようにお考えになっているのか、お聞きをしたい。

麻生・総務大臣
 大規模災害が起きましたときには、警察、消防、もちろん物によりましては自衛隊等々、救出、救援をする機関、各団体が一堂に会しますときにだれが指揮命令系統を出すのかという判断は、いかなるときでもかなり難しい問題であろうとは思っております。やっぱり調整機能は基本的には都道府県がされるということになるんだと思うんです。
 基本的には、県知事がその種の危機管理に対する判断をすべてできるとは思いませんけれども、命令系統としてはそういう形になろうと思います。その傍らに消防研究所の人がそばにいたりなんかして、判断が仰がれるときにサポート、補助、いろんな意味での助言をしたという形になっておりますので、私としてはそういった形だと思っております。今回の場合は特に列車事故でしたから場所が極端に集中しておりましたので、各機関はテントをずっと隣り合わせにやっておりましたので、その意味では連絡はかなり密にできたろうと思っております。
 いずれにいたしましても、調整しながらやっていくというのはある程度避け難いところだと思いますので、最終判断はそこを預かっております県とかいうことになるんだと思います。そこに至る助言をする、判断をというところをサポートするのを、消防とか、この問題に関しては自衛隊とか警察とか、いろんな形でそれぞれの部分で判断をされる方を、助言をする方をそこに付けて、若しくは出すというのが大変大事なシステムとして考えておかねばならぬところだと思っております。

 迷惑メール対策

水岡 俊一・議員
 今回の悲しい事故でありますけれども、そういったことをまた一つの糧として、今後起きるかもしれない災害あるいは大規模な事故に各県が対応できるように、また総務省の方としてもお力をいただきたいと思います。
 それでは、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案に関する質問に移りたいと思います。
 総務省は、2010年を目標に進めているユビキタス社会、いわゆる、つまりはどこでも、いつでも、だれでもが何にでも組み込まれているコンピューターを使える社会と、言うべきかもしれません。このユビキタス社会の根幹を危うくすると言ってもよいのが迷惑メールの横行だというふうに思っています。迷惑メールに対する対策は、ユビキタス社会の実現のためにも重要な課題となって今立ちはだかっているところだと私は感じています。
 最近の傾向として、経済産業省の調査によると、携帯電話に着信するものが2001年と2004年を比較すると3分の1程度に減っている、逆にパソコンに着信するものは3倍程度に増加をしている。また、経済産業省の苦情相談室調べによると、迷惑メールの苦情相談の内容は、2002年4月から10月は大量受信が最も多かった。2004年になりますと、不当請求等が最も多くなっていることから分かるように、被害の中身が変化をしてきています。そしてまた、迷惑メールの送信方法が巧妙化、悪質化しているのが現状だと思います。
 ICT(情報通信技術)、そしてユビキタス社会の実現にとって迷惑メールは大きな障害になるのではないかと考えていますが、総務大臣の見解をお聞きしたい。

麻生・総務大臣
 便利なものは常にその裏、影の部分がどうしても付いて回るところではあろうと思います。このユビキタスとかICTの社会の中においてやっぱりこの迷惑メール等々は間違いなく影の部分として、少々迷惑を通り越して被害が出るということになってきます。これはほっておける話ではないと思っております。
 昨年12月に総務省においてユビキタスネット社会の実現に向けた政策懇談会をスタートさせておりますけれども、その報告書におきましても、迷惑メール対策は特に優先すべき政策課題として位置付けられています。今回の法改正によりまして業者、通信事業者の自主的な対応の促進とか、フィルタリングを始め技術的なものや、利用者の自己啓発、国際的なものも含めまして、いろいろ広い意味でやっていかなければいけないと思っております。
 ユビキタス社会は確実に参ります。高齢化する社会の中において、このユビキタスの技術は、要介護者、高齢者が健常者と同様な生活を営める一つの道具、器具、ツール(手段)として非常に大事なものだと思っております。結果的にそれが迷惑メールによって阻害されるのは、断固避けたいところだと思っております。御指摘のとおり、この点につきましては今後とも真剣に取り組まねばならぬ課題だと思っております。

水岡 俊一・議員
 近ごろ、悪質なものとして、第三者のコンピューターに不正に侵入したり、ウイルスに感染させたりすることによってこのコンピューターを迷惑メールの発信のために利用するといった、いわゆるゾンビPCというものの送信が増えてまいりました。これがかなりの数、海外の複数の国のサーバーから送られてきています。auでは、携帯電話あてにほとんど見られなかった外国のIPアドレスからのメールが激増している、これはゾンビPCによる仕業だというふうに今理解をされています。また、ニフティでも、韓国、中国、ブラジルを含む複数の国からの着信が増えており、その99%は発信元が不明だということであります。中身はアダルト動画や出会い系のサイトの宣伝と思われるわけでございます。
 今回の法改正で、悪質なゾンビPCの迷惑メールには対応できるのかどうか、その点について総務省にお聞きをしたい。

有冨 寛一郎・総務省総合通信基盤局長
 いわゆるゾンビPCでございますが、その具体的な形態についてはいろいろな種類があるということでございまして、一概にこういうことだというふうに判断することは困難な点もございます。例えば迷惑メールの送信者が不正に第三者のPC等を利用して電子メールを中継するといった場合には電子メールの送信者を偽って送信するというような形になるものであります。そういった偽ってやるということに対しましては、今回の改正案におきまして、電子メールアドレス等の送信者情報を偽って送信する行為を禁止する、違反した者に対しましては懲役を含む重い刑罰を科すということにしております。
 したがって、いわゆるゾンビPCを中継して送信者情報を偽って広告宣伝メールを送信する手法について、この法に違反する行為の対象になると考えております。ただ、海外でというのが随分ございますので、それは今後、国内法制だけじゃなくて国際的な連携も事業者間あるいは政府間でも進めていかなきゃならない課題だと思っております。

 スパムの次はフィッシング

水岡 俊一・議員
 この法律によって罰則規定を強める、そのことによって犯罪、迷惑メールを減らしていくということに期待をするわけですが、お答えをいただいたとおり、海外が増えてきているということで、発信元を非常に高度なテクニックでもって追及をしていくといったことが求められるわけだと思っています。
 例えば昨年9月に韓国の釜山で開かれたOECDの第2回スパムワークショップでは、スパム(大量、無差別に同意なしに送られてくる、主に宣伝目的の電子メール)の更なる脅威はフィッシング、フィッシングはウイルスに続く電子メールへの脅威などとして、フィッシングへの懸念が表明をされています。フィッシングは年間50%から100%の勢いでどんどんと増えているという実態があります。送信者認証技術、その役割、その有効性が議論をされて、周知啓発、教育の必要性が主張されたと私は聞いたところでありますが、OECDの会議ではどのくらい突っ込んだ議論がなされ、今後の対応策が提示をされたのか、お伺いをしたい。
有冨・総務省総合通信基盤局長
 OECDにおきましては、昨年以降、スパム対策として、政府による法令の制定、施行、それから電気通信事業者による自主規制、技術的な解決策、利用者に対する啓発、国際協調といった多面的な対応が不可欠であるという考えの下に、加盟国間でこれまで議論が交わされてきております。
 昨年9月の第2回のスパムに関するワークショップにおきましては、これらのスパム対策のうち、特に技術的な解決策に焦点を当てて議論が行われました。例えば送信者認証技術、どこから送ってきたのかということを技術的に追及をするという技術でございまして、先ほどの迷惑メールもそうであります。海外から、どこから来たのだろうかということについて、一国では無理でございますので、技術開発についての有効性あるいは動向について議論を、情報を共有するという観点で相当突っ込んだ議論があったと聞いております。
 具体的には、フィッシングの急激な増加状況について情報の共有がなされ、スパムの更なる脅威はフィッシングである、あるいはフィッシングはウイルスに続く電子メールへの脅威であるといった懸念が多数の国から表明をされたと承知をしております。
 要は、これに対しまして一番有効なのは送信者認証技術ではないかということで一致をしたというふうに聞いております。私どもとしても、こういった議論を受けて、送信者認証技術の有効性あるいは導入促進策についていろいろな国内のISP(インターネットサービスプロバイダー)とも議論を進めてきております。昨年10月から開催しております迷惑メールへの対応の在り方に関する研究会、あるいはフィッシング対策推進協議会ということで、このOECDの議論を踏まえて更なる検討を深めていきたいというふうに考えているところでございます。

水岡 俊一・議員
 昨年、JCBが5月から6月に9件、ビザ・インターナショナルが11月以降約200件、このほかヤフーで主なフィッシングメールが確認をされています。11月にヤフーでもフィッシング被害が発生しているということであります。
 この本法案においては、こういったフィッシングについて対応はできるのでしょうか。総務省が今年の1月にフィッシング対策推進連絡会を立ち上げたと、聞いておりますが、どこまで議論が進んでいるのか、また今後の具体的な対策のスケジュール等があると思うんですが、その点について総務省の見解をお聞きをしたい。

有冨・総務省総合通信基盤局長
 フィッシングは、金融機関等からのメールを装ってクレジットカード番号等の個人情報を不正入手して、それを悪用して詐欺を行うというような行為だろうと思います。このことに対しまして、現在の特定電子メール法、これはあくまでも広告宣伝の手段として送信される電子メールということになっておりますので、このフィッシングのために送信される電子メールを取り締まるというようなことについては対象外であると考えております。
 しかしながら、このフィッシング対策は、媒介するのが電気通信事業者ということもございますので、本年1月からインターネットサービスプロバイダー等とともにフィッシング対策推進連絡会というものを開催をして、言わばこの世界のプロの方々に集まっていただいて、具体的な状況はどういうものであるかというような事例を紹介をしてもらったりしながら今議論を進めております。ポイントとしては、プロバイダーがメールの送信者を認証する技術をいつまでにどういう形で導入する、そのためにどういうような方策があるかというようなこと、あるいはフィッシングサイトを削除するというような基準をどうやって作ったらいいのかというようなこと、こういうものに対してユーザーへの周知啓発をどういうふうに行うのかということについて相当深い検討を今進めてもらっております。この夏ごろを目途に一定の成果を取りまとめていただきたいということで、今進めているところでございます。
 いずれにしましても、フィッシング被害について、単なるこの法案の範囲内にとどまらず、いろんな形での対応が必要だというふうに思っております。

水岡 俊一・議員
 この法案では難しいということは分かりました。しかし、大きな被害が起こる前に、あるいは被害が広がる前にしっかりとした対策を早急に実施していく必要が本当に求められていると思います。経済産業省としてはどのような取組をなさっているのか。

岩田 悟志・経済産業大臣官房審議官
 フィッシング対策は、具体的な被害が拡大する前に、一般消費者に対する十分な注意喚起を進めることが重要であると考えてございます。
 経済産業省では、昨年12月でございますけれども、フィッシングの攻撃対象となり得る事業者の方、あるいはその関係団体といった方々をメンバーといたしまして、総務省も含めて関係府省庁にオブザーバーとして参加をいただき、連絡会議を設置をいたしまして、議論を進め、この2月、提言をいただいてございます。
 この提言に基づきまして、4月でございますけれども、民間団体、業界を中心としたフィッシング対策協議会が既に設立されました。5月からフィッシングに関する情報の迅速な収集、提供、あるいは消費者に対する的確な注意喚起、こういったことを早急に開始する予定でございまして、当省といたしましても、関係府省庁と連携を取りながらフィッシング対策を推進していきたいと考えてございます。

水岡 俊一・議員
 経済産業省の昨年の第2回調査で明らかになった迷惑メール対策の実施状況とその効果、これについて具体的にお教えをいただきたいと思います。

 増加するPC迷惑メール

半田 力・経済産業省商務情報政策局消費経済部長

 経済産業省といたしましては、迷惑メールの実態を把握いたしますために、約2000人の消費者を対象といたしましてアンケート調査を実施いたしまして、消費者における迷惑メールの受信状況とか自衛策の実施の状況につきまして把握しているところでございます。
 2001年11月と2004年11月、この2回の調査の結果を比較いたしますと、携帯電話におきましては、迷惑メールをほとんど受信していない、これは全く受信してないとか1週間に5回以下しか受信してないという利用者の方々の割合が52%から85%に増加しております。また、迷惑メールの受信数も、週平均14通から5通に減少しております。一方、パソコンにおきましては、迷惑メールをほとんど受信していない利用者の割合は68%から66%と、ほぼ同じような推移をいたしておりますが、大量受信者の迷惑メール受信数ということにつきましては増加したというようなことから、迷惑メールの実際に受けている数、絶対数といたしましては、平均、週13通から34通に増加しているというところとなっております。
  また、2004年11月の調査結果によりますと、携帯電話におきましては、利用者の60%が長く複雑なメールアドレスを使用する、またフィルタリング機能を利用するなどの自衛策を講じておりまして、そのうちの85%が自衛策の実施によりまして迷惑メール受信数が減少したと回答しているところでございます。
 一方、パソコンにおきましては、利用者の44%が自衛策を講じておりまして、そのうちの64%が自衛策の実施によりまして迷惑メール受信数が減少したと回答しております。

 必要な省庁間の連携

水岡 俊一・議員
 携帯電話に比べてPC(パソコン)では迷惑メール対策の効果がなかなか進まないといった状況にあるように思います。
 よくあるパターンですが、総務省、そして経済産業省が迷惑メールの対応の在り方に関する研究会、あるいは通信販売の新たな課題に関する研究会など、それぞれの研究会を立ち上げて現状の検討と対策をしているということであります。経済産業省の研究会の報告を見ると、総務省、警察庁と協力してなどの文言が随所に見られるわけであります。
 迷惑メールの対策は、総務省、経済産業省、警察庁など関係省庁が一体となってトータルに対応すべき時期にもう既に来ていると私は感じるところでありますが、総務大臣の見解をお聞きをしたいと思います。また、経済産業省はどのように考えているか、お聞きをしたい。

有冨・総務省総合通信基盤局長
 総務省の取組でございますが、違法送信者の取締り等の迷惑メール対策を行うことにつきましては、各省庁がそれぞれの所管の責任を負っておりますので、まずはそこでしっかりやるということが基本になるんではないか思います。ただ、当然1省庁だけ閉じた形でこういった対策ができるというものではありません。したがって、他省庁との関係部分における密接な協力関係を取っていくことは当然に必要不可欠と考えております。
 その協力関係という観点でいいますと、総務省におきましては、特定電子メール法の制定をいただいたときから、切り口は違いますけれども、特定商取引という観点での迷惑メール対策について、その法を所管されております経済産業省と、これは迷惑メール対策を一層効果的に行うということでは一致協力をして関係者にその周知啓発を図る必要がある、あるいは情報交換等の連携策を積極的に推進する必要があるという観点で、パンフレット等を共同で作ったりなどして進めてきております。
 それから、総務省でも、経済産業省でも研究会を開催をしてきておりますけれども、かなり実施上の関係においては共通して情報を共有することは当然必要な部分多々ございますので、相互にオブザーバー等に参加しながら意見交換を行ってきているということでございます。
 最近では、この2月からでございますけれども、いわゆるインターネットサービスプロバイダー(ISP)等による自主的な迷惑メール対策を講じやすくするということを目的といたしまして、総務省と経済産業省が連携をして迷惑メールの違法性を確認し、安心してISPが対策を講じられるというような体制を強化しようということで、迷惑メール追放支援プロジェクトというようなものを作って対応をしてきているところでございます。
 警察との関係も今後重要になってまいるわけでありますが、今回の改正案につきましても具体的な刑事手続を遂行していただくという観点で、その法律を所管する、手続を所管する法務省、それから取締りの具体的な実施に当たる警察庁と、具体的にどういう場合にどういうような立件ができるかというふうなことの意思疎通を図りながら直接刑事罰の導入ということについての内容を取りまとめたというものでございます。
 また、今後、警察が取締りを行うことができるようになるというわけでありますけれども、それを具体的にどう適切に執行するかということについて、これは多分警察の方、本庁の方から地方の、県の方の組織に報じて連携が、指導が行くと思います。その具体的な下部における連携も必要不可欠であろうということで、トータル的に他省のいろんな方策があると思いますが、連携を取ってしっかりやっていくという形では取り組んでいきたいと思っております。

半田・経産省商務情報政策局消費経済部長
 経済産業省におきましては、総務省にもオブザーバーとして参加いただきながら、通信販売の新たな課題に関する研究会を開催いたしまして、今後講ずべき迷惑メール対策につきまして、今年の1月に御提言いただいたところでございます。
 この提言を踏まえまして、既に2月から迷惑メールの追放支援プロジェクトを開始しております。このプロジェクトの中では、総務省と共同いたしまして、まず違法な迷惑メールの送信を止めるという対策を、また迷惑メールで紹介されましたウェブサイトで不当な請求が行われるということに着目いたしまして、特定商取法の違反ということを踏まえた対応として、警察庁と連携いたし、刑事罰の適用を、また金融庁と連携いたしまして、サイトに掲載されました不正な預金口座の凍結を図るといった対策を進めているところでございます。
 今後とも、関係省庁や事業者団体等と十分連携いたしまして、迷惑メールの対策の実効がトータルとして上がるよう努力してまいりたいと思っておる所存でございます。

 諸外国との協力

水岡 俊一・議員
 それぞれの省庁には、私たちがこれまで経験したことのない新たな犯罪、新たな問題に対応するために是非とも協力をいただいて取り組んでいただきたいと思うところであります。
 今法案で守るべきは国民の生活であるし、また電気通信事業者等でもあるわけでありますが、私は、公的な機関が持っている、例えば医療情報ネットワークであるとか、あるいは消防の緊急のネットワークであるとか、そういった重要なサーバー、ネットワークもその対象となると考えています。
対象は無作為で出てきたメールアドレスですので、そのメールアドレスあるいはIPアドレスを、膨大な数を対象として送り付けてくるメールが多くのサーバーをダウンさせるといったことも懸念をされるわけであります。また、そういったメールウイルスを防ぐために作られたソフトが、またサーバーをダウンさせるといったこともつい最近起こって、世界的な大きな問題になったところであります。
 そういった意味では、単にこの法律の及ぶところ、及ばざるところという判断基準ではなくて、日本全体、あるいはこのユビキタス社会を実現しようとする中での新たな対策を政府一丸となって進めていくべきだと強く要望したいところであります。
 海外のサーバーから迷惑メールが送信されたり、あるいは違法なウエブサイトが海外に置かれているなどグローバル化が進んでいる中で、効果的な対策をするのは、国内だけじゃなくて諸外国との密接な連携強化の上に立ってやるべきだということは、もう私が申し上げるまでもないことでありますが、総務大臣として今後の方向性としてどのような考えを持っておられるのか、是非この際、お伺いをしたいと思います。

麻生・総務大臣
 海外に設置されたサーバーを利用して、いわゆる迷惑メールを送信するという形は、迷惑を通り越して犯罪として利用するようになってきています。先ほどのフィッシングの話を始めとしまして、急速に増えてきている感じがいたします。これまでもITU(国際電気通信連合)とかOECD(経済協力開発機構)とか、この種の問題についての危険性についての連携が必要なんだということで国際的にも積極的にやってきたところでもあります。具体的な取組としては、中国、韓国などアジア太平洋11機関、機関というのは国という意味ではなくて総務省とか経産省という機関として、スパム対策の協力に関する多国間の覚書を締結する予定であります。今月か来月かまでには締結が終わると思っております。そういった形で、技術的な対応策に関する情報交換、相互訪問など、スパムの減少に関しましては、きちんとした連携を持たないと一国で対応できるには限度を超えておるということになりつつあると、私どもも思っております。
 したがいまして、この影の部分にがきちんと対応されないと、ユビキタス社会という光の部分を完成していく形になりません。私どもとしては、諸外国との連携強化はもちろんのこと、積極的な対策に取り組んでまいりたいと考えております。

水岡 俊一・議員
 かつて日本は、IT革命といいますか、ITをどの程度、日本の社会の中に引き入れてきたかということにおいては世界に随分後れを取った時代がありました。インターネットの普及率を見ても非常に諸外国に比べて低いのではないかというような指摘がされる中で日本は多くの取組が行われて、今やインターネット普及率もかなりの率になってきた。日本も進歩してきたんだろうと思います。
 しかし、最近いろんな情報を読んでみますと、日本、総務省が目標とする2010年ユビキタス社会に向けてどんなことが進んでいるかということについては、例えばブロードバンドが進んでいる、高速回線が多くなった、その普及率が高くなったというようなことが一つの指標となって進んでいるということを示しているかのように出ています。しかし、私は、この法案にかかわるような迷惑メール、あるいはウイルス、ゾンビPC、オープンリレーサーバー(任意のユーザーからのメール転送を無制限に許可しているサーバー)とか、そういったものにこれからどのように対応をしていくかということが最大のポイントだというふうに思うわけであります。
 そういった意味では、この法案の趣旨を踏まえて、総務省、経済産業省、さらには政府挙げての積極的な取組、また積極的に予算を確保して有効な取組をしていただくよう強く要望して、私の質問を終わりたいと思います。


<<前へ次へ>>

 
Copyright 2004 Shunichi Mizuoka Office All Rights Reserved.