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トップページ > 国会レポートINDEX > 2009年4月23日 第171回国会 文教科学委員会

国会レポート

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● 2009年4月23日 第171回国会 文教科学委員会

民主党案「国公立の高等学校における教育の実質的無償化の推進及び私立の高等学校等における
教育に係る負担の軽減のための高等学校等就学支援金の支給等に関する法律案」
4月24日 参議院本会議可決 衆議院 送付

経済、教育格差が拡大するなか、高校実質無償化法案は、
高校退学や大学進学をあきらめる子どもたちに大きな夢を与える

参議院議員 水岡 俊一

那谷屋 正義・参議院議員

民主党・新緑風会・国民新・日本の那谷屋正義でございます。
まず、発議者におかれましては、まさに真の教育改革の第一歩たる大変な法案をこの度提出に至り、ご努力をされたことに敬意を表しながら質問をさせていただきたいと思います。
まず、政府の方にお答えをいただきたいと思いますけれども、この間の趣旨説明のなかにも、日本政府は留保しておりますが、「国際人権A規約」における中等教育に係る条項云々というところがございました。
このことについて、国連の社会権委員会は2001年に行なわれたわけであります。そこの経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会の最終見解において、拘束されない権利の留保の撤回を検討することを要求するとして、日本政府には2006年、いまはもう2009年ですけれども、2006年までにこの勧告を実施するために取った手段についての詳細な情報を含めることを要請すると求められておるわけであります。その時点で報告がなされているのかどうか、あるいはその報告をもしなされていないのであれば、いまの状況で、どのような認識を持たれているのか、お尋ねをしたいと思います。

金森 越哉・文部科学省初等中等教育局長

国際人権A規約第13条2(b)におきましては、種々の形態の中等教育は、すべての適当な方法により、特に無償教育の漸進的な導入により一般的に可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとするとされているところでございます。
わが国といたしましては、後期中等教育に係る経費について、負担の公平や無償化のための財源をどのように賄うのか等の観点から、これらの教育を受ける生徒等に対して適正な負担を求めるという方針を取っておりまして、この国際人権規約の批准に当たりましては、当該規定に拘束されない旨、留保したところでございます。
2001年9月に、ご指摘がございましたように、国連の経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会が最終見解として、日本に対し国際人権A規約第13条2(b)、中等教育に関する無償教育の漸進的導入に関して留保の撤回を検討することを要求しております。しかし、わが国といたしましては、2002年11月に国連に提出をいたしました経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会の最終見解に対する日本政府の意見におきまして、わが国の行なった留保については、締約国として条約法条約に規定する正当な手続に従って行なっているものであるところ、貴委員会がその権限の範囲内において正当な関心を有することは理解し得るが、これらを撤回するか否かは締約国の主体的な判断にゆだねられるべきであると考えるとの意見を表明しているところでございます。
なお、わが国としての政府報告書は外務省で取りまとめておりますが、外務省によりますと、当該報告書は関係する府省庁が多岐にわたり、また作業も膨大なものであることから、作成に時間を要しているものと伺っているところでございます。

那谷屋・議員

つまり、まだ報告が出されていないということで、外務省が取りまとめているということでいまお答えをいただきました。しかし、2006年までということで、もう2009年になっているわけで、すでに3年がたとうとしているわけであります。これは学校の宿題をいつまでにやってこいということが、3年というのはあり得ないんです。3日、4日遅れたらこれは大変なことになるわけであります。文科省の一義的な責任ということではないと思いますけれども、やっぱりそういう意味では日本の外交のあり方というものも改めて、ここは違う委員会ですから申しませんけれども、そこは問題だなというふうに思います。
それから、いまの文科省の見解についても、確かに日本国内の問題であるというふうなことで言い切っちゃって本当にいいのかどうなのかという問題があるだろうと思います。やはり日本の国として、あるいは教育立国としてどのようにこの後期中等教育というものを考えるのかということについて、いまこういうふうに考えていると、そしてそういう流れのなかにあっていま日本としてはどういうところを検討しているとか、そういうふうな話を報告するのであれば分かるのですが、ただそういう何かつれない報告の答えだと何となくそれでいいのかなというのを感じます。
それで、いま世界標準というふうにもなりつつあります国際人権A規約ですけれども、「中等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること。」というふうになっております。これは締約国が151ヵ国あるなかで、つい先日までは3ヵ国がまだ留保だったわけでありますけれども、ところが3ヵ国のうちのルワンダという国がその留保を解きまして、いよいよ日本とマダガスカルのこの2ヵ国になってしまったという状況がございます。
世界標準となりつつある教育の無償化の意義について、まず文科省はどのようにお考えかをお尋ねをしたいと思います。

塩谷 立・文部科学大臣

後期中等教育を受ける機会をどのように国民に保障するかということでありますが、これも各国それぞれの事情を踏まえて政策判断がなされるところであり、高等教育については特に私立学校の占める割合が多いわが国としましては、負担の公平等の観点から公立学校の進学者に対しても一定の負担を求めているところでございます。
一方、教育を受ける機会の均等を実質的に確保するために、わが国としては、経済的な理由により就学の機会が奪われることのないように授業料の減免あるいは奨学金事業の充実によって支援を努めているところでございます。今後とも、全員一律無償化ということではなくて、おもに低所得者に対し、重点的に支援することで後期中等教育を受ける機会の確保が図られるように努力をしてまいりたいと考えておるところであります。

那谷屋・議員

発議者はその辺りをどのようにお考えでしょうか。

教育費負担を軽減し、子どもたちに教育の機会を保障

発議者 水岡 俊一・参議院議員

那谷屋委員のご質問にお答えをいたします。
現在、高等学校等の後期中等教育機関への進学率というのは98%と言われております。これらの教育機関は準義務教育的な役割を担っているということは、もう皆さんご承知のとおりだと思うところであります。
本法律案は、その教育費に係る保護者の負担を軽減し、次代、次の時代を担うすべての子どもたちに教育の機会をひとしく保障することによって教育の格差を是正していくということをめざしているわけであります。
今回の制度設計というのは、高等教育の無償化をめざす民主党、いま国際人権規約のご紹介がありましたが、民主党は高等教育の無償化をめざしているわけでありまして、その民主党としては、この前段として後期中等教育の無償化実現に向けた大きな一歩を踏み出したいと、こういうふうに考えたところであります。
先ほどからご紹介をいただいております国際人権規約A規約の第13条では、まず、この規約の締結国は教育についてのすべての者の権利を認めるとし、第2項に中等教育についても記述がされているというところです。そして、いま那谷屋委員からご紹介がありましたが、ルワンダが留保を解き、そしてマダガスカルと日本だけになったということは、わが国にとって大変恥ずかしいことだというふうに思うわけであります。その国の主体性に任せるということだからこそ、私たちは恥ずかしいことではないかと考えています。高等教育とともに、同項の無償教育の漸進的な導入の部分を私たちは何としても解いていくべきだと考えていることをご理解いただきたいと思います。
こうした経緯を踏まえて、すべての義務教育修了者に次なる教育の機会を保障するための第一歩を踏み出してまいりたい、それがこの法律の考え方であります。那谷屋委員のご質問にお答えをいたします。
現在、高等学校等の後期中等教育機関への進学率というのは98%と言われております。これらの教育機関は準義務教育的な役割を担っているということは、もう皆さんご承知のとおりだと思うところであります。
本法律案は、その教育費に係る保護者の負担を軽減し、次代、次の時代を担うすべての子どもたちに教育の機会をひとしく保障することによって教育の格差を是正していくということをめざしているわけであります。
今回の制度設計というのは、高等教育の無償化をめざす民主党、いま国際人権規約のご紹介がありましたが、民主党は高等教育の無償化をめざしているわけでありまして、その民主党としては、この前段として後期中等教育の無償化実現に向けた大きな一歩を踏み出したいと、こういうふうに考えたところであります。
先ほどからご紹介をいただいております国際人権規約A規約の第13条では、まず、この規約の締結国は教育についてのすべての者の権利を認めるとし、第2項に中等教育についても記述がされているというところです。そして、いま那谷屋委員からご紹介がありましたが、ルワンダが留保を解き、そしてマダガスカルと日本だけになったということは、わが国にとって大変恥ずかしいことだというふうに思うわけであります。その国の主体性に任せるということだからこそ、私たちは恥ずかしいことではないかと考えています。高等教育とともに、同項の無償教育の漸進的な導入の部分を私たちは何としても解いていくべきだと考えていることをご理解いただきたいと思います。
こうした経緯を踏まえて、すべての義務教育修了者に次なる教育の機会を保障するための第一歩を踏み出してまいりたい、それがこの法律の考え方であります。

那谷屋・議員

もう97%から98%の進学率ということでありますけれども、やはり後期中等教育のあり方というものについて、先ほど大臣が少し触れられたかと思いますけれども、再度、この後期中等教育にかかわって、日本の教育行政としてどういうふうにあるべきなのかということについて、改めてお考えをお聞きしたいと思います。

塩谷・文部科学大臣

先ほどもご答弁申し上げましたが、後期中等教育につきましては、ある点、受益者負担という観点からもあり、また国公私の状況もあり、授業料の負担については在学者あるいは保護者に求められているところでございます。
しかしながら、いまお話がございましたように、98%の進学率という国民の教育機関となっておりますので、経済的理由によって就学困難な高校生に対して、その機会が奪われることのないように最大限の支援をしていかなければならない、授業料の減免あるいは奨学金の事業の充実によってその負担の軽減を図っていかなければならないと考えております。
最近の経済状況のなかで、やはり家計負担の問題も具体的な議論をして、将来的にどうあるべきか、ということは当然検討を要するところであると考えておりますが、財源の問題もありますし、やはり基本的な考え方をどうするかということをしっかりと議論をしていかなければならないと、そういった思いでございます。
いまの時点でこれをすべて無償化ということはかなり現実的にも困難でありますので、我われとしては、授業料減免あるいは奨学金の充実ということで負担軽減に努めてまいりたいと考えております。

那谷屋・議員

いま、大臣自ら現在のこういう状況のなかではその無償化というのが困難だというふうな、もう何か半ばあきらめられたようなお話がございましたけれども、本当にそうなのかどうなのかということについてはやはり再度検討する必要があるだろうと思います。  減免措置というものが必要のない方法というのはやはり無償化であり、98%の進学率ということであればもう準義務化であるということ。この部分について、やはりこの日本の教育のシステムをどういうふうにするかという大きな、大上段に構えた形でやはり考えていくべきときなのではないかと思うわけであります。そういうスタンスに立っていただけるのであれば、もう我われも本当に全面的に文科大臣を中心とした文科省を応援したいなというふうに思うんですが、もう走る前から、始めからあきらめられているというのについてはちょっとがっかりしたところであります。
それで、いま、この部分について保留をしているということの理由の一つに、やはり私学の問題を挙げられました。今回の法案のなかでは、私立高校等における教育費負担等の軽減を図るというふうにもございます。とりわけ、一定の年収が少ないところにはそれなりの配慮も含めた措置をするとうたわれておりますけれども、そのことの意義を改めて発議者にお尋ねをしたいと思います。

私立高校の授業料も、公立校と同水準を支援

発議者 水岡 俊一・議員

わが国の高等学校における生徒数の公私の比率を調べてみますと、公立は私立の2.2倍となっています。しかし、県別に公私の比率を調べてみると、東京都においては私立が公立を上回っている。一部の県では全生徒数に占める私立の割合が4%、5%にとどまっている。そういうような、私立校の位置づけは地域によって大変大きく異なっているのが現状であります。  また、公立高校全日制ではほとんどの都道府県において授業料月額は、9900円前後となっているのに対し、私立では学校によって大きな開きがあります。全国平均によって公私を比較いたしますと、私立高校の授業料は公立の約3倍となっているのが現状であります。また、納入金すべてを計算しますと、公立の5倍から6倍と言われているわけであります。  こうしたわが国の全国的な高等学校の設置の形態と授業料の水準、私学進学者の志望動機などをかんがみれば、現時点においてすべての私立高等学校の授業料を全額国庫で保障するという選択肢は多くの国民の理解を得ることは難しいのではないかという判断もございます。そういったことから、本法律案においては、当面、公立校と同じ水準の支援を行なうということを第一義に考えたところであります。この措置によっても教育費に掛かる家計負担は随分緩和をされるのではないかと考えております。
また、本法律案では、私立高校への進学者のうち家計の状況が厳しい世帯に対しては支援の増額を行なう規定もあわせて設けております。今後、高等学校での教育を希望するすべての生徒にその機会を保障できるよう、私学助成のあり方等も含め、教育費負担のあり方について幅広い視点から論議を深めてまいりたいと、こういうふうに考えているところであります。

那谷屋・議員

私学の問題からなかなかこの問題には留保を解くことができないという大臣からのお話がございましたけれども、いまのような一歩踏み込んだ考え方というものがなかなかどうしてこれまでされてこなかったのかなということについて、私自身ちょっと残念だなというふうにも思うわけです。そういう意味では、やはりこれは保護者全体のそういった負担軽減というふうなもの、まして97%、98%の進学率があるということでありますから、単に受益者負担という話ではなくて、やはりもうほとんど全体にかかわってくる問題であると考えると、やはり公的に国としてきちっとそこのところを保障する。そして高校へ行きたい人すべての人たちにそういう機会を保障するということ、これはやっぱり国の大きな役目ではないかと思うわけであります。
また、もう一つ、大臣から、いわゆる授業料の減免ですとかあるいは様ざまな奨学金制度、そういった措置がいまされているというお話がありましたけれども、実は先日、ちょうど4月の15日、NHKのアンケート調査みたいのが報道されました。そこで出てきた話というのが、昨年の秋から大変景気の悪化が深刻になったということで、それ以降授業料を滞納する生徒が増えたかどうかというような質問に対して、増えたと感じるというふうに答えた高校が約42%あったということであります。
それから、滞納の理由についてというのは、これは複数回答でありましたけれども、やはり経済的に厳しい家庭が多いというふうなところが29%、それから離婚など家庭の事情というのが25%、授業料を滞納している割には飲んだりパチンコしたりとかというふうな話のなかで、いわゆる保護者のモラルの低下ということが22%と出ているわけであります。いずれにしましても、高校で後期中等教育を受けたいと思う個人ですね、生徒個人について相当影響が出てきているということは間違いございません。
さらに、お手元にお配りいたしました資料の、まず、ちょっと後ろからで申し訳ないのですが、資料の3、4枚目ですけれども、資料の3であります。
これは収入別階級を五つに分けて消費の比率を表したグラフでありますけれども、やはり、第一階級、年収が367万円未満のところは82.5、一方で879万円以上のところは66.4という大きな差が出てきております。ここで何の差が出てくるのかということになりますと、その後の資料4というのをご覧いただけたらと思いますが、今回は授業料等を国の方で負担をするという法案になっておりますが、実は高校では授業料のほかに、これは鳥取県の例でありますけれども、授業料と同じぐらいの額を私費として負担をしなければならないというふうに出ているわけであります。
そうすると、先ほどの資料3と比べてみても、例えば、もう現実に修学旅行代が払えないですとか、あるいはクラブ、部活の部費を集めると、そこにはちょっと払えないということのなかで、部活動をしたくても部活動をあきらめざるを得ないような子どもたちも出てくる。これはやはり機会均等というところからは逸脱する大きなものになっているんではないかなと思うわけであります。
そして、資料の2をご覧いただけたらと思いますけれども、これは「年収400万世帯における子どもに対する学校教育費負担等」ということで、学校費負担等ということは、この一番下の薄い緑色は、これは年金等の保険料等を含むわけでありますけれども、そうしたなかで見てみますと、2人の子どもがいて2人とも大学に通っているときには、その年収に占める学校教育費等の負担が何と73%になるというようなことでございます。これは本当に機会均等なのかということはやはり疑問に思わざるを得ません。
 そういうふうな状況を踏まえるなかで、文科大臣として、こうしたNHKのデータの結果も踏まえて、どのようにお考えか感想をお聞かせいただけたらと思います。

塩谷・文部科学大臣

NHKのアンケートの結果等、最近の経済状況を踏まえたいろいろな結果が出ていると思います。
先ほども申し上げましたが、そういう状況のなかで、当然、家計費負担の問題、教育費全体の問題、あるいは義務教育ということで高等学校をどうとらえるかといった大きな課題としては今後当然検討をしていかなければならないと考えております。現状においては、そういった状況において、私どもとしてはできる限りの授業料減免あるいは奨学金制度の充実を図って、できる限り経済的な理由によって就学の機会が損なわれることのないように努力をしていこうと思っておりますが、将来的にいろいろと検討しなければならないいまの現状を私どもも受け止めながら、今後努力をしてまいりたいと考えております。

那谷屋・議員

それじゃ発議者の方に、同じように、いまのこうした収入の格差がおそらく教育の格差にものすごく直接的にも影響するだろうというふうなことを踏まえて、いま私が申し上げましたことに対しての見解、ございましたらお願いしたいと思います。

授業料以外にも、副教材費、制服代、修学旅行費など負担が多い高校生

発議者 水岡 俊一・議員

那谷屋委員がご指摘いただいた高校生の授業料以外の負担分というのはかなりございます。教科書代であるとかあるいは副教材費、制服代、修学旅行費などというのが考えられるのですが、私はさらに加えて通学の定期代だとかということも非常に大きな要因になってくると思っております。
もうアンケート調査によるまでもなく、高校生のそういった経済的な負担によって退学を余儀なくされているという生徒が増えているということは、皆さんお感じになっているとおりだと思っております。また、学校は続けるけれども修学旅行に行けないという生徒が出てきたり、あるいは高等学校に通いながらアルバイトをしなきゃいけないという子どもたちも増えているということでありますから、そういった部分を何としても私たちは解消していきたい、支援をしていきたいというのが考え方として持っているわけであります。
先ほど文科省からは負担の公平という観点から難しいのだというお話がありましたが、私は難しくないと思っております。民主党としては、負担の公平化をやるならば無償で公平化をすればいいと思っているわけです。私費、私立学校へ通う生徒の負担を家庭がしなきゃいけないということから公平化ができないというのは、論理的に僕はおかしいというふうに思っておりまして、民主党としては無償化による公平化をめざしていくべきだという考え方であります。

那谷屋・議員

授業料の減免というものを考えたときに、これも実は設置者にゆだねられる部分が多くて、そういう意味では地方財政の財政力にも相当な格差があるわけでありまして、減免制度と一概に言っても、これはどの県に行っても同じだということではなくて、あるいはその枠をちょっとでも超えた人、大変厳しいけれどもそれを超えてしまったという人は減免制度を受けられない状況にもなるわけであります。沖縄なんかはこれまで全額免除だったものがそれを半額免除というふうに変えたんです。そうしたらものすごく適用者が増えてしまってきているというような現状もあります。そういう意味では、やはり地方の財政力がそうしたところへ、また随分違いが出てきてしまっているということも現実としてあるわけでありますから、減免に頼るということだけでは国としての役目を果たしているということにはならないと私は思うところであります。
さて、お配りしました資料の―Aというのをご覧いただきたいと思います。
これは「一人の生涯から見た『社会保障』の給付と負担の姿」というものでありまして、それをシミュレーションしたものでありますけれども、これを見ていただければ、ご案内のように、いわゆる日本の社会保障の給付というのは高齢者に非常に多くなっていると。これがいけないとか、いいとかという問題じゃなくて、まだ足りないぐらいだと言われているぐらいですから、ここの部分について高齢者においては非常にこの給付が多くなっている。ところが、いわゆる生涯の前期の部分でありますね、教育を受けるような段階のときになると、それほどの給付を受けていない。
やはりここで一定のそういったものを、このバランスを取るということによって、いわゆる社会保障が継続したものになっていく。そういったことを受ける個人も、やはり私は国のこういったものを受けながらやってきているということ、それから、そういうものを受ければ受けるほど、今度は高齢者に対するこの社会保障の給付の部分に対しての貢献度も非常に高いというデータも出てきています。そういう意味ではこのバランスという意味からも、やはりここで思い切り後期中等教育というものについて考え直す、今回のご提案のように授業料を実質無償化する制度というものが非常にいま望まれているのではないかなと思うわけであります。
この制度の実現に向けて、最後に発議者に決意をお聞かせいただけたらと思います。

発議者 水岡 俊一・議員

小泉構造改革と規制緩和により家計への教育費の負担が増している。そういったなかにアメリカ発の経済危機が保護者家庭を襲って、以前にも増して経済格差が、厳しい教育格差が生まれているということを皆さんと共有しているわけでありますが、そういったなかで、改めて考えてみますと日本の公財政教育支出の対GDP比というのは、OECDのなかで最低の日本は3.4%であります。
そういったなかで、授業料の滞納者、退学や大学進学をあきらめるなどの子どもたちが増えておりますから、子どもたちや保護者の皆さんに今回の法律案を提示し、そして経済的な支援をわずかではありますが、することによって大きな夢を与えることになるというふうに思っております。そういったことで那谷屋委員がおっしゃっている世界的な標準というものに近づくことができるのではないかと私は思っております。

那谷屋・議員

教育立国あるいは教育が大変大事だと言っているわが国において、この世界標準、まずすべき一つの指標だと思いますけれども、これにやはり追いつくということはもうまず最低限のハードルなのではないかなと思いますので、ぜひこの実現に向けてこれからも頑張っていただくことを祈念いたしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

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