| 2004年10月26日 第161回国会 総務委員会 |
「一般職の職員給与についての報告及び給与の改定に関する勧告について」
公務員制度改革は、十分な論議と時間をかけて
評価制度は、信頼と運用、結果への納得と合意が大切
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参議院議員 水岡 俊一
水岡 俊一・参議院議員
今、日本列島は度重なる台風の被害がある中で、中越地方を非常に強い地震が襲ったところであります。本年の台風の被害においては死者、行方不明者の数だけでも現在220名、地震の被害においては、大変大きな被害が発生をしております。亡くなられた方々に対しては御冥福をお祈りいたし、被災者の皆様には心からのお見舞いを申し上げるところであります。
私は兵庫県豊岡市の出身でありまして、円山川堤防の決壊等による大変な被害を受けた町を先日、我が党の民主党岡田代表とともに調査をしてまいりました。見るも無残な姿に変身した故郷や家々を胸が張り裂けそうな思いで眺める気持ちは、台風、地震を問わず、被災者の皆さん、そして思いを共有する多くの国民の皆さんと同じであると思います。
10年前の阪神・淡路大震災において神戸で被災した私は、やはり少しでも早く毛布を、水を、食料を確保することが被災者にとって大きな意味を持つことを痛感しているところであります。1日も早く被災地の復旧を果たし、元の生活に近いものを取り戻すために、政府、関係省庁、関係機関、各政党、ボランティアの皆さんの御支援を心からお願い申し上げる次第であります。どうかよろしくお願いいたします。
人事院は勧告の中で、月例給の官民較差が極めて小さいことから俸給表の改定を見送りました。また、一時金についても、民間4.39月、公務の4.40月と均衡していることから、支給月数の改定を見送りました。
このうち、月例給の改定見送りについてはやむを得ないかなと考えますが、一時金についてはどうも納得できません。民間4.39月との調査結果は、昨年から見るとわずか0.01月しか伸びていないことになっております。連合の集計でも0.1月程度伸びていますし、日経連の調査でも昨年冬は1.61%、本年夏が2.85%伸びているわけであります。
人事院の調査だけがどうしてこのような伸びにとどまったのか、納得のいく説明をお願いします。
佐藤 壮郎・人事院総裁
私どもの調査がほかの調査機関の結果と違うのではないかという御質問だと思います。
私ども、ボーナスの民間調査に当たりましては、企業規模100人以上、それから、かつ事業所規模が50人以上の全国の民間の事業所につきまして無作為に抽出をいたしまして、過去1年間に実際に支給されたボーナスという実額を調査しているわけでございます。
特に、今年につきましては、民間の支給状況をより迅速に公務員の給与に反映させるという趣旨で、従前より半年ずらしまして、民間の、昨年の冬、それから今年の夏の調査をいたしました。
今御指摘のように、各種機関の調査結果を見ますと、昨年の冬の特別給、ボーナスでございますけれども、大企業を対象とする調査ではプラスになっている。例えば、日経連の調査がそうでございます。一方で、中小企業を含む調査ではマイナスになっているということで、企業規模によってかなりばらつきがある。それから、今年の夏につきましても、若干改善されているというふうに思いますけれども、企業規模によるばらつきというのがまだ残っているということだと思います。
私どもの今年の民間企業実態調査によりますと、例えば夏の特別給が昨年比で増額となっている事業所が約4割ある、一方で減額となっている事業所も約2割あるわけでございまして、必ずしも全企業が横並び的には改善されていないということが私どもの調査でも明確となっております。
私どもの調査結果は前年度に比べまして0.01ヵ月しか上回らないということでございますけれども、恐らくこういう企業規模等によるばらつきが各調査機関等の調査に反映して、それでこういう数字の差になったんではないかと思っております。
参考までに申し上げますと、私どもの調査では、いったん破綻して現在再建中の企業でも定期的に給与が支払われておれば調査対象に含まれておりますので、またそういうこともあるいは反映しているのではないかというふうに想像しております。
官民較差
水岡 俊一・議員
あるときには景気が順調に回復していると声高に叫ばれて、官民の較差を話題に取り上げると差はわずかだと言う。国民にとってみれば、何を信じてよいのか分からなくなるというところがあります。より納得性の高い調査を求めて更なる人事院の取組を求めたいところであります。
続きまして、これは総務大臣と人事院総裁にそれぞれお尋ねをしたいと思います。
公務は民間と違って、山奥であろうが離島であろうが、過疎地と言われるような人口密度が極端に低い地域においても公共サービスを提供しなければなりません。一般論で結構ですので、総務省あるいは人事院の過疎地等における国、地方公務員の公共サービスの在り方、またその業務を担う公務員の給与上の処遇についてのお考えを聞かせてください。
麻生 太郎・総務大臣
よく郵便局が例に引かれますけれども、地方、山間、また離島におきましても、例えば新聞配達も郵便配達に頼っている。郵便配達がなければ新聞配達が成り立たないというところも、県によって違うんですけれども、非常に多いというような状況下にあります。それを担っている、事務を担当しております者は、これは都市部との差がいろんな意味であるのは御存じのとおりで、その分だけ物価が安い。
しかし、公共サービスとかシビルミニマムというものの果たすべき役割はほぼ同じというように考えにゃならぬと思っております。過疎地に勤務いたします公務員は転勤等々でそういうことになり得ることも、十分にあると思います。離島とか、山間部の極めて人口密度の低い不便という地域に当たりましては、御存じのように特別地域勤務手当というものが支給をされております。
今後ともこういった較差というのは、日本中皆同じということはあり得ないと思っております。そういった意味では随分、電話、電気、ガスも、時代が変わってくると光ファイバーも全部通じるということになっていくとは思います。それでも急に雪がなくなるわけでもありませんし、地域較差というのは避け難く今後あるもんだと思います。そういった事情は十分配慮した上でしかるべき対応がなされて当然ですし、今のは国家公務員の話ですが、地方公務員におきましても、同じ県の中でも南と北では全然違います。そういった意味ではいろんなことを配慮していかなければならぬものだと思っております。
佐藤・人事院総裁
私も機会あるごとに地方の最前線で大変苦労している職員の勤務している現場を訪問することにしておりますけれども、特に今回の災害でも明らかになっておりますように、やはり防災とか国民の安全とか、そういうことに携わっている職員たちの苦労は大変なものがあろうというふうに思います。
特に過疎地、例えば離島とか山間地は、生活そのものが大変精神的にも負担を与えるということでございます。具体的には私どもは人事院規則でそういう離島や山間部に在勤する職員に対して特地勤務手当、それからそこに転勤する職員に対しては特地勤務手当に準ずる手当と言っておりますけれども、そういう手当を設けております。
評価制度
水岡 俊一・議員
常に納得性を高めるという御配慮をいただいていると思うのですが、過疎地で働く公務員が納得をして、公共サービスに邁進できるといいますか、頑張るんだという士気が上がるようないろんな給与上の処遇をこれからも引き続きお願いをしたいというふうに思っております。
今回、給与に関する報告の中で、給与構造の見直しについて触れられております。私も過度に年功的な給与制度を見直していくことは必要であると思いますが、職務、職責、実績重視の人事院制度を見直すためには、その基盤となる評価制度を公務員が納得できるものにして動かせるかどうか、そこに懸かっていると思います。
そのためには、評価制度の設計あるいは評価基準の在り方等が極めて大切だと考えておりますが、人事院としていかがにお考えか、聞かせてください。
佐藤・人事院総裁
先生御指摘のとおりだと思います。能力本位の任用を推進して、実績を踏まえた給与処遇を実現するためには、職員個々人の能力や実績を的確に把握することが必要でございまして、そのために評価基準を始めとする評価制度の整備というのが不可欠というふうに思っております。さらに、そういう評価制度が十分に機能するためには、職員側の理解と納得が得られることがこれもまた必要不可欠でございます。
私どもといたしましては、関係者の協議を進めるための適切な枠組みを整備することがまず必要であると同時に、制度設計に当たっては、まず中央レベルで職員団体との対話を重ね、労使間の意思疎通を図ること、これがまた非常に重要になってくると思います。
さらには、制度の実効性を検証するためにまず試行をしてみる。それで、試行の中で浮かび上がってきた問題点については、それを改良しつつ、より完全な制度に仕上げていくというプロセスが非常に大切ではないかというふうに思っております。
職業生活と家庭生活の両立支援
水岡 俊一・議員
本年の報告の中で、職業生活と家庭生活の両立支援という観点から幾つかの施策が提言をされております。まず、部分休業の拡充策について、別途意見の申出はいつごろされるのでしょうか。できるだけ速やかに意見の申出を行うべきではないでしょうか。
関戸 秀明・人事院職員福祉局長
昨年10月に設置しました多様な勤務形態に関する研究会の中間取りまとめ、いろいろ施策の提言をいただいております。
それを受けまして、今年の報告の中で、部分休業について、部分休業の対象となる子の範囲を広げまして、小学校就学の始期に達するまでの子に拡大すること等について検討を行いまして、別途意見の申出を行うと表明したところでございます。現在鋭意検討中でございますが、まだ具体的な意見の申出の時期までは明確に申し上げることはできません。
今後も各府省、関係者、職員団体の意見も聞かなければいけません。そういう意見を聞きながら、成案が得られ次第、できるだけ早い時期に意見の申出を行いたいというふうに考えております。
水岡 俊一・議員
できるだけ早くお願いをし、十分な協議ができるようにお願いをしたいと思います。
職業生活と家庭生活の両立の支障となる恒常的な長時間勤務があるということを人事院は指摘をしているわけでありますが、そもそもそのような超勤実態があるということを総務大臣としてはどのようにとらえておられるのかお聞かせをいただきたいと思います。また、その問題の解決策としてはどういうお考えなのかもお聞かせをいただきたいと思います。
麻生・総務大臣
超過勤務の時間の縮減につきましては、これは、1つは能率というものももちろんあるのだと思います。また、長時間通勤してということになりますといろんな意味で、健康上からも問題でしょうし、家庭との両立というものはまず期待すべくもないような生活にならざるを得ないことに追い込まれるということなんだと思います。最近では、勤務時間が非常に長くなるということは人材確保の意味からも難しい問題を提起しているのだと思っているのです。
昨年の9月に勤務時間の管理等を図るための観点というのを盛り込んだ見直しを行ったところだと思います。今後とも、業務の見直しというのも必要なんだと思っておるんです。ICTが導入されていろんな形で早くなったならその分だけ、今までのをそのままICTの中に入れるのではなくて、もうやらなくてもよくなったものもあるんではないかということを見直しを含めてやると早くなる。結果として人数は減らせる、仕事の量も絶対量が減らせることになるはずなのであって、適切な勤務時間の形成というのは、長い間の習慣ででき上がっているものもありますので、そういったところを含めて機械化するにしても今までのものをそのまま機械化するのではなくてというような発想を含めての対策、対応というのを考えにゃいかぬものだと理解をしております。
水岡 俊一・議員
今お話のあった管理職については超勤を支払う対象じゃなくて実質的にはそこに集中をするという実態もいろんな職場であるわけであります。そういった管理職が精神的な負担で非常に厳しい環境に置かれているということも事実でありますから、この問題をやはり解決をすべく総務省としての取組もお願いをしたいと思っております。
恒常的な長時間勤務を解消するために管理者の判断で弾力的な勤務時間の割り振りができる仕組みを検討すると報告の中にございますが、これは超勤の縮減策としてはどうも筋が良くないですね。むしろ、勤務時間管理を徹底し、実際に行った超勤に対しては超勤手当をちゃんと払うんだということが本筋であります。
しかし、管理者の恣意で勤務時間を自由に割り振られるということは、何ら労使関係上の規制がない公務にとっては勤務条件の不安定化をもたらす危険性を大きくはらんでいるわけであります。大変大きな問題だと私は思っていますが、民間ではこうした変則勤務は労使協定によって定められることになっています。したがって、これはきちっと労使で話し合い、人事院で基準を定めていただかないといけないと私は思いますが、人事院の見解をお聞かせください。
関戸・人事院職員福祉局長
勤務時間の割り振りについて報告文でも触れさせていただきましたけれども、勤務時間の割り振りはそもそも各省各庁の長、管理者の責任において行われるものでございます。
その際ですけれども、管理者が自由にやっていいかということでございますが、勤務時間法でもその4条で規定がございまして、各省各庁の長は、公務の円滑な運営に配慮するとともに、職員の健康及び福祉を考慮することにより、職員の適正な勤務条件の確保に努めなければならないという責務を負っているわけでございます。
今回の報告においても、このことを前提として、職業生活と家庭生活の両立の支障となる恒常的な長時間勤務を解消、またはは軽減するために、早出・遅出勤務の活用とともに、管理者の判断で業務の繁閑に応じて弾力的な勤務時間の割り振りができる仕組みの導入について検討するということを表明したものでございます。先生御指摘のとおり、検討に当たっては職員団体の意見もしっかり聞きながら行いたいと思いますし、御指摘の点を踏まえて検討を進めてまいりたいと思っております。
短時間勤務制の導入
水岡 俊一・議員
確かにそれも1つの方法としてあるとは思うんですね。しかし、労働者の立場になるとどうしてもその本筋だけで言われていることだけにとどまらないことが増えてまいります。ですから、労使で話合いをしていくんだというお考えを聞きまして多少安心はしておるんですが、やはりこれは基準を定めるというようなことも付随をしていかない限りはなかなか厳しい問題だというふうに思っております。
いずれにしても、全く管理者の自由裁量にゆだねるということは危険極まりないということを御認識いただきたい、慎重に検討をしていただきたいというふうに思います。
報告の中で常勤職員の短時間勤務制の導入について検討をするとしていますが、これは是非早期に実現をしていただきたいと私も考えております。例えば、共働きで1人がフルタイム、1人が4時間勤務公務員だったとしたら2人で1.5人分の働きということになり、いわゆるオランダ式のワークシェアリングにも結び付くわけであります。
育児に関する事項だけでなく、事由を問わない短時間勤務、これを含めて早期実現に向けて検討してもらいたいと考えていますが、人事院はどのようにお考えでしょうか。
関戸・人事院職員福祉局長
今回、報告で出しましたのは、育児を行う職員が常勤職員のまま短時間の勤務をすることを認める短時間勤務制の導入について報告文で指摘させていただいたんですけれども、これも多様な勤務形態に関する研究会からも指摘されている事項でございます。
ただ、短時間勤務制の検討に当たりましては、当然のこととして、定員とか退職手当とか共済制度など他省庁の所管の制度とも、十分な調整を行うことが必要でございます。そういうことで、今後、関係機関と連携をしながら検討を急いでいきたいと思っております。
ただ、今回行いましたのは育児を行う職員についての短時間勤務でございますが、今先生御指摘ございました事由を問わない短時間勤務制については更にこれを拡大する、一般化するというものでございます。多様な勤務形態に関する研究会はまだ議論が続いております。今後の議論とか民間の動向、動きといったものも見させていただきながら検討をしていきたいというふうに思っております。
水岡 俊一・議員
育児がよくて介護は駄目なのかということになりますよね。その辺りはどうでしょうか。
関戸・人事院職員福祉局長
介護についても育児に準じてということで検討はしてまいりたいと考えております。
水岡 俊一・議員
この常勤職員の短時間勤務制の導入については、ワークシェアリングの観点から時代が求める1つの考え方であると私は思うところでありますが、総務省としてはいかがお考えでしょうか。
麻生・総務大臣
公務員は、家庭とか地域とかいろんな意味で職業人としての生活以外の部分の点についても認識を持っておかねばならぬというのは、昨今の時代環境から出てきたんだと思います。昔の貧しい時代は、食うのが精一杯ですから、今は食べるプラス家庭人、プラス父親、地域人として、いろんなことが要求される時代になりつつある。公務員もその例外ではないということが前提なんだと思っております。それがあって初めて豊かな生活ということにもなるのかもしれません。
介護とか育児とか、公務員としても両立するかというところは、いろいろな意味で支援をすることが大切ではないかということは私どももそう思っております。
ただ、公務員は基本的にはフルタイム、しかもかなり長時間ということを前提で給与とか年金とか退職手当とかが全部決められておるというのは先ほど人事院の話があったところなんで、広範に影響が出るなということだけは分かります。公務員全般に及ぼす影響も考えねばならぬところだと思っております。人事院には、この種のプロの方がお見えでございますんで、いろいろ検討されておられるところだと思います。その検討結果が出たら、それを踏まえて総務省としても適切に対処していかねばならぬものだと思っております。
水岡 俊一・議員
公務員も1人の家庭人としての責務を果たさなければならないというお話を伺いまして、大変有り難く思っているところです。家庭人に含めて、私は、地域の人としても活躍をせないかぬ責任があると思っておりますので、そういった観点からも、ひとつワークシェアリング、非常に重要なことだと思いますし、御検討をこれからもいただきたいと思っております。
育児休業、介護休業等育児又は家庭介護を行う労働者の福祉に関する法律の改正案が臨時国会で成立されるであろうと聞いておるところでありますが、簡単にその中身と目的を説明いただきたいと思います。お願いします。
伍藤 忠春・厚生労働省雇用均等・児童家庭局長
今国会に提出しております育児・介護休業法の改正法案でございますが、この法案は、少子化対策の観点から、民間企業における仕事と子育ての両立をより一層支援していこうと、こういう趣旨でございます。
具体的には大きく4つの改正点を盛り込んでおりますが、1つは、一定の要件を満たす有期契約の労働者に育児休業及び介護休業が取得できるようにすると、こういうことでございます。
それから2点目は、一定の場合に、今育児休業は1歳までということでございますが、これを1歳6ヵ月まで取得できるようにすると、いうことでございます。
それから、介護休業という制度もございますが、これは家族の1人について1回だけ取れるというのが現行制度でございますが、これを、その同じ同一人物でありましても、介護の状態ごとにそれぞれ取得が可能にすると、こういう改善点を盛り込んでおります。
それから4点目でございますが、子供の看護休暇、これを、現在は事業主の努力義務という形で法律に盛り込まれておりますが、これを労働者の権利として年に5日まで取得できると、こういうふうに強化をしようということでございます。
非常勤職員
水岡 俊一・議員
今の厚労省からの説明があった改正案は、その1つに3年以下の有期雇用者にも育児・介護休業を認めようという中身でありました。人事院は今回の報告の中で非常勤職員の看護休暇だけを提言しておりますが、なぜ育児休業や介護休業等を公務の非常勤にまで拡大しないのですか。人事院の見解を聞かせてください。
関戸・人事院職員福祉局長
民間の育児・介護休業法改正法案の中で、育児休業なり介護休業の対象として、期間を定めて雇用されるいわゆる期間雇用者のうちで、休業の取得によって雇用の継続が見込まれる一定の範囲の労働者がその対象に加えられているということを我々も承知しているところでございます。
ただ、公務における非常勤職員は、臨時または緊急の必要に応じて任用されるものでございまして、民間の一部の有期雇用者のように雇用の継続を前提として任用されるものではなく、育児休業、介護休暇の適用には基本的にはなじまないのではないかというふうに考えております。
したがって、現時点において育児休業、介護休暇の適用を非常勤職員に適用拡大するということは見送っておりますけれども、民間の育児・介護休業法が改正され、施行された後に、民間企業において実際に育児休業、介護休業が適用される有期雇用者の範囲の実態がどうなるかというようなことを注視しながら、引き続き必要な検討は行っていくこととしております。
水岡 俊一・議員
前向きなお話を伺ったので少し安心をしたんですが、実際はせいぜい1年以内の職員であろうから国公法の趣旨と合わない、ですからあまりそのことについて論述をしないというふうな理解をする部分もあるわけであります。
実際に公務の非常勤の実態について、詳しく厳しく調査をしていただきたいと思っております。問題の本質は、国や地方自治体で脱法的な、違法とは言いません、脱法的な非常勤の実態があり、かつ雇い止め等の雇用にかかわる深刻な事態が地方公務員では出ているわけであります。これをどう解決するかという問題意識が必要であり、そのための均等待遇原則に基づく非常勤の処遇改善は不可欠であります。
人事院総裁、すぐさまとは言いませんから、引き続き検討するお考えを示していただきたいと思います。
佐藤・人事院総裁
今御指摘のとおりだと思います。実際の運用面として、非常勤職員たちが必ずしも所期の形で雇用されているだけではないというふうに思っておりますので、先ほど局長が答えましたように、引き続き非常勤職員の処遇の改善について努力をしていくつもりでございます。
水岡 俊一・議員
それでは、国や地方自治体で脱法的な非常勤の実態があると私は考えています。違法とは言っておりませんが、法を擦り抜けるような形での非常勤の実態が多くあるというふうに思いますが、総務省としてはどのようにお考えか、お聞かせをいただきたい。
麻生・総務大臣
非常勤職員というものは実に多種多様だと思っておりますので、様々な事情があると思います。少なくとも任命権者におきましては今違法だとか脱法だとかいうことの言われることのないようにこれは適切な任用を行うべきというのは当然なことだと思っております。
ただ、事務補助等に要しますいわゆる非常勤国家公務員につきましては、年度をまたがらないようにするべきとかいろいろな形でこの任用予定期間というものを設定するんです。これ定員外職員と言うんですが、常勤化することは望ましいことではない、当然のことだと思っております。また、地方公務員におきましても同じようなことが地方の方でも起きているという可能性はあります。この任用に当たっては地方公務員制度の趣旨を踏まえて対応すべきものだと思っております。適切に対応していきたいと思っております。
心の健康づくり
水岡 俊一・議員
非常勤職員の立場に立ってみれば、少しでも仕事を続けたいと、そういった職場を確保しておきたいという気持ちは非常に強いわけであります。そうすることによって安心して働いて、子供を産む環境を作っていきたいというふうに若い方々は考えているわけであります。少子化対策としても、このことがずっと続くということであれば非常に大きなマイナスでもあると思いますので、いろんな観点からこのことについては対処をお願いしたいと思っております。
では、「新たな公務員人事管理の実現に向けて」の報告の中で、公務における心の健康づくりの推進を提言をされています。私は、公務員の健康状態の現状を顧みると、この施策の推進に大賛成であります。人事院は、本年3月の職員の心の健康づくりのための指針を基に各省庁と連携しつつ推し進めることになると考えておりますが、具体的にはどのような計画をお持ちで、進めていく予定なのか、具体的にお示しをいただきたい。
関戸・人事院職員福祉局長
職員の心の健康づくり対策につきましては、御指摘のとおり、今年の3月30日に、今まで1987年に出した指針が1つあるんですけれども、新しい指針として職員の心の健康づくりのための指針というものを各省庁に発出させていただきました。
各省庁とこれから連携して指針に基づく対策を推進していくということが1つでございますが、人事院として指針に示された役割というものがございます。この役割をまず人事院として十全に果たすための取組を進めていく必要があると思っております。
このため、当面でございますが、これは息長く計画的にやっていかなきゃいけない対策でございまして、当面、具体的には、心の健康づくりのための研修をどうするか、ストレスチェック表を作ろうじゃないかということもございます。相談窓口というもののモデル例を示して体制を強化しようじゃないかということもございます。それから、早期対応と職場復帰に係るモデル例を作ってそれを活用してもらおうじゃないかといったようなことを、課題を示しております。
こういう課題につきましては、専門性が高い課題でございますので、それぞれの課題に応じて実は具体的に4つの専門家会議を設けまして、専門家の方にも入っていただきまして、今年の7月から設置をして、検討を行っております。専門家の協力を得て検討を進めているところでございまして、それぞれの課題について検討期間は異なってまいりますけれども、必ずしも完成版ということではなくて、各府省の、各省庁の関心も非常に高いものになっております。できるだけできたものから早期に結論を得て、結論を得たものから順次各省庁にその結果を提供して活用を図ってまいりたいというふうに考えております。
過重労働・メンタルヘルス対策
水岡 俊一・議員
各省庁との連携をしていきながら、今息長くというお話がありました。息長く、そして緊急的に取り組んでいただきたいと私は思っているところであります。
本年8月の過重労働・メンタルヘルス対策の在り方に係る検討会の報告書において、企業における過重労働による健康障害という観点で法定労働時間外労働がかなりあることを報告していますが、その中身を簡単に紹介をいただきたいと思います。
高橋 満・厚生労働大臣官房審議官
過重労働並びにメンタルヘルスに係ります専門家による検討会の報告でございますが、恒常的な時間外労働等によります長時間労働、これが疲労の蓄積を通じまして健康障害、さらにはストレスによります精神障害等々の問題、健康問題を発生させ得る危険があると、こういうような観点から、1つは、長時間労働そのものを抑制をしていくと同時に、労働者の健康確保のためにどういうことが必要かという観点から検討をお願いをしたわけでございます。
本年の8月にこの報告書がまとまったわけでございますが、その報告書におきましては様々、多岐にわたる提言がなされております。主要な点を申し上げますれば、1つは、長時間労働を行っておる労働者に対しまして医師による面接指導というものが必要ではないか。2点目といたしまして、こうした面接指導、医師の面接指導に当たりましては、併せましてメンタル面、メンタルヘルス面でのチェックも有効ではないか。それから3点目といたしまして、事業所内、各企業におきまして産業医あるいはその他の産業保健スタッフを十分活用していく等々の体制整備を図るとともに、特にメンタルヘルス面の事案につきましては外部の医療機関の活用をも含めた相談体制の整備を図っていくことが必要ではないかと、かような提言をいただいたところでございます。
水岡 俊一・議員
いずれにしても、健康管理対策をより一層強化をしていくことが求められているということだというふうに思っております。
過重労働・メンタルヘルス対策という観点においては、公務の現状どのようなものか、説明をいただきたいと思います。
関戸・人事院職員福祉局長
過重労働によるものというふうに特定というのはなかなか難しゅうございますけれども、非現業の一般職国家公務員について、例えば1ヵ月以上の長期病休者というのがおります。長期病休者の中で精神及び行動の障害という事由による人たちが1996年度は1050人でございましたけれども、これは5年ごとに調査しております、5年後の2001年度には1912人と大幅に増加しております。
また、自殺者の数、これは全国民的にいろいろ話題になっておりますけれども、一般職の国家公務員の自殺者の数についても増加傾向にございまして、ここ数年は130人前後で推移しているところでございます。
ということもございまして、新しい心の健康づくりの指針というものを発出して取組を強化するということをやっているところでございます。従来からメンタルヘルスの講習会、健康管理者、管理者に対して講習会を開いたり、メンタルヘルスの相談室、これは人事院でも各地方事務局を持っていますけれども、すべての事務局で相談室を開設したり、健康管理等に関する情報提供を行ったりしております。今年は、新しい指針を出したということもございまして、その指針の普及のためのパンフレットも作成をいたしまして全職員に配付をするということをやらせていただいたということもやっております。
いずれにしても、健康づくり対策の指針に基づいて各省庁と連携をしながら人事院としての役割もしっかり果たしていくということで努力をしてまいりたいと思っております。
教職員の健康
水岡 俊一・議員
正に、官民ともに健康管理問題が緊急の課題ということが言えるわけであります。
私の出身である教育公務員を見ても、1991年度に病気休職者3795人のうち1129人だった精神疾患による休職者は、2002年度5303人のうち2687人と倍以上に増えているのが現実であります。これは実際に休職をしている教員の数字であります。また、地方公務員健康状況調査の長期病休者状況による、状況に関する調査、今お話のあったとおりだというふうに思いますが、非常に精神及び行動の障害によるものが増えているという現実がございます。
どうしても教育公務員出身の私にとって気になりますので、文部科学省にお聞きをしたいと思います。教育公務員においては、健康管理、健康安全管理についてどのような施策が現在展開されているのか、御説明ください。
素川 富司・文部科学省スポーツ・青少年局長
教職員の健康を維持するということは、教職員自身の保健、能率増進の観点から必要であるとともに、教育上、保健上の観点で児童生徒に与える影響は大きいということから重要なことであると考えております。
そういうことで、学校健康保健法に基づきまして教職員の健康診断を設置者は行っているわけでございますけれども、特に公立の小中高等学校の教育公務員につきましては、一部の教員に過重な負担が掛からないように適正な校務分掌を整えること、また会議や行事の見直し等、校務の効率化について各教育委員会に対して指導を行っているところでございます。また、教員が心身ともに健康を維持して教育活動に当たることができるように、日ごろから相談や教育、情報交換のできる職場環境づくり、これを促すとともに、カウンセリング体制の整備でございますとか、心の不健康状態に陥った教員に対しまして早期発見、早期治療に努めるよう、各教育委員会に取組を求めているところでございます。
これを踏まえまして、各教育委員会におかれましては、それぞれの実情に応じて、例えばパンフレットの配付でございますとか相談室の設置、電話相談の実施などの取組を進めているところでございます。
水岡 俊一・議員
今、早期発見、早期治療に向けてというお話がありましたが、早期治療、早期発見、そして治療のプログラムというものは文科省においては行っていないんでしょうか。
素川・文科省スポーツ・青少年局長
学校健康保健法に基づきまして健康診断その他実施しました場合に、その事後措置として必要な対応を設置者で取るということが求められているわけでございます。私どもとして、具体的なプログラムを策定して、それをお示しするということはしていないわけでございますけれども、一般的な過重労働による健康障害防止のための総合対策につきましての厚生労働省の通知などございますので、これらにつきまして周知を図っているということでございます。
水岡 俊一・議員
その程度で現在のそういう健康安全管理の問題を解決できると考えているとしたら、大きな問題じゃないでしょうか。つまりは、ごく一部の方々の問題であればこれまでどおりの対処の仕方でいいというわけになりますが、今人事院からのお話もありました。私も数字を挙げて、非常にメンタルヘルス対策としては大きな、重要な施策をやっていかないとこれから大変ですよということを申し上げているんであって、文科省としてはそこを踏み込んだ答弁はないんでしょうか。もう一度お願いします。
素川・文科省スポーツ・青少年局長
先ほども申し上げましたように、具体的に各教育委員会に対しましては、相談室の設置でございますとか電話相談、それから研修会、パンフレットの作成等を求めているところでございます。そういうことで、各都道府県、政令指定都市におきましてはその取組というものを進めていただいているわけでございますけれども、これらにつきましては各教員の実態等も十分把握しながら今後対応を考えていかなければいけないと考えております。
公務員制度改革
水岡 俊一・議員
更に現状の把握と、そして対処を具体的に考えていただきたいというふうに思います。
教育界では今日、ややもすると、指導力不足教員というレッテルを張ることにより不都合な教員を排除するようなことが行われようとしているわけであります。この話を公務員というくくりに広げて考えますと、精神的な健康を失いつつある公務員に対して、排除の論理ではなくて、ゆっくり休める仕組みを作って、またその中で復帰のための適切なプログラムを展開するなど様々な取組が必要であると強く感じているところでありますので、総務大臣もひとつよろしくお願いしたいと思います。人事院も今後メンタルヘルス対策の施策を更に前に進めていくよう提言をいただきたいと強く要望を申し上げます。
公務員制度改革では、能力等級制度とそれを支える新たな評価制度を導入するとしています。新たな評価制度による能力、実績を重視した任用・給与制度等、人事管理を機能させるためには、これまでの勤務評定制度の問題点と限界、不幸な対立と混乱の歴史を踏まえた制度設計と運用が不可欠であると私は考えております。また、先行している民間においても、業績評価を給与に反映させている企業のうち、うまくいっているとしているところは少なく、最近、成果主義や、そのもの、成果主義そのものの研究、あるいは企業における成果主義の崩壊を書いた書籍が出ております。
成果主義を否定的にとらえる考え方が、ある意味では世間の常識と見られています。この点についてどのような考えを持たれているのか、聞かせていただきたいと思います。
林田 彪・内閣府副大臣
現行の公務員の勤務評価制度の問題点といたしましては、大きくまとめてみますと、まず評価基準として、単に判断力とか、非常に抽象的な問題、表現と申しますか、そういうのがございまして、具体的に職務行動を評価するところが若干不明確な要素が多いというのが1点あろうかと思います。それと、そういう形で評価をやっておりますけれども、その評価結果を公務員の任用、給与に活用する枠組みが確立されていない、この点もあろうかと思います。そしてまた、評価に当たっての、いわゆる当事者と申しますか、評価者と被評価者との間のコミュニケーションの機会がなく、いわゆる被評価者の納得性が高まらないという点が大きく指摘されておる点ではなかろうかと思います。その結果、勤務評定の結果を人事管理に活用しようという意識がちょっと造成されにくい、あるいはその結果として、試験区分や採用年次、いわゆる数値化されたというか、分かりやすいというか、を重視した任用や年功序列を最終的に給与、処遇に取り入れた形になるということに問題があるというふうに指摘されております。
したがいまして、これからの公務員制度は、今言いましたようなことを改善するということに尽きるわけでございます。職員に期待される役割に対応する形で具体的な職務行動に即した明確な評価基準を定める、あるいは等級能力制の導入によって評価を、2番目に言いましたように、任用、給与に活用する枠組みを確立する、そして評価に当たっての評価者と被評価者の間のコミュニケーションの機会を形として用意するというぐらいまで頑張っていくということと現行の評価、勤務評価よりも被評価者のいわゆる納得性を高めるということになろうかと思います。
このような公務部門における評価制度の検討に当たっては、民間企業におけるいろんな事例を十分研究しながら、より適切な制度設計を図ってまいりたいと思っております。
水岡 俊一・議員
本年の5月13日の政労交渉で、一方的に法案提出はせず誠意を持って話し合うと、こういう約束をされたように聞いておりますので、政府、そして組合及び関係者でどのような制度がいいのか、白紙から議論をしていただきたい。今次国会には国公法改正案を提出することは事実上なくなったわけですから、時間を掛けて公務員制度改革、十分に論議をして取りまとめをしていただきたいと、こういうふうに思っております。
ただいまの評価制度導入の目的を達成するためには、評価制度の信頼と運用や結果に対する納得と合意が最も大切であります。それをなくして評価制度は機能し得ないと考えているわけであります。また、それを担保する手だてとしてどのようなことを必要と考えておられるのか、最後に人事院のお考えを聞かせていただきたいと思います。
佐藤・人事院総裁
やはり能力・実績主義というのは、公務員の世界にちゃんと導入するためにはやはり職員側の理解と納得ということは、これは必要不可欠だというふうに私どもは思っております。そのために、具体的な手だてとしては、これから評価基準を始め詳細な制度設計が行われると思いますけれども、まず中央レベルで職員団体との対話を重ねることと、労使間の意思疎通を図るということが必要だと思います。それから、やはり制度の実効性を検証するために、職員団体との意見を取り入れながら試行を行って、その試行で出た不具合と、明らかになった不具合というのを改善しながらより完全な制度にしていくと、そういうプロセスが大事ではないかというふうに思っております。
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