| 2005年3月18日 第162回国会 参議院本会議質問 |
「国の補助金等の整備及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する法律案」
暗記・詰め込み型から思考力や判断力、問題解決能力を育てる教育を
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参議院議員 水岡 俊一
私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました「国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部を改正する法律案」について質問をいたします。
衆議院文部科学委員会にあってはならないことが起こりました。義務教育の根幹にかかわる義務教育費国庫負担制度に関して審議をしているさなか、自民党は、参考人招致をめぐって、民主党が推薦した参考人を拒否し、委員長が職権で参考人質疑を中止するという前代未聞の暴挙を行いました。
民主党は、重要案件であり、参考人の意見を聴き、審議をすることを強く求めましたが、受け入れられませんでした。よって、この場において断固抗議をするものであります。 |
学校の安全確保は国の責任
去る2月14日、大阪府寝屋川市立中央小学校において、学校を訪れた卒業生により1人の教員が殺され、2人の教職員が重傷を負わされるという、本当に痛ましく悲しい事件が起こりました。亡くなられた鴨崎教諭に心から哀悼の意をささげるとともに、重傷を負われた2人の教職員の一刻も早い回復を願うものです。
子供にとって何よりも安心、安全でなければならない学校や幼稚園、保育所において、またしても殺傷事件が起こったことは極めて残念でなりません。4年前の大阪教育大附属池田小学校の事件を始め、近年、学校などにおいて幾つもの殺傷事件が起きている中、文部科学省は、多少の防犯装置や施設の補助は行っているものの、基本的には通達や手引書を出すだけといった通達行政にとどまり、義務教育を行う学校における安全確保は国の責任でもあるという姿勢を示してはいません。
学校などにおいて外来者に対応するためには、校長や教頭などの管理職だけでは手が足らず、もっぱら子供たちの教育に携わる教職員にもその余裕は全くありません。たとえ監視カメラを設置したとしても、モニター画面を常時チェックする体制は今の学校現場にはありません。そもそも、教職員に外来者との対応は本来の職務にないはずであります。
求められる「学校安全法」の制定
今や、専門の保安職員を配置するなどして、不審な外来者に対応するといった方途がどうしても必要であると考えられます。
大臣は、さきの予算委員会において、私の質問に対し、学校の巡視等に保護者や地域住民のボランティアを活用するのも一つとの御答弁がありました。刃物を隠し持っているかもしれない不審者への対応をボランティアにゆだねるという発想は全く理解ができません。私は、さらに、ボランティアにもしものことがあったらどうするのですかとお尋ねしたところ、それに対し、保険を掛けて協力してもらっているところもあるとの大臣の御答弁。何たる理不尽なお答え。人の命の尊さを軽視し、危機管理の課題に対して全くの無策であることを物語るもので、耳を疑ったのは私だけではありません。
文部科学大臣、もう一度聞かせてください。
義務教育を行う学校において、掛け替えのない子供たちや教職員の命を守り、安全で安心して生活できるよう、国としての責任、義務教育費国庫負担制度の精神として学校の保安要員等を配置するお考えはないのか、また、学校の総合的防犯安全対策として学校安全法を策定する予定がないのか、お尋ねします。
学校現場を混乱させる大臣発言
OECD(経済協力開発機構)によるPISA(学習到達度調査)の結果、そしてIEA(国際教育到達度評価学会)の調査結果が大変話題を呼んでいます。日本の子供たちの順位が落ちたことにより、文部科学大臣は学力低下を声高に叫ばれ、そしてマスコミがそれを積極的に取り上げることを利用し、競い合う心、切磋琢磨する精神等々を強調しながら、学力テストの実施や総合的な学習の見直し、土曜日の授業復活などの発言を繰り返しておられます。
PISA調査の目的は、21世紀を生き抜くための道具としての能力を測ることであり、状況を分析し、推論し、自分の考えを持って意思疎通することができるか、また生涯を通しての学習を継続できる能力を身に付けているかを調べることだと言われています。そのことを、大臣、あなたは御存じでしょうか。
そしてOECDは、1980年代、数学でトップを取っていた日本や韓国の子供たちの知識は変化が激しいこれからの社会に果たして役立つかどうか分からないと批判し、試行錯誤をしながら、新しい学力観に基づいた調査へと設問を変えてきたのです。そのPISAの新しい学力観による調査で順位を落とした日本の子供たちの結果が示しているものは、従来の暗記・詰め込み型から生きる力の習得への転換といった、思考力や判断力、問題解決能力を育てることが最も重要であり、正にゆとりの中でじっくり考えさせる教育や総合的な学習を求めていくべきだという方向性にほかなりません。そのことを、文部科学大臣、あなたがだれにもまして強く訴えるべきだと思いますが、いかがですか。
かつて文部科学省は、PISA調査結果が示す日本の子供たちの学力に危機感を持ち、いち早く、生きる力に視点を当て、大変な勇気を持ってゆとり教育の必要性を説き、総合的な学習を勧めてきたではないですか。その結果、学校現場は、特別な教員の配置もなく、テキストもないまま、戸惑い、悩みました。しかし、全国の教職員たちは、文部科学省の考えを理解するよう努め、懸命に努力をしてきたわけです。今、ようやく総合的な学習も定着し掛けており、取組の成果が芽を出そうというこのときに、先祖返りとも言える方針転換は愚の骨頂であります。
今、全国の学校現場では大変な混乱が起こっています。学習指導要領の見直し内容がまだ示されないうちに、ゆとり教育や総合的な学習の見直しを大臣が一方的に押し付けるかのように発言されるからであります。来年度の教育課程編成を行っている学校現場は大混乱です。一体何を根拠に教育課程を編成すればいいのか、羅針盤を失った船のようです。ここで、是非とも日本の文部行政のトップリーダーとして、目先にとらわれず、冷静で的確なメッセージを示していただきたいと思います。
学ぶべき、フィンランドの教育
ところで、PISAの結果で総合1位に輝いた国はどこだか、もちろん大臣は御存じだと思いますが、フィンランドです。日本は、順位が下がったことにより学力が低下をしたとされ、さあ、世界のトップの座を取り戻せとばかりに、ハッパが掛けられています。そこで、学力を向上させるためには、PISAの調査で連続1位となったフィンランドに注目し、その方法を学ぼうとするのが当然の考え方です。
ところが、不思議なことに、そのような話は一切出てきません。なぜなら、1位のフィンランドの学校では、授業時間数が少ない、習熟度別学級もない、序列をつくるためのテストや競争もなく、有名校への進学熱や学力の二極分化のエリート教育もない、そして大学までほとんど無償という実情があるからです。つまり、フィンランドの教育は、大臣の言われる方向、政府が導こうとする方向と180度まるで反対を示しているからであります。
さらに付け加えるならば、教育費における公の財政支出のGDP(国内総生産)比は、2001年のOECD統計によると、世界最低の日本3.5%に対し、フィンランドは5.7%と教育にお金を掛ける国であるからです。
フィンランドの教育になぜ学ぼうとしないのか、改めて文部科学大臣の見解をお聞きいたします。
現代の若者の変化、とりわけニートと呼ばれる若者の増加、度重なる学校の内外での殺傷事件などに何とか対応していきたいという思いの余り、十分な検証作業もしないまま、わらをもつかむ思いで、PISAの結果を読み違え、かつての詰め込み教育に逆戻りというのでは余りにもお粗末であります。完全なミスリードと断言できます。
教員が悪い、親が悪い、挙げ句の果てに日教組が悪いなどと、いたずらにだれかの責任にして非難していれば教育行政の最高責任者の仕事が果たせると思っておられるなら、言語道断、全くの責任転嫁と言わざるを得ません。
今、全国の義務教育を行う学校の教職員と保護者に対し、文部科学大臣の高い見識を披瀝し、文部科学省の義務教育に懸ける熱い思いを科学的、実証的な根拠とともに示すことができるかが、文部科学大臣、あなたの責任なのではないでしょうか。大臣、いかがお考えですか。
拡大する経済格差と教育格差
近年、学力低下が叫ばれる中において、受験産業の予備校や塾はかつての繁盛ぶりを示しています。当然ながら、家計における教育費の増大を招き、同時に親の階層格差を拡大しています。例えば、年収400万円以下の低所得世帯の年間教育費は約158万円で、家計の半分近くも占めているのに、年収1000万円以上の裕福な世帯では、家計の4分の1ではありますが、約242万円と、そこには教育費の大きな格差が生まれています。言い換えれば、親の経済状態の格差が子供の教育に大きく影響しているわけです。
また、全国の小中学校の図書費や教材費などは、一定の基準に基づき地方交付税交付金に算入されて、都道府県、市町村を通じて各学校に配分されているわけですが、文部科学大臣御自身が発言されているように、現実には各学校に配分されている図書費や教材費は基準に満たないケースが多く、十分に措置されている学校とそうでない学校との格差は、各市町村や各都道府県によって大きく広がっています。言い換えれば、地方自治体の財政状態の格差が、これまた子供たちの教育に大きく影響しているわけです。
しかし、憲法第26条、教育を受ける権利、教育の機会均等、第2項に義務教育の無償がうたわれ、教育基本法第3条に「すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならないものであつて、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。」と明確に示されています。また、教育基本法第10条第2項には、教育行政の任務は教育条件の整備義務にあるとうたわれております。
このように、憲法、教育基本法の精神に基づいて考えてみると、今日の教育の格差問題がゆゆしき事態であることは、だれの目にも明らかです。国の責任としてこれまで掲げてきた義務教育費国庫負担の考え方が現実的に機能しているのか再検討すべきだと考えますが、総務大臣、文部科学大臣のお考えを示してください。
教育の機会均等を否定する「義務教育費国庫負担法」の改正
今、この改正法案によって、更に義務教育費国庫負担の本来の意義が大きく揺らいでいます。地方分権の名の下、財政再建の単なる数字合わせに巻き込まれ、教員の給与費の一部を負担金削減の中に盛り込むような今次の改正案には、断じて賛成しかねるというのが私たちの立場であります。
暫定的に4250億円を一般財源化するという案は、表向きには中教審の見解を待つというポーズですが、小泉総理は次のように述べています。義務教育の国庫負担金の中学校にかかわる部分、地方にその権限を渡してもいいということで、今後のことについては中教審等の意見を踏まえて協議していく。一方、麻生総務大臣は、地方の改革案が適切に生かされる形で中教審の結論が導かれると考えていると答弁しています。そして、中山文部科学大臣は、今回の暫定措置は中教審の今後の検討を制約するものではないと述べています。
このように、小泉総理、麻生総務大臣、中山文部科学大臣の答弁がばらばらになっており、正に内閣不一致と言わざるを得ません。官房長官、内閣としての統一見解をここで明らかにしていただきたい。
最後に、義務教育を国の責任として、子供の教育を受ける権利を保障し、そのために教育の機会均等を図る観点から、この改正法案にどのような意味があるのか、文部科学大臣にお尋ねを申し上げ、私の質問を終わります。
学校安全のための人的配置を否定
国の責任で義務教育諸学校に保安要員等を配置する考えはないかというお尋ねでございます。
国として学校の安全確保のための施策を推進することは極めて重要な課題であると考えております。安全確保のための人的措置を含め、各学校の具体的な安全対策につきましては、学校の設置者において、まずそれぞれの実情を踏まえて適切に対処していただく必要があると考えております。もちろん、文部科学省としては、子ども安心プロジェクトを推進いたしまして、学校の設置者がそれぞれの実情を踏まえた対策を円滑に実施できるよう支援を行ってきたところでございます。
2005年度予算案におきましても、警察官OB等の協力の下、各学校を定期的に巡回して、警備のポイント等を具体的に指導する地域学校安全指導員を委嘱する経費等を計上しております。
今後とも、各学校において安全管理に関する更なる取組が行われるよう、学校安全に関する施策の一層の推進を図ってまいります。
通知、通達行政に固守
学校の総合的防犯安全対策としての学校安全法を策定する予定はないのかというお尋ねでございます。
学校の総合的な防犯安全対策につきましては、全国一律に一定の法的義務を課するよりは、各学校においてそれぞれの地域の実情を踏まえた実効性のある取組を継続的に進められるよう支援することがまず重要なことであると考えております。
文部科学省としては、これまでも、危機管理マニュアルの作成や学校安全のための施設設備の支援等を通じて、各学校や教育委員会の取組を支援してきたところでございます。
今後とも、各学校がそれぞれの実情を踏まえ、学校の安全確保という重要な課題に適切に対応していくことができるよう、学校安全に関する施策の一層の推進を図ってまいります。
学習指導要領の見直しを強調
PISA調査の目的についてのお尋ねでございます。
PISA調査は、OECDが行っている国際的な学習到達度に関する調査であります。具体的には、義務教育修了時点の15歳児を対象として、その知識や技能を実生活の様々な場面で直面する課題にどの程度活用できるか、応用力を測定することなどを目的として実施されているものであります。
ゆとり教育の中でじっくり考えさせる教育や総合的な学習を求めていくべきだという御指摘でございます。
OECDが発表しましたPISA調査の結果によりますと、読解力など、我が国の子供の学力には低下傾向が見られます。また、勉強する時間が短く、勉強への動機付けも乏しいなど、学ぶ意欲や学習習慣が十分身に付いていない状況にあります。
現行の学習指導要領は、基礎的な知識を身に付けさせ、それを活用しながら自ら考える力などの生きる力をはぐくむことをそのねらいとしておりまして、これはPISA調査で評価する学力と同じ方向にあります。
私は、こうした理念や目標に誤りはないと考えておりますが、ただ、先ほどのPISAの結果でも分かりますように、そのねらいが十分に達成されているのか、あるいは必要な手だてが十分講じられているのか、こういったことについて課題があると考えております。
学習指導要領の時間の見直しについて、冷静で的確なメッセージを示すべきではないかという御指摘でございます。
私としては、この国際的な学力調査で示された学力の低下傾向については深刻に受け止める必要があると考えております。このため、学習指導要領全体の見直しが必要であると考え、先般、中央教育審議会に対しまして見直しに当たっての検討課題を示し、御審議をいただいているところでございます。
今後、中央教育審議会においては、各教科や総合的な学習の時間など、学習指導要領全体について検討し、本年秋までに具体的な方向性をお示しいただきたいと考えております。
私といたしましては、あくまで教育を受ける子供の立場に立って、常にその時点で最善と考えられる教育を行うために、スピード感を持って検討を進めてまいります。
意識調査を実施し、今後の検討に
PISAで連続1位になったフィンランドの教育について、なぜ学ぼうとしないのかというお尋ねでございます。
フィンランドは、国が教育課程の基本的枠組みを定め、全国的な教育水準の確保、教育の機会均等等を図った上で、市町村や学校が一定の裁量を有して特色ある教育課程の編成に取り組んだり、あるいは教員の質の向上を図っておりまして、これがPISAの好成績にもつながっていると考えられます。
現在進められております中央教育審議会における義務教育の在り方全般の審議におきましても、当然、このような諸外国の教育改革も参考にしながら、精力的に御審議をいただいているところでございます。
文部科学大臣として、科学的、実証的な根拠に基づきつつ、義務教育に懸ける熱い思いを示し、義務教育の改革を進めることについてのお尋ねでございます。
義務教育の在り方について議論するに当たりましては、PISA調査を始め、児童生徒の学力や学校における教育課程編成などの各種の実態調査とか、あるいは、フィンランドのみならず、義務教育制度に関する主要各国の国際比較などの実証的、客観的なデータに基づいて検討することは極めて重要であると考えております。
文部科学省としては、各種のデータや資料の収集、分析に努めますとともに、それらを中教審における義務教育の審議にも提供しているところでございます。
さらに、このたび、児童生徒、教員、保護者、地方自治体の首長などを対象といたしまして義務教育に関する意識調査を実施し、今後の検討に生かすこととしております。
子供は社会の宝、国の宝でございます。新しい時代の国づくりの基盤となるのは人であります。教育は国家の礎として重要なものであると考えております。特に義務教育は、憲法が保障する国民の権利であるとともに、国家社会の発展を担う人材育成という国家戦略に位置付けられるものであります。
私としては、学習指導要領全体の見直しなどによる学力の向上、教員の質の向上、現場主義の徹底などの義務教育の改革に責任感とスピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。
義務教育費国庫負担制度は重要な制度
憲法や教育基本法の精神に照らすと、現在の教育の格差はゆゆしき事態であり、義務教育費国庫負担の考え方が機能しているかというお尋ねでございますが、義務教育費国庫負担制度は、地方公共団体の財政力の差にかかわらず、全国のすべての地域において優れた教職員を必要数確保し、教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るために極めて重要な制度であります。
仮にこの制度を廃止した場合には、地域間における税収格差によりまして40道府県で教育費の財源不足に陥るおそれがあること、その財源不足を地方交付税で調整するとしても、そもそも地方交付税が三位一体改革により総額を抑制され、その影響が教育に及ぼすおそれがあること、使途が限定されないため義務教育費に充てられる保障がなくなることなどから、結果として教育水準に著しい地域格差が生ずるおそれがあり、教育の機会均等を図る上で重大な問題があると考えております。このため、我が国の教育の機会均等を果たす上でこの制度の役割は極めて大きく、今後ともその重要性に変わりはないと考えております。
今後、義務教育費国庫負担制度の在り方につきましては、政府・与党合意に基づきまして、今年秋までに中央教育審議会において結論を得ることとなっておりまして、この結論を踏まえて義務教育費国庫負担制度の改革に努めてまいりたいと考えております。
最後の質問でございます。子供の教育を受ける権利を保障し、そのために教育の機会均等を図る観点から、本改正案にどのような意味があるのかと、このような御質問でございます。
義務教育は、憲法が保障します国民の権利であるとともに、国家社会の発展を担う人材育成という国家戦略に位置付けられるものであります。国が最終的な責任を負っているものと、このように考えております。
一方、政府におきましては、いわゆる三位一体の改革に関する政府・与党合意に基づきまして、国庫負担金の改革等を進めているところでございます。
今回の義務教育費国庫負担法の改正は、この政府・与党合意に基づき、義務教育に係る国の責務を引き続き堅持し、教職員給与費の実支出額の2分の1を負担するという法の原則は維持した上で、2005年度限りの暫定措置を講ずるものであります。
いずれにしても、義務教育費国庫負担制度については、政府・与党合意に基づき、今年秋までに中教審の審議を、結論を得ることとなっておりまして、この結論を踏まえ、義務教育費国庫負担制度の改革を進めてまいりたいと考えております。
国費によるかどうかは時代の流れを踏まえて選択
義務教育について、国の責任と国庫負担制度との関係についてのお尋ねであります。
義務教育費国庫負担制度は、これまで重要な役割を果たしてきたということは十分に認識をいたしております。しかしながら、教育を含めた行政サービスが一定水準に達した現在、地方分権に向けて、国、地方との役割分担の見直しが求められておると存じます。特に、義務教育については地方の自治事務とされており、国は、制度の大枠を法律によりまして担保し、その所要財源を確実に保障する一方で、具体的な運用は地方に任せるとの考え方に立って、地方の自由度を最大限拡大することが重要と考えております。
所要財源の保障の方式につきましては、それは国費によるか否かは時代の流れを踏まえて選択し得るものであろうと存じます。地方団体からは、国庫負担金をやめて税源移譲をすることを求められてきております。このように、地方分権の方向性を踏まえれば、税を中心とした一般財源による保障も十分にあり得るものと考えております。
取り扱いは、政府・与党協議会の合意に基づく
義務教育費国庫負担金の取扱いについてお尋ねがございました。
ただいま文部科学大臣、総務大臣がお答えしたとおりでございまして、2004年の11月26日の政府・与党協議会の合意に基づきまして、政府一丸となって取り組むこととしております。
私としては、総理大臣、総務大臣、文部科学大臣の見解は、いずれも政府・与党協議会の合意に基づくものであり、ばらばらとの御指摘は当たらないものと理解しております。 |